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ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第53回】ChatGPTで事業計画を作成する方法|売上・費用・人員・設備・資金計画を一つにつなげる実践講座

2025.07.31

こんにちは、ソラ先生です。

前回は、ChatGPTを使って新規事業の可能性を検討し、市場ニーズ、技術的な実現可能性、収益性、リスクを整理する方法を学びました。

今回は、その検討結果を具体的な「事業計画」へ発展させていきましょう。

テーマは「事業計画の作成」です。

皆さんは、こんな経験はありませんか?

「来年の売上目標を決めたけれど、どうやって達成するのか分からない」

「売上が増える計画なのに、必要な人員や設備を考えていなかった」

「利益が出る計画を作ったはずなのに、資金繰りが厳しくなりそう」

「新しい事業を始めたいけれど、何から準備すればよいか整理できない」

「事業計画書を作成したものの、実際の仕事に活用できていない」

事業計画は、将来の売上や利益を予測するだけの資料ではありません。

何を実現したいのか。

誰に、どのような価値を提供するのか。

どのような仕事を、どのくらい行うのか。

そのために必要な人員や設備は何か。

どの程度の費用が発生するのか。

そして、必要な資金を確保できるのか。

こうしたことを一つにつなげ、実行可能性を考えるためのものです。

ChatGPTは、事業計画の構成を考え、売上や費用を計算し、必要な資源を整理し、複数のシナリオを比較する手助けができます。

今回は、**「目標を決める → 売上の根拠を作る → 費用を見積もる → 生産能力を確認する → 人員と設備を考える → 資金繰りを計算する → 実行計画へ落とし込む」**という流れを学びましょう。

1.事業計画とは何でしょうか?

事業計画とは、事業の目的や目標、実行方法、必要な費用や資源などを整理した計画です。

例えば、新しい製造サービスを始める場合です。

まず、どのようなお客様へサービスを提供するのか考えます。

次に、そのお客様が何に困っているのか確認します。

そして、自社がどのような技術やサービスを提供できるのか整理します。

さらに、価格や受注数量、必要な設備、費用、資金などを検討します。

このように、事業に必要な要素を組み合わせて考えることが重要です。

ただし、事業計画は必ず長い文章で作る必要はありません。

例えば、小さなサービス改善なら、数ページの計画で十分な場合があります。

一方、大きな設備投資や新規事業では、詳細な収支計画や資金計画が必要になることもあります。

重要なのは、目的に合った計画を作ることです。

事業計画の価値は、書類の厚さではなく、実際の判断や行動に使えることにあります。

実践プロンプト①

「製造業の新規サービスについて事業計画を作成したいです。事業目的、対象顧客、提供価値、売上計画、費用計画、人員、設備、生産能力、資金繰り、リスク、実行スケジュールという項目で構成を考えてください」

2.最初に事業の目的を明確にする

例えば、次のような目標があったとします。

「売上高を増やしたい」

もちろん、売上を増やすことは重要です。

しかし、それだけでは具体的な事業計画になりません。

例えば、売上を増やしたい理由は何でしょうか。

新しい顧客との取引を増やしたいのでしょうか。

既存設備の稼働率を高めたいのでしょうか。

新しい技術分野へ進出したいのでしょうか。

利益構造を改善したいのでしょうか。

目的によって、実行方法は変わります。

例えば、既存設備に余裕があり、その能力を活用したい場合には、追加の設備投資をせずに対応できる仕事を検討する方法があります。

一方、現在の設備では対応できない技術分野へ進むなら、設備投資や技術習得が必要になるかもしれません。

そこで、売上目標だけでなく、何を実現したいのかを明確にする必要があります。

実践プロンプト②

「新規事業によって売上を増やしたいと考えています。しかし、売上増加だけでなく、技術力の向上、新規顧客の獲得、既存設備の活用、利益改善なども目的の候補です。事業目的を整理し、優先順位を考えるための質問を作成してください」

3.実践例|年間売上1,800万円の事業を計画する

ここからは、架空の製造会社が新しい加工サービスを始めるという設定で考えてみましょう。

事業内容は、高機能樹脂を使用した少量試作サービスです。

初年度の年間売上目標を1,800万円と設定したとします。

さらに、平均的な一案件あたりの売上高を15万円と仮定します。

この場合、必要な年間受注件数は、

1,800万円÷15万円=120件。

です。

月平均では、

120件÷12か月=10件。

つまり、

年間売上1,800万円を達成するには、平均単価15万円の案件を年間120件、月平均10件受注する必要があります。

ただし、これは単純な計算です。

実際には案件ごとに価格や数量が異なります。

また、すべての月で同じ件数を受注できるとは限りません。

そこで、この数字を出発点として、計画の実現可能性を考えていきます。

4.売上計画は、どのように作る?

売上計画を作るとき、前年の売上に一定の増加率を掛ける方法があります。

例えば、前年売上1,000万円に対して20%増加を目標とするなら、1,200万円です。

しかし、新規事業では前年実績がない場合もあります。

そこで、受注件数と一案件あたりの売上高から計算する方法があります。

売上高=受注件数×平均売上単価

例えば、一案件15万円で月間10件なら、

15万円×10件=150万円。

年間では、

150万円×12か月=1,800万円。

です。

ただし、受注月と売上計上月が異なる場合があります。

例えば、10月に注文を受けても、納品と売上計上が11月になる場合です。

そのため、受注計画と売上計画を分けて考える必要があります。

実践プロンプト③

「一案件あたり平均売上15万円、年間受注120件を想定しています。月別の受注計画と売上計画を作成したいです。受注から納品までの期間を考慮し、受注高と売上高を混同しない構成を考えてください」

5.初年度から毎月10件受注できる?

例えば、新規サービスを始めた最初の月から、毎月10件の受注を得られると仮定したとします。

しかし、新規事業では、サービスの周知や見積対応、技術検証などに時間がかかる場合があります。

そのため、実際には受注件数が段階的に増える可能性があります。

例えば、次のような計画です。

期間月間受注件数
1〜3か月目3件
4〜6か月目7件
7〜9か月目12件
10〜12か月目18件

この場合、年間受注件数は、

3件×3か月=9件。

7件×3か月=21件。

12件×3か月=36件。

18件×3か月=54件。

合計120件です。

平均単価15万円なら、年間の受注金額は1,800万円になります。

ただし、実際にこのように増加する根拠があるとは限りません。

そのため、過去の問い合わせや受注実績、営業活動などを確認する必要があります。

6.売上計画の根拠を確認する

例えば、月間10件の受注を目指すとします。

では、何件の見積依頼が必要なのでしょうか。

例えば、見積を提出した案件の40%が受注されると仮定します。

この場合、

10件÷0.40=25件。

となります。

つまり、平均的には月間25件の見積案件が必要という計算です。

ただし、これは受注率が40%という仮定に基づいた期待値です。

必ず25件の見積から10件受注できるわけではありません。

また、新規サービスでは、過去の受注率をそのまま使えない場合があります。

そこで、営業活動の実績から検証する必要があります。

例えば、

問い合わせ件数。

具体的な見積依頼件数。

見積提出件数。

受注件数。

一案件あたりの売上金額。

こうした情報です。

実践プロンプト④

「月間10件の受注を目標としています。見積提出案件の受注率を40%と仮定した場合、必要な見積案件数を計算してください。また、その受注率の根拠を検証する方法と、問い合わせから見積へ進む割合を調べる方法も整理してください」

7.費用計画を作成する

売上計画ができたら、次に費用を考えます。

例えば、一案件15万円のサービスについて、一案件あたりの変動費が9万円と仮定します。

この場合、一案件あたりの限界利益は、

15万円-9万円=6万円。

です。

年間120件の受注に対応する売上・製作がすべて完了すると仮定すれば、

年間売上高は1,800万円。

年間変動費は、

9万円×120件=1,080万円。

年間限界利益は、

1,800万円-1,080万円=720万円。

となります。

ここから、事業に必要な固定費を差し引きます。

例えば、月間追加固定費が30万円なら、

30万円×12か月=360万円。

です。

したがって、

年間利益は、

720万円-360万円=360万円。

となります。

ただし、これは税金や営業外損益などを省略した、学習用の単純な事業損益です。

また、年間120件の仕事をすべて完了し、売上計上できることが前提です。

8.年間の事業損益を一覧にする

今回の架空の事業について、年間損益を整理します。

項目年間金額
売上高1,800万円
変動費1,080万円
限界利益720万円
追加固定費360万円
事業利益360万円

この表では、年間360万円の利益が見込まれています。

しかし、数字の上で利益が出ているからといって、事業計画が成立したわけではありません。

例えば、年間120件を製作できるだけの生産能力があるでしょうか。

また、加工に必要な人員や設備を確保できるでしょうか。

さらに、材料費や外注費を先に支払うための資金が必要になる可能性もあります。

そこで、売上・費用・生産能力・資金を一つにつなげて考える必要があります。

9.人員計画を考える

例えば、一案件の製作に必要な社内作業時間が平均12時間だったとします。

年間120件なら、

12時間×120件=1,440時間。

です。

この1,440時間には、どのような作業が含まれるのでしょうか。

例えば、

加工準備。

段取り。

加工。

検査。

後処理。

梱包。

こうした作業です。

ただし、すべてが人による作業時間とは限りません。

例えば、機械の自動運転時間と、人が直接作業する時間は異なります。

また、見積や技術検討、顧客対応などの時間が別に必要になる場合もあります。

そのため、作業時間を分類することが重要です。

実践プロンプト⑤

「年間120件の加工案件を計画しています。一案件あたり平均12時間の作業が必要です。人による直接作業、機械の運転時間、段取り、検査、見積・技術検討などを区別し、必要な人員と設備能力を見積もる方法を整理してください」

10.年間1,440時間なら、一人で対応できる?

例えば、年間1,440時間の作業が必要だとします。

一人の年間勤務時間が1,800時間なら、一人で対応できるのでしょうか。

単純に、

1,440時間÷1,800時間=80%。

と計算できます。

しかし、勤務時間のすべてを、その仕事に使えるとは限りません。

例えば、ほかの仕事も担当している可能性があります。

また、会議、教育、設備保守、休暇などもあります。

さらに、加工設備の段取りや、複数の案件が同時に進む場合には、作業時間だけでは判断できません。

そこで、実際に利用可能な作業時間を確認します。

例えば、年間勤務時間から、計画的な休暇や管理業務、ほかの仕事などを考慮して、利用可能な時間を求めます。

そして、必要な作業時間と比較します。

勤務時間が足りていることと、必要なタイミングで作業できることは同じではありません。

11.設備能力を確認する

次に、設備について考えてみましょう。

例えば、一案件あたり平均8時間の機械稼働が必要だったとします。

年間120件なら、

8時間×120件=960時間。

です。

設備の年間利用可能時間が1,500時間なら、単純な時間比較では対応できる可能性があります。

しかし、次のような条件も確認する必要があります。

ほかの製品にも使用しているか。

段取り時間は含まれているか。

設備の故障や保守停止があるか。

複数の仕事が同じ時期に集中するか。

必要な加工が同じ設備で行えるか。

こうした項目です。

例えば、年間では時間が足りていても、特定の月に仕事が集中すれば、納期に対応できない可能性があります。

そこで、年間だけでなく、月別や週別の設備負荷も確認する必要があります。

実践プロンプト⑥

「新規事業で年間960時間の機械稼働が必要と見込んでいます。対象設備の利用可能時間は年間1,500時間ですが、既存事業にも使用しています。設備別・月別に負荷を比較し、生産能力の不足や納期集中を確認する方法を考えてください」

12.月別の受注増加に対応できる?

先ほどの計画では、事業開始後に受注件数が段階的に増えると仮定しました。

例えば、最終四半期は月間18件です。

一案件あたりの社内作業時間が12時間なら、

18件×12時間=216時間。

です。

一方、最初の四半期は月間3件なので、

3件×12時間=36時間。

です。

つまり、月によって必要な作業時間が大きく変わります。

年間の合計だけを見ていると、この変化を見落とす場合があります。

そこで、月ごとの必要工数を計算します。

期間月間受注件数月間必要工数
1〜3か月目3件36時間
4〜6か月目7件84時間
7〜9か月目12件144時間
10〜12か月目18件216時間

このように、事業が拡大した場合の負荷を確認できます。

ただし、実際の加工時間は案件ごとに異なります。

また、受注と製作の時期が一致しない場合には、納期別の生産計画で確認する必要があります。

13.生産能力が不足する場合はどうする?

例えば、月間18件の受注に対応するためには、現在の人員や設備では能力が足りないことが分かったとします。

この場合、どのような選択肢があるでしょうか。

例えば、

作業方法を改善する。

段取り時間を短縮する。

設備の稼働計画を見直す。

協力会社へ一部の工程を依頼する。

人員を増やす。

設備を追加する。

こうした方法が考えられます。

ただし、どの方法が適切かは、実際の制約によって変わります。

例えば、人員を増やしても、設備がボトルネックになっているなら、生産能力が十分に増えないかもしれません。

一方、設備を追加しても、段取りや検査を行う人員が不足していれば、計画どおりに製作できない可能性があります。

そこで、何が制約になっているのかを確認する必要があります。

実践プロンプト⑦

「月間18件の製作を計画していますが、生産能力が不足する可能性があります。段取り改善、設備稼働の見直し、外注活用、人員増強、設備追加を比較し、どの工程が制約になっているか確認する方法を整理してください」

14.人員を増やすと利益はどう変わる?

例えば、新規事業の拡大に伴い、一人の従業員を追加採用することを検討したとします。

この場合、給与だけでなく、社会保険料の会社負担や教育費なども関係する場合があります。

また、採用直後から、計画どおりの生産性を発揮できるとは限りません。

そのため、人員を増やした場合の費用と、生産能力の変化を考える必要があります。

例えば、追加人員によって月間固定費が30万円増えると仮定します。

一案件あたりの限界利益が6万円なら、追加固定費を回収するためには、

30万円÷6万円=5件。

追加で月間5件分の限界利益が必要という単純計算になります。

ただし、人員を増やすことで、本当に5件以上の追加受注・製作が可能になるかは別の問題です。

また、既存の仕事の負担軽減など、金額だけでは評価しにくい効果もあります。

実践プロンプト⑧

「新規事業の拡大に伴って人員を増やす場合、給与、社会保険料、教育費、必要な設備、作業能力の増加を考慮した費用比較を行いたいです。追加固定費を回収するために必要な案件数も計算してください」

15.設備投資計画を作る

事業計画では、設備投資も重要です。

例えば、新しい加工設備を購入する場合です。

まず、初期投資額を確認します。

設備本体価格。

搬入・設置費。

工具・治具。

必要な工事。

教育費。

こうしたものです。

次に、設備導入後の費用を考えます。

保守費。

消耗品。

電力。

ソフトウェア。

減価償却費。

などです。

また、設備導入によってどのような効果があるか整理します。

例えば、加工時間の短縮や、外注費の削減、対応可能な仕事の増加などです。

ただし、設備投資の採算評価と、資金繰りへの影響は区別する必要があります。

これは、第42回で学んだ内容とも関係しています。

実践プロンプト⑨

「新規事業のために設備投資を検討しています。本体価格、設置費、工具・治具、保守費、減価償却費を整理し、投資回収期間、NPV、資金繰りへの影響を確認するための計画を作成してください」

16.利益計画と資金計画は別

ここで、経営上の重要な違いを確認しましょう。

先ほどの架空の事業では、年間利益が360万円になる計算でした。

では、年間360万円の現金が必ず増えるのでしょうか。

そうとは限りません。

例えば、お客様への売上は計上されていても、代金の入金が翌月や翌々月になる場合があります。

一方、材料費や外注費は、売上代金が入金される前に支払う必要があるかもしれません。

また、設備投資を行えば、大きな現金支出が発生する場合があります。

さらに、借入金の元本返済は、損益計算上の費用とは異なる扱いになる場合があります。

そのため、損益計画とは別に、入金と支払いの計画を作成する必要があります。

利益が出る計画と、支払いができる計画は同じではありません。

17.月別の資金繰り計画を作る

例えば、事業開始時点で500万円の手元資金があったとします。

最初の3か月間について、次のような入出金を仮定します。

項目1か月目2か月目3か月目
月初残高500万円350万円280万円
入金0万円20万円80万円
支払い150万円90万円100万円
月間資金増減-150万円-70万円-20万円
月末残高350万円280万円260万円

※学習用の架空データです。この表の入出金は、月別資金繰りを説明するために設定したものであり、前述の事業損益計画の金額と直接対応させたものではありません。

この例では、最初の3か月で手元資金が500万円から260万円へ減少しています。

つまり、240万円の現金が減ったことになります。

このように、事業が立ち上がるまでの間に、先行して資金が必要になる可能性があります。

ただし、月末残高がプラスでも、月の途中で支払いが集中する場合があります。

そのため、必要に応じて週次や日次の資金繰りも確認することが重要です。

実践プロンプト⑩

「事業開始時点の手元資金500万円、1か月目の入金0万円・支払い150万円、2か月目の入金20万円・支払い90万円、3か月目の入金80万円・支払い100万円として、3か月の資金繰り表を作成してください。月末残高と、日次で追加確認すべき項目を整理してください」

18.資金不足が起こる条件を考える

例えば、事業計画では、毎月一定の売上代金が入金される予定だったとします。

しかし、実際には入金が一か月遅れる場合があります。

その場合、資金繰りはどう変わるでしょうか。

また、材料価格が上昇した場合には、支払いが増える可能性があります。

さらに、新しい設備の導入費用が想定より高くなる場合も考えられます。

そこで、次のような条件を比較します。

売上が計画の80%だった場合。

入金が一か月遅れた場合。

材料費が10%上昇した場合。

設備投資が予定より増えた場合。

こうしたシナリオです。

ただし、すべてのリスクを同時に最大の条件へ設定すると、現実的でない試算になる場合もあります。

そのため、検討目的に応じて、適切な条件を設定する必要があります。

実践プロンプト⑪

「新規事業の資金繰りについて、売上未達、入金遅延、材料費上昇、設備投資の増加という四つのリスクを考えたいです。それぞれが資金残高へどのように影響するか、条件を分けてシミュレーションする方法を整理してください」

19.基本・好調・慎重の三つの計画を作る

事業計画では、一つの売上予測だけでなく、複数のシナリオを比較する方法があります。

例えば、先ほどの事業について、次の三つを考えます。

一案件あたりの売上高15万円。

変動費9万円。

限界利益6万円。

年間追加固定費360万円。

という条件を共通にします。

慎重なケース

年間受注90件。

基本ケース

年間受注120件。

好調なケース

年間受注150件。

それぞれ計算すると、次のようになります。

項目慎重基本好調
年間受注件数90件120件150件
売上高1,350万円1,800万円2,250万円
変動費810万円1,080万円1,350万円
限界利益540万円720万円900万円
追加固定費360万円360万円360万円
事業利益180万円360万円540万円

このように、受注件数によって利益が変化します。

しかし、好調なケースでは、150件を製作するための人員や設備能力が必要です。

また、受注が増えるほど材料費や外注費の先行支払いが増え、運転資金が必要になる可能性もあります。

そのため、利益だけでなく、生産能力と資金計画も合わせて確認する必要があります。

20.計画が成立する条件を整理する

ここまでの検討をもとに、計画が成立するための条件を考えましょう。

例えば、年間売上1,800万円を目指す場合です。

必要な年間受注は120件。

一案件あたりの平均売上は15万円。

一案件あたりの変動費は9万円。

追加固定費は年間360万円。

さらに、年間1,440時間の作業が必要という仮定です。

こうした条件がそろって、初めて今回の計画が成立します。

しかし、どれか一つが変われば、結果も変わります。

例えば、平均売上単価が下がる場合。

加工時間が長くなる場合。

追加固定費が増える場合。

必要な人員を確保できない場合。

こうしたことです。

そこで、事業計画では、数字だけでなく、その前提条件を明確にしておくことが重要です。

21.計画の中で、何が最も不確実?

事業計画には、さまざまな仮定が含まれます。

例えば、

年間受注120件。

平均売上15万円。

一案件あたり変動費9万円。

必要作業時間12時間。

追加固定費30万円。

こうしたものです。

しかし、すべての数字が同じ程度に確実とは限りません。

例えば、追加固定費は見積書や契約条件から、ある程度確認できるかもしれません。

一方、年間受注120件は、今後のお客様の行動によって変わる可能性があります。

また、加工時間12時間も、新しい材料や形状では実績が不足している場合があります。

そこで、各前提について、確からしさを評価する方法があります。

例えば、

実績で確認済み。

見積や資料で確認済み。

過去の類似案件から推定。

仮説。

未確認。

こうした区分です。

実践プロンプト⑫

「事業計画の前提条件について、実績で確認済み、資料で確認済み、類似案件からの推定、仮説、未確認に分類してください。結果への影響が大きく、確実性が低い項目から検証する方法を考えてください」

22.事業計画を実行スケジュールへ変える

事業計画ができたら、次に何をするのでしょうか。

例えば、年間受注120件という目標を設定したとします。

しかし、それだけでは、実際の行動が分かりません。

そこで、計画を具体的な作業へ分解します。

例えば、

対象顧客のニーズを確認する。

加工条件の試験を行う。

製作原価を計算する。

見積方法を整備する。

必要な資料を作成する。

サービスの案内を公開する。

問い合わせ・見積・受注を記録する。

実際の採算を確認する。

こうした作業です。

そして、各作業について、担当者や期限、完了条件を設定します。

重要なのは、計画を作ることではなく、実行できる状態へ分解することです。

実践プロンプト⑬

「新規加工サービスの事業計画を、具体的な実行スケジュールへ変えたいです。顧客ニーズ確認、加工試験、原価計算、見積方法、情報公開、営業活動、採算検証を作業へ分解し、担当する役割、期限、完了条件を設定する方法を考えてください」

23.事業計画の進捗をどう確認する?

事業を開始した後、当初の計画どおりに進んでいるか確認する必要があります。

例えば、月間受注10件を計画していたとします。

しかし、実績は6件だった場合です。

この場合、なぜ4件少なかったのでしょうか。

問い合わせが少なかったのかもしれません。

見積提出が遅れていた可能性があります。

受注率が想定より低かったかもしれません。

また、実際には受注できていても、納品が翌月へ移っている場合も考えられます。

そこで、次のような項目を比較します。

計画受注件数と実績。

計画売上高と実績。

予定原価と実際原価。

必要工数と実績工数。

予定資金残高と実際残高。

こうした情報です。

そして、差が生じた理由を確認します。

ただし、数字の差だけで原因を決めつけないことが重要です。

24.計画を変更することは、失敗でしょうか?

例えば、新規事業を開始して3か月が経過したとします。

しかし、想定していたほど問い合わせが増えていません。

また、加工原価が計画より高くなっていることが分かりました。

この場合、当初の事業計画を変更してよいのでしょうか。

もちろん、実際の結果をもとに計画を見直すことは重要です。

例えば、対象顧客を変更する方法があります。

また、対応する材料や製品を絞り込む方法も考えられます。

さらに、既存設備で対応できる範囲にサービスを限定する方法もあります。

一方、採算が成立しないと判断すれば、事業を中止する選択肢もあります。

重要なのは、計画を変えること自体を問題にしないことです。

実際の情報に基づいて、適切に判断する必要があります。

ただし、計画を頻繁に変更しすぎると、検証結果を比較しにくくなる場合があります。

そこで、何を理由に、どの条件を変更したのか記録することが役立ちます。

実践プロンプト⑭

「新規事業の開始後、受注件数が計画を下回り、加工原価が上昇しています。計画と実績の差を整理し、対象顧客、サービス内容、価格、加工方法、費用などを見直すための項目を考えてください。変更の理由と効果を追跡できる方法も示してください」

25.事業計画書の構成を考える

ここまでの内容を、一つの事業計画書へまとめてみましょう。

例えば、次のような構成が考えられます。

① 事業の目的

何を実現するのか。

② 対象顧客と顧客課題

誰のどのような問題を解決するのか。

③ 提供するサービス

どのような価値を提供するのか。

④ 市場・競合

顧客の選択肢や市場環境。

⑤ 売上計画

受注件数、平均単価、売上計上時期。

⑥ 費用・利益計画

変動費、固定費、限界利益、事業利益。

⑦ 人員計画

必要な作業時間と人員体制。

⑧ 設備・生産能力計画

設備負荷、必要な投資、生産上の制約。

⑨ 資金計画

設備投資、運転資金、入金・支払い予定。

⑩ リスクとシナリオ

慎重・基本・好調の各ケース。

⑪ 実行スケジュール

必要な作業、担当、期限、完了条件。

⑫ 進捗確認と計画の見直し

主要指標、確認頻度、見直し方法。

このように整理すれば、売上目標だけではなく、事業全体の実行可能性を考えられます。

26.ChatGPTに事業計画をまとめてもらう

ここまでの情報をChatGPTへ伝えれば、事業計画書として整理することができます。

例えば、次のようなプロンプトです。

実践プロンプト⑮

「次の条件を使い、新規加工サービスの事業計画書を作成してください。

事業内容:高機能樹脂の少量試作サービス。

年間売上目標:1,800万円。

平均売上単価:15万円。

年間受注計画:120件。

一案件あたり変動費:9万円。

月間追加固定費:30万円。

一案件あたり社内作業時間:12時間。

一案件あたり機械稼働時間:8時間。

これらをもとに、売上・利益・必要工数・設備負荷を計算してください。

さらに、人員計画、設備計画、資金繰り、受注の実現可能性、リスク、実行スケジュールを整理してください。

確認済みの条件と仮定を区別し、不足している情報を明確にしてください」

このように条件を具体的に伝えることで、ChatGPTに必要な計算や整理を依頼できます。

ただし、計算結果については、元の数字と照合する必要があります。

27.今日の実践課題|事業計画を一つにまとめよう

今回は、ChatGPTを使って、架空の加工サービスの事業計画を作成する練習をしましょう。

ステップ① 事業目的を整理する

「高機能樹脂の少量試作サービスについて、事業の目的、対象顧客、提供する価値を整理してください」

ステップ② 売上計画を作る

「年間売上目標1,800万円、平均単価15万円として、必要な受注件数を計算してください」

ステップ③ 月別受注計画を考える

「1〜3か月目は月間3件、4〜6か月目は7件、7〜9か月目は12件、10〜12か月目は18件とした場合、年間受注件数と受注金額を計算してください」

ステップ④ 費用計画を作る

「一案件あたり変動費9万円、月間追加固定費30万円として、年間変動費、限界利益、事業利益を計算してください」

ステップ⑤ 人員計画を考える

「一案件あたり12時間の社内作業が必要です。年間120件の必要工数を計算し、人員計画に必要な情報を整理してください」

ステップ⑥ 設備負荷を計算する

「一案件あたり8時間の設備稼働が必要です。年間120件に必要な稼働時間を求め、既存事業との設備負荷を確認する方法を考えてください」

ステップ⑦ 生産能力の制約を確認する

「月間18件の受注が発生した場合、人員や設備が不足する可能性を調べるための項目を整理してください」

ステップ⑧ 資金繰り計画を作る

「材料費や外注費の先行支払い、売掛金の入金予定、設備投資、借入返済を考慮した資金繰り計画の構成を考えてください」

ステップ⑨ 三つのシナリオを比較する

「年間受注90件、120件、150件の場合について、利益を比較してください」

ステップ⑩ 重要な不確実性を整理する

「事業計画の中で、需要、受注率、加工原価、必要工数、設備能力など、確認が必要な前提条件を整理してください」

ステップ⑪ 実行計画へ落とし込む

「事業開始までに必要な作業を分解し、担当、期限、完了条件を設定してください」

ステップ⑫ 事業計画書にまとめる

「売上、費用、利益、人員、設備、資金、リスク、実行スケジュールを一つにつなげた事業計画書を作成してください」

この練習では、数字の上で利益が出る計画を作ることだけを目的にしないでください。

実際の人員、設備、資金、技術で実行できるかを確認することが目的です。

28.ChatGPTで事業計画を作るときの注意点

ChatGPTは、売上計画、費用計画、利益計算、人員計画、設備負荷、資金繰りなどを整理できます。

しかし、将来の受注件数や売上を正確に予測できるわけではありません。

また、一案件あたりの加工時間や原価についても、実際の製作条件によって変わります。

そのため、計画に使用する数字が、実績なのか、見積なのか、仮定なのかを区別する必要があります。

さらに、年間の作業時間が足りていても、特定の月に仕事が集中すれば、生産能力が不足する場合があります。

また、利益が出る計画でも、入金までの時間差や設備投資によって資金繰りが厳しくなる可能性があります。

そのため、売上や利益だけでなく、人員・設備・資金を一体的に考える必要があります。

AIが作成した事業計画は、経営判断を支援するための資料です。

実際の計画を決定する際には、現場の生産能力や取引条件、資金状況などを確認することが重要です。

29.事業計画の本当の目的は何でしょうか?

最後に、事業計画について考えてみましょう。

会社の経営では、将来の目標を持つことが重要です。

例えば、売上を増やしたい。

利益を改善したい。

新しい技術へ挑戦したい。

新しいお客様との取引を増やしたい。

こうした目標です。

しかし、目標を決めただけでは、実現できるとは限りません。

どのような仕事を増やすのか。

何件の受注が必要なのか。

どの程度の加工時間が必要なのか。

現在の設備で対応できるのか。

どのような人員が必要なのか。

そして、その仕事を進めるための資金を確保できるのか。

こうしたことを具体的に考える必要があります。

また、事業計画は、一度作成したら変更してはいけないものではありません。

実際の仕事が始まれば、予想と違うことが起こる場合があります。

例えば、受注が想定より少ない。

加工時間が長くなる。

材料価格が変わる。

新しい技術的な問題が見つかる。

こうしたことです。

そのとき、計画と実績を比較し、必要な修正を行うことが重要です。

まとめ|事業計画は、数字と現場を結びつけるためのもの

今回は、ChatGPTを使って事業計画を作成する方法を学びました。

重要なポイントは、次のとおりです。

  1. 事業計画の目的を明確にする。
  2. 対象顧客と提供する価値を整理する。
  3. 売上目標を受注件数と平均単価へ分解する。
  4. 受注計画と売上計画を区別する。
  5. 受注率など、売上計画の根拠を確認する。
  6. 変動費と固定費から利益を計算する。
  7. 必要な作業時間をもとに人員計画を考える。
  8. 設備の利用可能時間と必要な稼働時間を比較する。
  9. 年間の能力だけでなく、月別の負荷も確認する。
  10. 人員や設備の追加による費用を考える。
  11. 利益計画と資金繰り計画を分けて作成する。
  12. 売上未達や費用増加などのシナリオを比較する。
  13. 計画の前提条件と不確実性を整理する。
  14. 事業計画を具体的な作業スケジュールへ落とし込む。
  15. 計画と実績を比較し、必要に応じて見直す。

事業計画では、売上や利益の数字が重要です。

しかし、数字が成立しているからといって、実際に事業を進められるとは限りません。

仕事を行うには、人が必要です。

設備が必要です。

材料や工具も必要です。

そして、入金までの間に支払う資金も必要になります。

そのため、売上・費用・人員・設備・資金を一つにつなげて考えることが重要です。

ChatGPTは、事業計画の構成を考え、計算を行い、条件を変えた場合の結果を比較する手助けができます。

しかし、実際の生産能力や資金状況、顧客ニーズを確認することは欠かせません。

事業計画で大切なのは、将来の数字をきれいに並べることではありません。目標を具体的な仕事へ分解し、必要な技術、人員、設備、資金を確保しながら、実行できる状態を作ることです。

AIと一緒に目標を整理し、必要な条件を計算し、現実の仕事と照らし合わせる。

そして、計画を実行しながら、結果を確認して改善する。

その積み重ねが、中級編で身につけていきたい実践的なAI活用です。


次回【中級編・第54回】

「ChatGPTでKPIを設計する方法|経営目標を日々の行動へつなげる指標管理の実践講座」

次回は、今回作成した事業計画を、日々の業務でどのように管理するか考えます。

年間売上目標を、毎月の受注目標へ。

受注目標を、見積や営業活動へ。

利益目標を、原価や生産性の改善へ。

こうした目標と実際の行動をつなぐために、KPIという考え方を学びます。

ChatGPTを使って、管理すべき指標を選び、目標値や確認頻度を設定し、日々の改善へ活用する方法を考えていきましょう。

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