支配する側は、なぜ土地の神まで取り込むのか
2014.06.29
土地を支配するだけなら、軍を置けばいい。
税を取るだけなら、役人を置けばいい。
でも、それだけでは人の心までは変わりません。
地域には、昔から祀られてきた神がいます。
祖先がいる。
墓がある。
祭りがある。
そこには、その土地の人間が何世代も積み重ねた記憶があります。
だから新しい支配者が、本当に長くその土地を治めようとすれば、祭祀を無視できません。
古い神を消す。
新しい神を置く。
あるいは、古い神を新しい神話の中へ取り込む。
どの方法を使うにしても、宗教と政治は完全には切り離せません。
これは日本だけの話でもありません。
人は、自分が信じてきたものを簡単には捨てないからです。
だから古社に複数の祭神が重なっている時、
「信仰が自然に混ざった」
だけではなく、
「違う時代の政治秩序が重なった」
可能性も考えてみる。
すると神社の系譜や祭神の変化が、政治の歴史としても見えてきます。
神社は静かな場所です。
でも、その静けさの下に、昔の勢力交代の痕跡が残っていることがあります。
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