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海を北へ進めば、東北はそれほど遠くない

2014.04.23

現代の私たちは距離をキロメートルで考えます。

しかし昔の人にとって重要なのは、距離そのものより「行けるかどうか」だったでしょう。

陸路で山をいくつも越える100キロと、海岸に沿って船で進める100キロでは、意味がまったく違います。

古代の太平洋岸には、大小の入り江や河口がありました。

天候さえ良ければ船を進められる。

夜になれば岸へ寄せる。

水や食料を補給する。

再び北へ向かう。

もちろん外海は危険です。嵐もあります。船も現在ほど安全ではありません。

それでも人類はかなり古い時代から海を渡っています。

ならば常陸と東北の人々が、海によって完全に隔絶されていたとは考えにくい。

人が動けば、物が動きます。

物が動けば、文化も動きます。

土器の作り方。

鉄の技術。

装身具。

食べ物。

神の名前。

物語。

そして人そのもの。

こうして少しずつ地域がつながっていったはずです。

「東北は遠い辺境だった」

これは都から見た距離感です。

海辺に暮らす人から見れば、南にも北にも隣の港があります。

その感覚で見ると、東日本はもっと連続した世界だったように思えてきます。

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