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祭りの日だけは、村全体がひとつの家族になった

2014.01.11

普段は、それぞれの家で暮らしている。

畑をする人。

魚を捕る人。

道具を作る人。

商いをする人。

子どもを育てる人。

毎日の生活は、それぞれ違います。

でも祭りの日になると、みんなが同じ場所に集まる。

私は、祭りの本当の役割はここにあったと思っています。

神様に祈るだけではない。

祭りの前から、すでに祭りは始まっている。

誰かが道具を出す。

誰かが料理を作る。

誰かが掃除をする。

若い人が重いものを運ぶ。

年長者が昔からのやり方を教える。

子どもは、その横で見て覚える。

一人ではできない。

だから自然と、いろいろな人が役割を持つ。

そして祭りが始まれば、

食べる。

飲む。

踊る。

笑う。

普段あまり話さない人とも言葉を交わす。

けんかしていた人同士が、同じ神輿を担ぐこともあったでしょう。

私は、これが面白いと思っています。

祭りは、人々を同じ考え方にするものではない。

違う人たちを、もう一度つなぎ直すものだった。

老人もいる。

子どももいる。

男も女もいる。

地元で生まれた人も、外から来た人もいる。

みんな違う。

でもその日だけは、

「自分たちは、この土地で一緒に生きている」

ということを確かめる。

だから祭りは、何百年も続いたのだと思います。

楽しいからだけではない。

信仰だけでもない。

地域が地域であり続けるために必要だった。

そして祭りが終われば、また普通の暮らしへ戻る。

でも、一緒に準備して、一緒に笑った記憶は残る。

困った時には、その記憶が人をつなぐ。

私は、昔の日本の祭りとは、

神様を迎える日であると同時に、村全体が大きな家族に戻る日

だったのだと思っています。

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