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日本人は、なぜ道具を長く使い続けたのか

2013.10.25

昔の日本では、物を簡単に捨てなかった。

私は、それには理由があったと思っています。

道具は、買えば終わりではない。

使う。

手入れする。

壊れたら直す。

また使う。

そして、使いながら少しずつ自分の手になじませていく。

農具。

包丁。

かんな。

のみ。

鍋。

器。

着物。

どれも、使い続けることで価値が増していく。

私は、昔の日本人にとって道具は、

ただの物ではなく、一緒に働く相手

に近かったのだと思っています。

良い道具があれば、仕事が楽になる。

仕上がりも良くなる。

体への負担も減る。

だから大切にする。

壊れたら、まず直せるか考える。

柄を替える。

刃を研ぐ。

縫い直す。

つなぎ直す。

それでも使えなくなれば、別の用途に変える。

最後まで使い切る。

これは、物が少なかったからだけではないと思います。

作る側も、使う側も、

物には手間と時間が入っている

ことを知っていた。

木を切る人がいる。

鉄を打つ人がいる。

削る人がいる。

焼く人がいる。

運ぶ人がいる。

一つの道具の後ろには、たくさんの人の仕事がある。

だから簡単には捨てない。

私は、この感覚が日本のものづくりにもつながっていると思っています。

新しい物を作るだけではない。

長く使えるように作る。

直せるように作る。

使う人の手になじむように作る。

そうやって、道具と人が一緒に育っていく。

昔の日本人は、物を所有していたのではなく、

物と付き合っていた。

だから道具を長く使った。

そこには、節約だけではない。

作った人への敬意。

材料への敬意。

そして、暮らしを支えてくれる物への感謝があったのだと思います。

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