アテルイとモレも、最初から戦争をしたかったのだろうか
2014.09.18
アテルイとモレについても同じです。
彼らが大軍を率いて都へ攻め込んだわけではありません。
戦場は東北です。
彼らが暮らしていた側です。
律令国家は城柵を北へ伸ばし、軍を送り、人を移し、支配地域を広げていきました。
その進路の先に、アテルイたちの土地があった。
これを「朝廷に反抗した」とだけ書けば、もともと朝廷の土地だったように見えます。
でも、その地域にはその地域の社会がありました。
人が暮らし、食料を作り、馬を育て、水路や道を知り、自分たちなりの秩序を持っていた。
そこへ外から軍が入ってくる。
ならば、迎え撃つ。
それは「反乱」なのでしょうか。
立つ場所を変えれば、「防衛」と呼ぶ方が自然になります。
もちろんアテルイが何を考えていたのか、本人の言葉は残っていません。
それでも、人間として想像することはできます。
戦えば人が死ぬ。
自分の仲間も死ぬ。
戦わなければ、今までの土地と暮らしが変わる。
どちらを選んでも重い。
夜、一人になった時に、
「この判断でいいのか」
と悩まなかったでしょうか。
強い人だったから怖くなかった、とは私は思いません。
怖かった。
迷った。
それでも前に立った。
だから人がついていったのではないでしょうか。
英雄とは、恐怖を感じない人ではなく、恐怖を抱えたまま誰かのために動いた人
なのかもしれません。
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