東大阪の研究開発現場から生産現場までの「ものづくり」なら【株式会社アリス】試作サンプル、切削加工、精密部品加工、可視化部品製作、透明化処理、現物からの製作、単品OK

宇太水分神社と水源信仰|神社はなぜ水の近くにあるのか

2013.08.10

山の中を歩いていると、不思議なことがあります。

神社の近くに、水がある。

川。

湧水。

谷。

池。

もちろん、すべての神社がそうではありません。

しかし古い神社を見ていくと、水と深く関わる場所が何度も現れます。

奈良県宇陀市にある宇太水分神社。

「水分」は「みくまり」と読みます。

文字通り、水を分けることです。

奈良県は、水分の神について、農耕にとって重要な水の配分を司る神で、水源地などに祀られてきたと説明しています。

ここで考えてみます。

古代の集落にとって、一番大切なものは何だったのでしょう。

金でしょうか。

武器でしょうか。

それより前に必要なものがあります。

水です。

飲む水。

作物を育てる水。

生活に使う水。

家畜に与える水。

水がなければ、人は暮らせません。

逆に言えば、水が安定して手に入る場所には、人が集まります。

集落ができる。

田畑が広がる。

道ができる。

そして、その水を大切に守る必要が出てきます。

そこで神社の存在を重ねてみます。

もし水源の近くに神聖な場所を置いたらどうでしょう。

むやみに汚さない。

木を切り過ぎない。

勝手に水を独占しない。

共同体全体で守る。

これは信仰であると同時に、水源を守る仕組みにもなります。

もちろん、古代の人が環境保全の制度として神社を作った、と断定することはできません。

しかし、水分神社という存在そのものが、水と共同体の関係の深さを示しています。

さらに興味深いのは、水は一か所に留まりません。

山から流れ出し、谷を下り、いくつもの集落へ届きます。

上流で水を使い切れば、下流には届きません。

だから水を「分ける」という考え方が必要になります。

水分の神とは、単に雨を降らせる神ではなく、人々が共有する水そのものを象徴していたのではないでしょうか。

神社を見るとき、建物だけを見る。

祭神だけを見る。

それでは少しもったいない。

なぜ、この場所なのか。

どこから水が来るのか。

その川はどこへ流れていくのか。

そこまで見ていくと、古代の人々がどうやって土地を選び、共同体を作ったのかが見えてきます。

神社の場所には、昔の人が暮らすために必要だった条件が、今も残っているのかもしれません。

                 一覧へ戻る
アリスの仕事に対する想いを見る オリジナルサンプル制作