守る側になった饒速日たち
2013.05.17
遠くからやって来た人たちが、その土地のために命をかける。
私は、饒速日さまたちの物語で、ここがとても大きな意味を持っていると思います。
最初は移住者だったはずです。
知らない土地に入り、そこで暮らし、技術を使い、人の役に立ち、少しずつ信頼を得ていく。
やがて家族ができる。
仲間が増える。
子どもが育つ。
そうなれば、その土地はもう「よその土地」ではありません。
自分たちが生きる場所であり、子どもたちがこれからも暮らしていく場所になります。
そこへ外から大きな力が入ってきた時、彼らはどう考えただろう。
逃げることもできたかもしれません。
また別の土地へ移ることもできたかもしれない。
それでも、守る側に立った。
私はそこに、単なる領土争いとは違うものを感じます。
長く暮らし、人とつながり、土地を耕し、ものをつくり、子どもを育てる。
そんな毎日の積み重ねがあったからこそ、
「ここは自分たちの国だ」
という感覚が生まれたのではないでしょうか。
国というものは、最初から線を引いてできるものではありません。
そこで暮らす人がいて、
守りたい家族がいて、
残したい仕事があり、
次の世代へ渡したいものがある。
その積み重ねが国になっていく。
もし饒速日さまたちが、本当にそうやってこの土地に根を張っていった人たちだったのなら、私は彼らを征服者ではなく、この土地をつくり、守ろうとした人たちとして見たい。
ものづくりも同じです。
つくるだけでは終わりません。
自分が関わったものに責任を持つ。
必要なら守る。
次へ残す。
つくることと、守ることは、実はひとつながりなのだと思います。
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