技術で人の役に立ち、この土地に必要とされた人たち
2013.05.16
饒速日さまたちを調べていると、私はどうしても「古代のエンジニア集団」という姿を想像します。
遠くからやって来て、ただ土地を支配したのではなく、自分たちが持っていた技術や知識を使って、人々の暮らしを支えていった人たちだったのではないでしょうか。
鉄を扱う。
道具をつくる。
土地を開く。
水を引く。
農業を助ける。
必要なものを、その土地に合わせてつくる。
今の時代なら、技術者、職人、土木屋、農業技術者など、それぞれ別の仕事になっています。
でも古代なら、暮らしをつくる技術そのものが、生きていくための大きな力だったはずです。
知らない土地へ来た人が、名前や肩書きだけで信頼されることはありません。
役に立つことをする。
困っていることを解決する。
それを何度も積み重ねる。
そうして初めて、「外から来た人」だった人たちが、「この土地にいてほしい人」へ変わっていったのではないかと思います。
私は、そこに饒速日さまたちの本当の強さを感じます。
戦いに勝ったことでも、大きな国を支配したことでもない。
持っていた能力を、自分たちだけのためではなく、そこで暮らす人たちのために使ったこと。
そして、その積み重ねによって土地に根を張ったこと。
ものづくりを仕事にしていると、技術の価値はよく分かります。
難しいことができるだけでは足りません。
その技術が誰かの役に立って、初めて仕事になります。
何千年も前、この土地で同じように技術を使って人の暮らしを支えた人たちがいたのだとしたら。
私は、饒速日さまたちを神話の人物としてではなく、ものづくりの大先輩として称えたいと思います。
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