言われたことの先に、本当に必要なことがある。
仕事をしていると、相手から伝えられたことと、本当に困っていることが少し違う場合があります。
例えば、
「この部品を早くつくってほしい」
というご相談でも、話を聞いてみると、本当に必要なのは部品そのものではなく、
「設備を早く動かしたい」
「評価試験を予定通り進めたい」
「問題の原因を確認したい」
ということかもしれません。
私は、お客様から言われたことをそのまま受け取るだけでなく、その先にある目的を知ることが大切だと思っています。
(株)アリスでは、試作品、治具、設備部品など、毎回違うものを製作しています。
そのため、いつも同じ答えがあるわけではありません。
切削加工がよい場合もあれば、別の方法が適している場合もあります。
自社で加工するほうがよい仕事もあれば、専門の協力会社へお願いしたほうがお客様にとってよい場合もあります。
大切なのは、こちらが何を売りたいかではなく、お客様が何を必要としているかだと思っています。
これは社内の仕事でも同じです。
営業事務でも、言われた内容を入力するだけではなく、
「ここは確認したほうがよさそう」
と気づくことがあります。
仕上げでも、指示されたところだけを見るのではなく、製品全体を見て違和感に気づくことがあります。
製造経験者であれば、図面を見ながら、
「この加工方法より、こちらのほうが安定するのではないか」
と考えることもあります。
最初から、そこまでできる必要はありません。
仕事を経験して、お客様や周囲の仕事を知ることで、少しずつ見えるようになるものだと思います。
私自身も、相手の気持ちや本当の目的をいつも正しく理解できるわけではありません。
だからこそ、分からないときには確認する。
話を聞く。
思い込みだけで判断しない。
そうしたことを大切にしています。
言われたことをこなすだけでなく、その人が本当に必要としていることを少し考えてみる。
その積み重ねが、役に立つ仕事につながっていくのだと思っています。