PEEK切削部品で公差を厳しくする前に確認したいこと
PEEKは耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れ、高機能部品に使用されるプラスチック樹脂です。
そのため、図面でも厳しい寸法公差が指定されることがあります。
しかし、PEEKという高性能材料を使えば、どの寸法でも高精度に仕上げられるというわけではありません。
切削加工で公差を考えるときに重要なのは、その寸法がどの形状に設定されているかです。
例えば、厚みのある短い部分と、長尺の薄肉部分では同じ±0.02mmでも加工の難易度は大きく異なります。
穴径や外径のように工具で直接寸法を管理しやすい部分もあれば、長い平面、薄い壁、深いポケットなど、材料の変形が影響しやすい部分もあります。
さらに、複数の面を加工する部品では、一つの寸法だけではなく、平行度や直角度、位置関係まで考える必要があります。
公差を厳しくするほど加工工程、測定回数、工具管理などが増え、製作コストにも影響します。
そこで重要になるのが、「その公差が製品機能として本当に必要なのか」という確認です。
嵌合する部分なのか。
位置決めに使う寸法なのか。
単に過去の金属部品と同じ公差が記載されているのか。
目的が分かれば、本当に厳しく管理すべき部分と、一般公差でも成立する部分を分けられる場合があります。
(株)アリスでは、PEEK部品を製作する際、図面公差だけを見るのではなく、形状、肉厚、加工方向、測定方法まで確認して加工方法を考えます。
高精度とは、すべての寸法を必要以上に厳しくすることではありません。
必要な部分に必要な精度を安定して持たせることが、PEEK精密部品を合理的に製作するための重要な判断だと考えています。