PBT(GF30)切削における反りとバリの抑制方法
PBT(GF30)の切削で、寸法は出ているのに最終で合わない。
このズレは、加工直後ではなく「加工後」に顕在化します。
(株)アリスでは、PBT(ガラス繊維30%)の切削において、
反りとバリを同時に管理しないと再現性は出ないと考えています。
まず前提として、PBTは結晶性樹脂です。
加工時の熱と応力により、内部応力が残りやすい材料です。
さらにGF材になると、繊維配向の影響で異方性が強くなります。
現場で起きる事象は主に3つです。
・加工後の反り(時間差で発生)
・エッジ部のバリ・毛羽立ち
・面粗度のばらつき
これに対しての対応は、単一条件では成立しません。
工程全体で制御します。
まず粗加工。
ここでは取り代を均一に残すことを優先します。
片側だけ削り込むと応力バランスが崩れ、仕上げ後の反りにつながります。
対称加工、もしくは両面から均等に落とします。
次に仕上げ加工。
切削熱を持たせない条件設定が前提です。
回転数を上げすぎず、送りで切る。
工具は摩耗前提で管理し、逃げ角を確保します。
GFによる工具摩耗は避けられないため、「いつ交換するか」を基準化します。
バリ対策については、
工具条件だけでは不十分です。
・刃先形状
・送り方向
・最終パスの取り方
これらを組み合わせて、エッジに応力を残さない切り方にします。
さらに重要なのが、加工順序です。
穴加工→外形加工の順か、逆かで変形の出方が変わります。
薄肉形状では特に顕著です。
(株)アリスでは、
・荒→中仕上げ→仕上げの3段階
・最終仕上げは最小切込み
・加工後の放置時間を含めた寸法確認
この流れで安定させています。
数値としては、一般的なマシニング加工で
±0.03mmの公差内に入れること自体は可能です。
ただし重要なのは、「出すこと」ではなく「維持すること」です。
結論として、
PBT(GF30)の切削は、単なる条件出しではなく、
応力の発生と解放を前提に工程設計することで成立させます。
対称加工・低熱条件・工程分割・時間管理の4要素を基準にソリを可能な
限り抑えるよう工夫して切削加工しています。