ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第35回】ChatGPTで市場調査をする方法|競合比較・価格調査・顧客ニーズ・情報の信頼性を徹底解説
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って新商品の企画書を作成する方法を学びました。
今回は、その企画が市場で受け入れられる可能性を調べる「市場調査」に挑戦しましょう。
「似た商品はすでに売られているの?」
「ほかの商品はいくらで販売されているの?」
「お客様はどんなことに困っているの?」
「AIが教えてくれた市場情報は本当に正しいの?」
商品開発や新しい事業を考えるとき、こうした疑問を調べることは重要です。
ChatGPTには、インターネットを検索し、情報を整理する機能があります。
しかし、AIが説明した内容を、そのまま市場調査の結果として採用してはいけません。
今回は、ChatGPTを調査の助手として使い、情報を集めるだけでなく、根拠を確認して判断材料にする方法を学びましょう。
1.市場調査とは何でしょうか?
市場調査とは、商品やサービスを提供する市場について、必要な情報を収集・分析することです。
例えば、新しい文房具を販売したいとします。
まず、次のようなことを知りたいのではないでしょうか。
- すでに似た商品が販売されているか
- どのような価格帯の商品があるか
- 誰が購入していると考えられるか
- 利用者が何に不便を感じているか
- 商品を販売する方法には何があるか
- 既存商品との差別化ができるか
市場調査は、単に市場規模の数字を調べることではありません。
自分が考えた商品が、誰のどのような問題を解決するのか。その可能性を調べることも市場調査の一部です。
2.ChatGPTで市場調査を始める方法
まず、調べたい商品を決めましょう。
今回は前回の企画書で取り上げた「机の上で立てて使えるペンケース」を題材にします。
ChatGPTで新しいチャットを開き、次のように入力してください。
「机の上で立てて使えるペンケースについて市場調査をしたいです。競合商品、販売価格、主な機能、利用者のニーズを調べるための調査計画を作成してください」
ChatGPTは、調査に必要な項目や検索方法を提案できます。
ここでは、すぐに市場調査の結論を出す必要はありません。
最初に、何を調べ、どのような情報が必要なのかを整理しましょう。
3.ChatGPTのウェブ検索を使ってみよう
ChatGPTには、インターネット上の情報を検索する機能があります。
通常の質問に対して自動的に検索する場合もありますが、自分で検索を選択することもできます。
基本的な操作
① ChatGPTの公式サイトを開きます。
② 新しいチャットを開きます。
③ 入力欄にあるツールメニューを開きます。
④ 「検索」を選択します。
⑤ 調べたい内容を入力します。
例えば、
「日本国内で販売されている、机の上で立てて使えるペンケースを調べてください。商品名、メーカー、特徴、販売価格、公式の商品ページを整理してください。確認できない情報は記載しないでください」
と依頼します。
検索結果には、情報源へのリンクが表示される場合があります。
そのリンクを開き、実際に商品情報が掲載されているか確認しましょう。
ここで重要なのは、ChatGPTが検索したということと、検索結果が正しいということは別だという点です。
4.競合商品を調べる方法
競合調査とは、自分が考えている商品と、同じような用途や目的を持つ既存商品を調べることです。
例えば、立てて使えるペンケースを開発したい場合、同じ構造の商品だけを調べればよいのでしょうか。
必ずしもそうではありません。
机上で文房具を取り出しやすくするという目的なら、卓上ペンスタンドや収納ケースなども比較対象になります。
そこで、ChatGPTに次のように質問してみましょう。
「立てて使えるペンケースについて、直接競合する商品と、同じ不便を別の方法で解決する商品を分けて調べてください」
このように依頼すると、商品の構造だけでなく、利用者の目的から競合を考えることができます。
ただし、ChatGPTが示した商品が実際に販売されているかは、公式サイトなどで確認してください。
5.競合比較表を作ってみよう
複数の商品が見つかったら、比較表を作成します。
例えば、次のような項目です。
| 比較項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 商品名 | 正式な商品名称 |
| メーカー | 製造・販売する会社 |
| 販売価格 | 税込・税別などの条件 |
| サイズ | 縦・横・高さなど |
| 重量 | 持ち運びやすさ |
| 収納方法 | 立てる・開く・仕切るなど |
| 材質 | 布・樹脂・金属など |
| 特徴 | 主な機能や使い方 |
| 情報源 | 公式商品ページなど |
ChatGPTには、
「調べた競合商品を比較表にしてください。商品名、メーカー、価格、サイズ、特徴、情報源を表示し、確認できなかった項目は『未確認』としてください」
と依頼します。
この表があれば、それぞれの商品がどのような特徴を持っているのか比較しやすくなります。
ただし、価格やサイズなどに誤りがないか、元の商品ページを確認しましょう。
6.価格調査では何に注意するの?
商品の価格を調べるとき、単純に金額だけを比較してはいけません。
例えば、同じ商品でも、メーカー希望小売価格と販売店の実売価格が異なる場合があります。
また、送料、税込・税別、数量、キャンペーンなどによっても条件が変わります。
例えば、
商品A:980円(税込・送料別)
商品B:1,100円(税込・送料無料)
という2つの商品があったとします。
金額だけを見れば商品Aの方が安く見えます。
しかし、送料を含めた購入総額では結果が変わる可能性があります。
ChatGPTには、
「競合商品の価格を比較するとき、税込・税別、送料、販売数量、価格の確認日を区別してください」
と指示しましょう。
また、価格は変動することがあります。
市場調査の資料には、いつ確認した価格なのかを残しておくことをおすすめします。
7.顧客ニーズはどうやって調べるの?
顧客ニーズとは、利用者が求めていることや、解決したい問題のことです。
例えば、ペンケースを購入する理由は何でしょうか。
「文房具を整理したい」
「持ち運びたい」
「机の上を広く使いたい」
「好きなデザインの商品を使いたい」
など、さまざまな理由が考えられます。
ただし、これらは一般的に想定されるニーズであり、実際の利用者に確認した結果ではありません。
そこで、次のように質問してみましょう。
「ペンケースの利用者が感じている可能性のある不便を整理してください。実際の調査で確認された事実と、仮説を分けてください」
さらに、利用者へ直接話を聞く方法もあります。
例えば、
「ペンケースを使うとき、不便に感じることはありますか?」
「普段どのような場所で使用していますか?」
「現在の商品を選んだ理由は何ですか?」
といった質問です。
実際の利用者から得られた意見は、商品企画の重要な判断材料になります。
8.商品レビューを市場調査に使う方法
インターネット上の商品レビューも、利用者の感想を知るための参考情報になります。
例えば、
「収納量が多くて便利」
「立てたときに倒れやすい」
「持ち運ぶには少し大きい」
といった意見があれば、商品の評価や不満を知る手がかりになります。
ChatGPTには、
「公開されている商品レビューから、評価されている点と不満に感じられている点を整理してください。どのレビューに基づく内容なのか、情報源を示してください」
と依頼できます。
ただし、レビューには個人の好みや利用条件の違いがあります。
また、レビューを書いた人が購入者全体を代表しているとは限りません。
一部の意見を、市場全体の意見として扱わないようにしましょう。
レビューは仮説を考える材料として利用し、必要に応じて実際の利用者への調査で確認することが大切です。
9.市場規模を調べる方法
市場規模とは、ある市場で取引されている商品やサービスの金額、販売数量などを示すものです。
例えば、文房具市場全体の規模を知りたい場合、公的統計や業界団体の調査資料などを確認します。
ただし、「文房具市場」と「ペンケース市場」は同じものではありません。
さらに、「立てて使えるペンケース」という特定の種類だけの市場規模は、公開資料から直接分からない場合もあります。
ChatGPTには、
「日本の文房具市場について、公的統計や業界団体などの信頼できる調査資料を探してください。調査対象、対象年、金額、出典を明示してください」
と依頼してみましょう。
調査資料が見つかったら、その数字が何を表しているのか確認してください。
また、市場規模が大きいからといって、自分の商品が売れるとは限りません。
市場全体の数字と、自分の商品が獲得できる可能性のある需要は、分けて考える必要があります。
10.公的な資料や一次情報を活用しよう
市場調査では、情報源の信頼性が重要です。
例えば、次のような資料があります。
① メーカー公式サイト
商品の仕様、正式名称、機能などを確認できます。
② 公的統計
行政機関が公開する統計資料から、市場に関連する情報を調べられます。
③ 業界団体の調査資料
業界の動向や市場データを確認できる場合があります。
④ 特許・意匠情報
既存の技術やデザインについて、公開された情報を調べられます。
⑤ 実際の利用者への調査
アンケートやインタビューによって、利用者の意見を確認できます。
ChatGPTが情報源を示した場合でも、実際にそのページを開き、説明と一致しているか確認しましょう。
また、検索で見つからなかったからといって、その商品や技術が存在しないとは限りません。
11.AIが存在しない商品や数字を紹介したら?
ChatGPTを使った市場調査では、特に注意したい問題があります。
それが、存在しない商品や根拠のない市場規模を、事実のように説明してしまうことです。
例えば、
「国内の立てて使えるペンケース市場は年間50億円です」
と回答したとします。
しかし、その数字の出典が示されていなければ、信用できません。
そこで、
「その市場規模の出典を教えてください。調査機関、調査年、対象商品、算出方法を確認してください」
と質問します。
さらに、示された資料を実際に開いて確認しましょう。
AIが引用した資料に、その数字が書かれていない場合もあります。
数字が具体的だから正しいとは限りません。出典を確認できることが重要です。
12.特許や意匠も確認してみよう
新商品を考える場合、既存の特許や意匠を確認することも重要です。
日本では、独立行政法人INPITが提供する「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」を利用できます。
このサイトでは、特許、実用新案、意匠、商標などに関する情報を検索できます。
例えば、新しいペンケースの構造を考えた場合、似た構造について公開された特許文献がないか調べることができます。
ただし、検索で見つからなかったからといって、他人の権利を侵害しないと保証されるわけではありません。
また、公開されていない出願など、検索できない情報もあります。
商品化を進める場合は、必要に応じて弁理士などの専門家へ相談しましょう。
13.市場調査の結果をレポートにまとめよう
ここまで調べた内容を、最後にレポートとして整理してみましょう。
例えば、次のような構成です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査の目的 | 何を判断するために調べたか |
| 対象商品 | どんな商品を調べたか |
| 競合商品 | 確認できた既存商品 |
| 価格帯 | 調査時点で確認できた価格 |
| 顧客ニーズ | 確認された意見と仮説 |
| 市場情報 | 出典を確認できたデータ |
| 未確認事項 | 追加調査が必要な情報 |
| 次の行動 | 試作・調査・企画修正など |
ChatGPTには、
「ここまで調査した内容を市場調査レポートにまとめてください。確認済みの事実、仮説、未確認事項を明確に分け、各情報の出典と確認日を付けてください」
と依頼します。
完成したレポートでは、どの情報を根拠に判断できるのか、何がまだ分からないのかを確認しましょう。
14.今日のミニレッスン
今回は、「立てて使えるペンケース」を題材に、実際に市場調査を行ってみましょう。
ステップ① 競合商品を調べる
ChatGPTの検索機能を使い、次のように入力します。
「日本国内で販売されている、立てて使えるペンケースを5商品調べてください。メーカー公式サイトなどで確認できる商品だけを紹介し、情報源を示してください」
確認できた商品が5つに満たない場合は、無理に数をそろえる必要はありません。
ステップ② 商品を比較する
「確認できた商品について、価格、サイズ、重量、素材、特徴を比較表にしてください。確認できない情報は未確認としてください」
と依頼します。
ステップ③ 利用者のニーズを考える
「この商品の利用者が感じている可能性のある不便を10個考えてください。実際に確認できた意見と、仮説を分けてください」
と質問します。
ステップ④ 調査結果の根拠を確認する
「今回の調査で示した商品の正式名称、販売価格、特徴について、情報源を一覧にしてください。確認日も記載してください」
と依頼します。
示されたリンクを開き、実際の商品情報と一致しているか確認しましょう。
ステップ⑤ 市場調査レポートを作成する
最後に、
「今回の調査結果を、競合商品、価格帯、顧客ニーズ、差別化の可能性、追加調査が必要なことに分けてレポートにまとめてください」
と依頼します。
ステップ⑥ 次に何をすべきか考える
レポートを読んで、次のように質問してみましょう。
「この企画を進める前に、最も重要な未確認事項を3つ選び、それぞれを調べる具体的な方法を提案してください」
これで今回の練習は完了です。
15.市場調査で大切にしたい考え方
市場調査では、大量の情報を集めること自体が目的ではありません。
例えば、100種類の商品を調べたとしても、比較する目的が曖昧であれば、判断に役立たないかもしれません。
反対に、少数の商品でも、仕様、価格、利用者の評価、競合との差などを詳しく調べることで、重要な発見が得られる場合があります。
また、自分が考えた商品の良いところだけを探す調査では、問題点を見落とす可能性があります。
「売れる理由」だけでなく、「売れない可能性」も調べてみましょう。
ChatGPTには、
「この商品企画について、成功する可能性を支持する情報だけでなく、失敗する可能性を示す情報も探してください」
と依頼することができます。
自分の考えに都合のよい情報だけを集めないことも、調査では重要です。
ソラ先生からひとこと
今回は、ChatGPTを使った市場調査について学びました。
AIは、競合商品の検索や情報整理、比較表の作成などを手伝ってくれます。
しかし、AIが示した情報が、必ず正しいとは限りません。
市場規模が大きいと言われても、根拠がなければ判断できません。
競合商品が少ないと言われても、調査が不十分なだけかもしれません。
利用者が求めていると説明されても、実際に利用者へ確認しなければ分からないことがあります。
だからこそ、私は市場調査では、情報を集めること以上に、その情報を確認する姿勢を大切にしてほしいと思っています。
AIは市場の情報を探すことができます。しかし、その情報を確かめ、どのような行動につなげるかを判断するのは人間です。
自分のアイデアを実現するために、調べ、比較し、必要なら実際に試してみましょう。
次回【第36回】は「ChatGPTでアンケートを作る方法|顧客の声を集める質問設計・回答分析・改善への活用」です。
今度は、インターネットの情報だけでなく、実際の利用者から意見を集める方法を学びます。