東大阪の研究開発現場から生産現場までの「ものづくり」なら【株式会社アリス】試作サンプル、切削加工、精密部品加工、可視化部品製作、透明化処理、現物からの製作、単品OK

  • トップ
  • ニュース
  • ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第22回】ChatGPTで納期計画を立てる方法|材料調達・加工工程・設備負荷・外注先を考慮する実践講座

ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第22回】ChatGPTで納期計画を立てる方法|材料調達・加工工程・設備負荷・外注先を考慮する実践講座

2025.07.01

こんにちは、ソラ先生です。

前回は、ChatGPTを使って材料費や加工時間、外注費などを整理し、見積の精度を高める方法を学びました。

今回は、見積と同じくらい重要な「納期」について考えてみましょう。

お客様から仕事の依頼を受けたとき、価格とともに確認されることが多いのが納期です。

「この部品は、いつ完成しますか?」

「来週の金曜日までに納品できますか?」

「通常より早く製作できませんか?」

「材料の入荷が遅れていますが、予定どおり納品できますか?」

こうした相談に対応するには、単に加工時間を計算するだけでは不十分です。

材料の準備、加工プログラムの作成、設備の空き状況、製作、検査、外注工程、出荷など、さまざまな条件が関係します。

例えば、実際の加工時間が2時間しかない部品でも、必要な材料が届くまで10日間かかるなら、すぐに納品することはできません。

一方、材料が在庫されていて、設備や担当者の予定に余裕があれば、短期間で対応できる可能性もあります。

ChatGPTは、こうした複数の条件を整理し、工程の順序や必要な日数を考える手助けができます。

今回は、**「要求納期を確認する → 必要工程を洗い出す → 作業の前後関係を整理する → 設備負荷を確認する → 納期を試算する → 実績に合わせて調整する」**という流れを学んでいきましょう。

1.加工時間と納期は、同じではない

例えば、マシニングセンタで製作する樹脂部品があるとします。

必要な加工時間は、1個30分。

製作数量は10個です。

この場合、単純な加工時間は、

30分×10個=300分

つまり5時間です。

では、この部品を5時間後に納品できるでしょうか。

もちろん、そうとは限りません。

加工前には、図面の確認やプログラムの準備が必要かもしれません。

材料を切断する必要もあります。

設備には、すでに別の仕事が予定されているかもしれません。

さらに、加工後には寸法検査やバリ取り、梱包なども必要になる場合があります。

つまり、実際の納期は、加工に必要な時間だけで決まるわけではありません。

ここで二つの言葉を区別してみましょう。

作業時間

実際に加工、準備、検査などを行うために必要な時間。

リードタイム

仕事を開始してから完了するまでの経過時間。作業時間だけでなく、待ち時間なども含みます。

例えば、加工時間が5時間でも、材料の入荷待ちが3日間あれば、製作全体のリードタイムはさらに長くなります。

納期計画では、作業時間と待ち時間を分けて考えることが重要です。

2.納期を決める前に、何を確認する?

お客様から「来週の金曜日までに欲しい」と依頼されたとします。

この段階で、すぐに納期を回答してよいでしょうか。

まずは、必要な条件を確認しましょう。

例えば、次のような項目です。

  • 正式な図面や仕様が確定しているか
  • 材料は在庫されているか
  • 特殊な工具や治具が必要か
  • 使用する設備に空きがあるか
  • 製作数量と加工時間はどのくらいか
  • 外注工程が必要か
  • 検査や出荷に必要な時間はどのくらいか
  • お客様が希望するのは出荷日か、到着日か

最後の項目も重要です。

例えば、金曜日までに出荷すればよいのか、金曜日の午前中にお客様へ届いている必要があるのかでは、社内で設定する完成期限が変わります。

そこでChatGPTに相談します。

実践プロンプト①

「樹脂部品の加工依頼を受けました。お客様の希望納期に対応できるか検討したいので、図面、材料、数量、加工方法、設備、検査、出荷条件について、必要な質問を一つずつしてください。条件がそろうまで納期を決めつけないでください」

このように、最初に必要な情報を整理することで、見落としを減らせます。

3.実践例|樹脂部品20個の納期を考える

ここからは、具体的な事例を使って考えてみましょう。

ある会社で、POM製部品20個の加工依頼を受けたとします。

図面は確定済み。

材料は在庫されています。

加工にはマシニングセンタを使用します。

お客様の希望納期は、受注から7営業日後です。

ここで、説明用に次の作業時間を仮定します。

作業必要な時間
図面・仕様の最終確認30分
加工プログラム作成2時間
材料準備1時間
設備段取り1.5時間
加工(20個)10時間
仕上げ・検査4時間
梱包・出荷準備1時間
合計20時間

※すべて架空の作業条件です。

合計作業時間は20時間です。

1日8時間の勤務として単純に計算すれば、2.5日分になります。

しかし、ここで注意してください。

20時間の仕事だから、2.5営業日で完成するとは限りません。

設備や担当者の予定が埋まっていれば、作業を開始できない場合があります。

また、作業の一部を並行して進められるかどうかによって、完成までの日数も変わります。

4.ChatGPTで工程の順序を整理する

先ほどの作業を、どの順番で行えばよいでしょうか。

例えば、材料準備とプログラム作成は、並行して進められる可能性があります。

一方、実際の加工を始めるには、必要な材料や工具、加工プログラムがそろっている必要があります。

また、最終検査は、対象となる製品の加工が完了していなければ実施できません。

そこで、ChatGPTに次のように質問します。

実践プロンプト②

「POM部品20個の製作工程を整理してください。図面確認、プログラム作成、材料準備、段取り、加工、仕上げ、検査、出荷について、先に完了すべき作業と並行して進められる作業を分けてください」

AIから工程案が提示されたら、実際の仕事と照らし合わせます。

例えば、段取り前に加工プログラムの完成が必要なのか。

検査を全数加工後に行うのか、それとも途中で実施するのか。

こうした条件によって、工程の組み方が変わります。

重要なのは、AIが作った順番をそのまま採用することではありません。

工程の前後関係を明確にすることです。

5.設備が空いていなければ、加工を始められない

納期計画で見落としやすいのが、設備の稼働状況です。

例えば、新しい案件の加工時間が10時間だったとします。

しかし、使用するマシニングセンタには、すでに別の仕事が予定されています。

仮に、次のような状況だったとしましょう。

日程既存の設備予定新規案件に使える時間
1日目終日稼働0時間
2日目6時間使用予定2時間
3日目4時間使用予定4時間
4日目3時間使用予定5時間

この条件なら、2日目から4日目にかけて、合計11時間の空き時間があります。

ただし、それだけで加工できると判断するのは早いかもしれません。

例えば、段取りを含めて11.5時間必要なら、空き時間が不足します。

また、加工の途中で設備を停止できない場合や、段取りを繰り返すと追加時間がかかる場合もあります。

そこでChatGPTに相談します。

実践プロンプト③

「マシニングセンタの4日間の空き時間と、新規案件の必要工数を比較してください。段取り時間、加工を中断できるかどうか、既存案件への影響を確認し、現実的に加工できる予定を検討してください」

ここで、設備の空き時間と作業に必要な時間を正しく比較することが重要です。

6.設備負荷と人員負荷は分けて考える

設備が空いていても、担当者が対応できなければ仕事を進められない場合があります。

例えば、加工プログラムを作成できる担当者が、別の仕事をしている場合です。

また、設備の加工は自動運転できても、材料の交換や寸法確認には人の作業が必要になるかもしれません。

そこで、設備の予定と人員の予定を分けて整理することが役立ちます。

例えば、

設備負荷

マシニングセンタ、旋盤、測定機などの使用予定。

人員負荷

プログラム作成、段取り、材料準備、検査、仕上げなどの担当者の予定。

この二つを合わせて考える必要があります。

ChatGPTには次のように依頼できます。

実践プロンプト④

「製造工程について、設備を使用する時間と、作業者が必要な時間を分けて整理してください。設備が空いていても人員不足で作業できない工程や、設備が稼働している間に並行して進められる作業を確認してください」

ただし、複数設備の同時管理や無人運転が可能かどうかは、実際の設備、安全条件、作業内容によって異なります。

7.外注工程がある場合の納期計画

製品によっては、自社で加工した後に外注工程が必要になることがあります。

例えば、表面処理、熱処理、特殊加工、外部検査などです。

この場合、自社の加工が完了しても、外注工程が終わらなければ納品できません。

仮に、次のような工程だったとします。

自社加工:2営業日。

外注工程:4営業日。

最終検査・出荷準備:1営業日。

この場合、単純に合計すると7営業日です。

しかし、これはすべての工程が予定どおり進み、工程間の待ち時間や輸送時間が追加で発生しない場合の考え方です。

実際には、外注先の受け入れ日や出荷日によって、必要な日数が変わります。

また、外注先が提示した納期が「加工完了日」なのか「発送日」なのかも確認する必要があります。

実践プロンプト⑤

「自社加工2営業日、外注工程4営業日、最終検査・出荷準備1営業日の仕事について、納期計画を作成してください。外注先への輸送、受け入れ待ち、休日、出荷日と到着日の違いについても確認項目として整理してください」

AIが作成した工程案は、外注先の正式な回答納期と照合しましょう。

8.材料調達と加工準備を並行できる?

材料がまだ入荷していない場合でも、すべての仕事を止める必要があるとは限りません。

例えば、図面が確定していれば、加工プログラムを作成できる場合があります。

また、必要な工具や治具を先に準備できるかもしれません。

こうした並行作業によって、材料入荷後の作業開始を早められる可能性があります。

ただし、材料の寸法や状態が確定していなければ、加工条件を決められない場合もあります。

例えば、材料の実寸法や公差によって、つかみ代や加工方法が変わる場合です。

そこで、ChatGPTに次のように質問します。

実践プロンプト⑥

「材料の入荷まで5営業日かかります。その間に加工プログラム、工具、治具、検査方法などの準備を進めたいです。材料がなくても実施できる作業と、実際の材料を確認してから行うべき作業を分けて整理してください」

重要なのは、並行作業を増やすこと自体ではありません。

後から手戻りが発生しないように、条件を確認することです。

9.納期に余裕を持たせるとは、どういうこと?

納期計画では、予定外の問題が発生する可能性も考える必要があります。

例えば、加工時間が予想より長くなる場合です。

また、材料の入荷が遅れたり、外注先の工程で問題が発生したりすることもあります。

そこで、工程に一定の余裕を持たせる考え方があります。

ただし、すべての工程へ同じ日数を追加すればよいわけではありません。

例えば、実績が安定している単純な加工と、初めて行う複雑な加工では、不確実性が異なります。

また、外注先の納期変動が大きい場合、そこを重点的に確認する必要があるかもしれません。

ChatGPTには次のように相談できます。

実践プロンプト⑦

「納期計画へ適切な余裕を持たせたいです。材料調達、加工、外注、検査の各工程について、過去の実績や変動の大きさを確認するための項目を整理してください。根拠のない余裕日数を一律に設定しないでください」

ここで重要なのは、余裕を持たせる理由を明確にすることです。

10.クリティカルパスを考える

複数の工程がある仕事では、特定の工程が遅れることで、全体の納期に直接影響する場合があります。

プロジェクト管理では、全体の完了時期を左右する工程のつながりを「クリティカルパス」と呼びます。

例えば、次の二つの作業が並行して進む場合です。

工程A

材料調達:5営業日。

その後の加工:2営業日。

合計7営業日。

工程B

プログラム作成:2営業日。

治具準備:2営業日。

合計4営業日。

これらが並行して進み、両方の完了後に最終検査が1営業日必要だとします。

設備や担当者の競合などがないという仮定なら、全体では8営業日が必要です。

この場合、材料調達から加工へ進む工程Aが、完成時期を左右しています。

一方、工程Bには、単純計算で3営業日の余裕があります。

ただし、実際の仕事では設備や担当者の制約が関係するため、工程表だけで完了日を確定できるとは限りません。

実践プロンプト⑧

「複数の工程が並行する製作計画について、前後関係と所要日数を整理し、クリティカルパスを確認してください。設備や担当者の制約が不明な場合は、その点も明確にしてください」

11.急ぎの仕事が入ったら、既存案件へどう影響する?

製造現場では、予定外の急ぎの仕事が入ることがあります。

例えば、明日納品予定の部品について、お客様から追加製作の依頼があった場合です。

その仕事を引き受けると、ほかの案件の加工予定を変更する必要があるかもしれません。

ここで重要なのは、新しい仕事だけを見て判断しないことです。

既存案件の納期。

現在の進捗。

設備の空き時間。

材料や工具の準備状況。

検査や出荷への影響。

こうした条件を確認する必要があります。

ChatGPTには次のように質問できます。

実践プロンプト⑨

「現在の加工予定に、急ぎの新規案件を追加したいです。既存案件の納期を守ることを前提に、設備負荷、人員負荷、加工順序、検査、出荷への影響を整理してください。対応できない可能性がある場合は、代替案も考えてください」

例えば、外部の協力会社へ一部を依頼する方法や、数量を分割して納品する方法が考えられるかもしれません。

ただし、実際に対応可能かどうかは確認が必要です。

12.納期遅延が分かったら、いつ連絡する?

例えば、材料の入荷が予定より3日遅れることが分かったとします。

その影響で、お客様への納期を守れない可能性が出てきました。

このとき、すぐに納期変更を連絡するべきでしょうか。

まずは、遅延の影響を確認する必要があります。

ほかの工程で調整できる余地があるかもしれません。

しかし、対応できるか分からないまま、何も連絡せずに待つことも適切とは限りません。

重要なのは、確認できた事実と、まだ分からないことを区別して伝えることです。

例えば、

「材料メーカーから、入荷予定が3日遅れる可能性があると連絡を受けました。現在、製作工程への影響と代替方法を確認しています」

という説明です。

ここでは、納期遅延が確定したとは説明していません。

一方、影響する可能性があることは伝えています。

ChatGPTには次のように依頼できます。

実践プロンプト⑩

「材料の入荷遅延によって、お客様への納期に影響する可能性があります。現在確認できた事実、調査中の内容、今後の報告予定を整理し、誠実で分かりやすい連絡文を作成してください。確定していない納期を約束しないでください」

実際の連絡内容は、お客様との関係や契約条件に合わせて確認する必要があります。

13.納期計画をExcelで管理する

複数の案件が進行している場合、Excelなどで工程や納期を管理する方法があります。

例えば、次のような項目です。

管理項目内容
案件番号仕事を識別する番号
顧客希望納期お客様が希望する到着日
回答納期自社が約束した納期
材料入荷予定材料がそろう日
加工開始予定加工を開始する日
加工完了予定加工が終わる日
検査完了予定最終検査が終わる日
出荷予定出荷する日
現在の状況未着手・進行中・完了など
問題・確認事項遅延要因や確認待ちの内容

こうした表があれば、案件ごとの進捗を確認しやすくなります。

しかし、管理項目を増やしすぎると、更新の負担が大きくなる場合があります。

そのため、実際の仕事に必要な情報を選ぶことが大切です。

実践プロンプト⑪

「Excelで製造案件の納期管理表を作成したいです。材料調達、加工、検査、出荷の予定と実績を管理し、遅れが発生した案件を確認できる構成を考えてください。入力作業を増やしすぎない方法も提案してください」

14.予定と実績を比較する

納期計画を作成したら、実際の結果を確認することが重要です。

例えば、ある部品の加工について、予定では10時間必要だと考えていたとします。

しかし、実際には12時間かかりました。

この場合、予定より2時間長くなっています。

ただし、2時間長くなったという数字だけでは、原因は分かりません。

加工条件の調整が必要だったのでしょうか。

工具交換が発生したのでしょうか。

設備の停止があったのでしょうか。

あるいは、最初の工数見積が不足していたのでしょうか。

そこで、予定と実績を比較しながら、原因を考えます。

ChatGPTには次のように相談できます。

実践プロンプト⑫

「製造案件の予定工程と実績を比較し、遅れが発生した工程を整理してください。遅れた時間や日数を計算し、原因については確認できた事実と仮説を分けて説明してください」

このようにすることで、納期計画の精度を改善する材料が得られます。

15.納期を守れた場合も、振り返りは必要?

納期を守れた場合、問題がなかったと考えることがあります。

しかし、予定どおり納品できたとしても、途中で大きな負担が発生していたかもしれません。

例えば、予定より加工時間が長くなり、残業で対応した場合です。

あるいは、外注先へ緊急対応を依頼して、追加費用が発生していたかもしれません。

この場合、納期は守れていますが、当初の計画が適切だったかどうかは別です。

そこで、次のような項目を確認します。

予定した工程時間。

実際の工程時間。

追加の作業や費用。

設備や担当者への負荷。

品質への影響。

次回改善できること。

ChatGPTには次のように質問できます。

実践プロンプト⑬

「納期どおりに製品を納品できましたが、途中で残業や追加費用が発生しました。納期遵守だけでなく、工数、費用、品質、担当者の負担の観点から計画を振り返るための項目を整理してください」

納期を守ることと、無理のない計画で仕事を完成させることは、必ずしも同じではありません。

16.今日の実践課題|ChatGPTで納期計画を作ってみよう

今回は、架空の製造案件を使って、納期計画を考える練習をします。

ステップ① 製作条件を整理する

次の条件を使用します。

材料:POM。

数量:20個。

図面:確定済み。

材料:在庫あり。

プログラム作成:2時間。

材料準備:1時間。

段取り:1.5時間。

加工:10時間。

仕上げ・検査:4時間。

梱包・出荷準備:1時間。

希望納期:7営業日後。

ステップ② ChatGPTに工程を整理してもらう

「この製作条件について、必要な作業と所要時間を整理してください」

ステップ③ 作業の前後関係を確認する

「先に完了する必要がある工程と、並行して進められる工程を分けてください」

ステップ④ 設備の予定を追加する

「使用するマシニングセンタは、1日目が終日使用中、2日目は2時間、3日目は4時間、4日目は5時間空いています。この条件で加工予定を検討してください」

ステップ⑤ 人員負荷を確認する

「プログラム作成、段取り、仕上げ、検査に必要な担当者の作業時間を整理し、設備予定との重複がないか確認してください」

ステップ⑥ 工程表を作成する

「ここまでの条件をもとに工程表を作成してください。不明な条件は推測で補わず、確認事項として残してください」

ステップ⑦ 遅延を想定する

「加工工程が予定より半日遅れた場合、希望納期への影響と対応方法を考えてください」

ステップ⑧ 結果を振り返る

「製作完了後に、予定と実績を比較するための確認項目を整理してください」

この練習では、単に工程を順番に並べるだけでなく、設備や人員の状況を考慮することが重要です。

17.ChatGPTによる納期計画の限界

ChatGPTは、工程の整理、作業時間の計算、工程表の作成、予定変更の影響検討などを支援できます。

しかし、実際の設備がいつ空いているのか、材料がいつ届くのかを自動的に把握しているわけではありません。

また、加工時間についても、図面や加工条件が分からなければ、正確に算出することは困難です。

例えば、同じ数量の部品でも、寸法公差や形状、使用する設備によって加工時間は変わります。

さらに、外注工程では、実際の協力会社の稼働状況が関係します。

そのため、AIが作成した工程表は、現実の情報と照らし合わせて確認する必要があります。

重要なのは、AIが計画を作成できることと、その計画が実際に成立することを区別することです。

18.納期計画は、仕事を完成させるための約束

最後に、納期について考えてみましょう。

お客様から指定された納期は、単なる日付ではありません。

その製品を使用する次の工程や、組立、開発試験、生産計画などにつながっている場合があります。

例えば、試作品が予定日に届かなければ、その後の評価試験が遅れるかもしれません。

また、量産用の部品が不足すれば、お客様の生産工程に影響する可能性があります。

だからこそ、納期は安易に約束するものではありません。

しかし、必要以上に長い納期を提示すればよいというものでもありません。

材料、設備、人員、加工工程、検査、出荷などを確認し、実際に対応できる予定を考える必要があります。

また、予定外の問題が発生したときには、影響を確認し、必要な対応を考えることが重要です。

ChatGPTは、こうした条件を整理し、複数の方法を比較する手助けができます。

しかし、実際に仕事を進め、約束を守る責任は人間にあります。

納期計画で大切なのは、予定表をきれいに作ることではありません。現実の条件を確認し、必要な仕事を確実に完成させる道筋を考えることです。

まとめ|加工時間ではなく、仕事全体を見て納期を考える

今回は、ChatGPTを使った納期計画の立て方を学びました。

重要なポイントは、次のとおりです。

  1. 作業時間と納品までのリードタイムを区別する。
  2. 図面、材料、数量、検査、出荷条件を確認する。
  3. 工程の前後関係と並行作業を整理する。
  4. 設備負荷と人員負荷を分けて考える。
  5. 外注工程や輸送時間も含めて計画する。
  6. 必要に応じて工程の余裕や不確実性を考慮する。
  7. 予定外の仕事が入ったら、既存案件への影響を確認する。
  8. 遅延の可能性が分かったら、事実を整理して早めに対応する。
  9. 予定と実績を比較し、次の計画へ活かす。
  10. 納期を守れた場合も、費用や負荷を含めて振り返る。

納期計画では、どれだけ早く製作できるかに注目しがちです。

しかし、仕事には材料調達、設備、担当者、外注先、検査、出荷など、多くの条件があります。

どれか一つが予定どおりに進まなければ、全体の予定へ影響することがあります。

だからこそ、個々の工程だけでなく、仕事全体を見て考える必要があります。

ChatGPTは、工程の整理や作業時間の計算、予定変更の検討を手伝うことができます。

しかし、実際に成立する計画かどうかは、現場の状況を確認しなければ分かりません。

納期管理の目的は、単に予定日を守ることだけではありません。品質と安全を確保しながら、お客様との約束を果たし、次の仕事へ確実につなげることです。

AIと一緒に計画を考え、実際の条件を確認し、必要に応じて見直す。

そして、完成した仕事から得た経験を次の計画へ活かしていく。

それが、中級編で身につけていきたい実践的なAI活用です。


次回【中級編・第23回】

「ChatGPTでクレーム対応を改善する方法|お客様の不満を理解し、信頼回復につなげる実践講座」

次回は、お客様からのクレームや厳しい指摘に対して、どのように向き合い、事実を整理し、対応方法を考えるのか学びます。

単に謝罪文を作成するのではなく、お客様の困っていることを理解し、原因調査から改善、信頼回復までつなげる方法をChatGPTと一緒に考えていきましょう。

                 一覧へ戻る
アリスの仕事に対する想いを見る オリジナルサンプル制作