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ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第25回】ChatGPTで提案書を作成する方法|課題整理・解決策の比較・費用対効果を伝える実践講座

2025.07.04

こんにちは、ソラ先生です。

前回は、ChatGPTを使ってお客様の要望を正確に理解し、その背景にある目的や制約条件まで整理する方法を学びました。

今回は、ヒアリングによって得られた情報を、実際の提案へとまとめる方法を考えてみましょう。

テーマは「提案書の作成」です。

皆さんは、こんな経験はありませんか?

「提案書を作ったけれど、何を伝えたいのか分かりにくい」

「商品の特徴ばかり説明してしまい、お客様の課題が十分に書かれていない」

「提案する方法は決まっているのに、その理由をうまく説明できない」

「費用対効果を示したいけれど、根拠となる数字がない」

「説明したときは納得してもらえたのに、社内で検討すると追加の質問が出てきた」

提案書というと、写真や図を使った、見栄えのよい資料を想像するかもしれません。

しかし、きれいな資料を作るだけでは、お客様の判断に役立つとは限りません。

大切なのは、お客様が何に困っているのか、なぜその方法を提案するのか、どのような条件で実現できるのかを明確にすることです。

ChatGPTは、ヒアリング内容の整理、提案書の構成、複数案の比較、費用対効果の計算、文章の改善などを手伝うことができます。

今回は、**「課題を整理する → 提案の目的を決める → 解決方法を比較する → 根拠を示す → 提案書へまとめる → 実際の判断につなげる」**という流れを学んでいきましょう。

1.提案書は、何のために作るのでしょうか?

例えば、お客様から次の相談を受けたとします。

「製造現場の作業時間を短縮したいので、新しい治具を作れませんか?」

そこで、すぐに治具の設計を始めることもできるかもしれません。

しかし、まず確認したいことがあります。

現在の作業には、どのくらい時間がかかっているのでしょうか。

どの工程に時間がかかっているのでしょうか。

作業時間を短縮したい理由は何でしょうか。

作業者の負担を減らしたいのでしょうか。

生産数量を増やしたいのでしょうか。

それとも、作業のばらつきやミスを減らしたいのでしょうか。

こうした目的によって、提案内容は変わります。

例えば、作業時間の短縮が目的なら、治具を新しく製作する以外にも、作業手順や部品の配置を見直す方法が考えられます。

重要なのは、最初から一つの方法だけに決めないことです。

提案書は、こちらが売りたいものを説明する資料ではなく、お客様が課題と解決方法を理解し、判断するための資料です。

2.提案書を作る前に、情報を整理する

お客様との打ち合わせが終わったら、すぐに提案書の文章を書き始めたくなるかもしれません。

しかし、まずはヒアリングで分かった情報を整理しましょう。

例えば、次のような内容です。

  • お客様が解決したい問題
  • 現在の作業方法
  • 問題によって発生している影響
  • 必ず守る必要がある条件
  • 改善できれば望ましい条件
  • 予算や納期などの制約
  • まだ確認できていない情報

ここでChatGPTに相談します。

実践プロンプト①

「次のお客様との打ち合わせ内容から、現在の課題、改善目的、必須条件、希望条件、未確認事項を整理してください。確認できていない情報を推測で補わず、提案書を作るために不足している情報を明確にしてください」

AIが整理した内容を見ながら、実際の打ち合わせと一致しているか確認します。

この段階で認識の違いがあれば、提案内容にも影響します。

そのため、文章を整える前に、情報の正確さを確認することが大切です。

3.実践例|作業時間を短縮する治具の提案

ここからは、架空の製造現場を題材に考えてみましょう。

ある工場では、製品を加工設備へ取り付ける作業に時間がかかっています。

現在の作業時間は、1回あたり8分です。

1日に30回、同じ作業を行っています。

お客様は、この作業を効率化したいと考えています。

そこで、新しい位置決め治具の製作を検討することになりました。

説明用に、次の条件を設定します。

項目現在の条件
作業内容製品の位置決めと固定
1回あたりの作業時間8分
1日の作業回数30回
1か月の稼働日数20日
改善目的作業時間と位置決めのばらつきを減らす
提案候補専用の位置決め治具

この条件をもとに、ChatGPTへ相談します。

利用者:

「製品の位置決め作業に1回8分かかっています。1日30回、月20日行っています。専用治具を提案したいので、提案書に必要な内容を整理してください」

ChatGPTの回答例:

「現在の作業方法、発生している課題、提案する治具の仕組み、期待する効果、必要な費用、導入条件、評価方法などを整理すると、提案内容を理解しやすくなります」

ここで、提案書の基本構成が見えてきました。

しかし、まだ治具の効果が確認できているわけではありません。

そこで、提案の目的と、実際に確認するべき条件を分けて考えます。

4.現在の問題を、具体的な数字で示す

提案書では、「作業に時間がかかっている」という説明だけでなく、現状を数字で示すと理解しやすくなります。

今回の事例では、1回あたり8分です。

1日に30回作業するため、

8分×30回=240分。

つまり、1日4時間の作業です。

月20日稼働するなら、

240分×20日=4,800分。

時間に換算すると、月80時間になります。

これは、位置決めと固定に使っている時間の合計です。

ただし、この80時間をそのまま「ムダな時間」と判断してはいけません。

製品を安全かつ正確に固定するために必要な作業だからです。

改善したいのは、必要な品質を維持しながら、その作業をより効率的にすることです。

ChatGPTには次のように質問します。

実践プロンプト②

「位置決め作業が1回8分、1日30回、月20日発生しています。1日と1か月の作業時間を計算してください。また、その時間をすべて不要な作業として扱わず、改善対象としてどのように説明すればよいか考えてください」

数字を示す目的は、問題を大きく見せることではありません。現在の状態を正しく理解してもらうことです。

5.解決策は一つだけとは限らない

お客様から専用治具の相談を受けたとしても、解決方法は一つとは限りません。

例えば、次の三つの方法を考えてみましょう。

A案:現在の治具を改良する

位置決め部分や固定方法を見直す方法です。

B案:新しい専用治具を製作する

製品の形状や作業方法に合わせた治具を新規設計する方法です。

C案:作業手順と部品配置を見直す

治具を大きく変更せず、作業方法や準備の進め方を改善する方法です。

それぞれ、費用や効果、導入までに必要な時間が異なる可能性があります。

例えば、C案は比較的少ない費用で試せるかもしれません。

一方、B案は初期費用がかかっても、長期的に作業時間を短縮できる可能性があります。

ただし、実際の現場を確認していなければ、どの方法が有効なのか判断できません。

実践プロンプト③

「位置決め作業の時間短縮について、既存治具の改良、新規専用治具の製作、作業手順の見直しという3案を比較してください。費用、期待できる効果、導入期間、技術的な課題、確認事項を整理してください。根拠のない効果数値は設定しないでください」

6.複数の提案を比較表にする

提案書では、複数の方法を比較することで、お客様が選択肢を理解しやすくなる場合があります。

例えば、次のような表です。

比較項目A案:既存治具改良B案:新規治具C案:手順改善
初期費用改造内容による設計・製作費が必要比較的小規模な変更の可能性
導入期間改造範囲による設計・製作期間が必要現場確認と試行が必要
作業時間改善の可能性改善の可能性改善の可能性
品質への影響固定方法の検証が必要新規評価が必要作業の再現性を確認
将来の変更既存構造の制約あり設計次第現在の設備に依存

この表には、具体的な効果の数字を入れていません。

なぜなら、まだ試験をしていないからです。

しかし、比較表としては意味があります。

各方法について、どのような違いがあるのか整理できるからです。

ここで重要なのは、比較表を作成することと、優れた方法を決定することは別だということです。

実際の条件を確認し、お客様と相談しながら判断する必要があります。

7.費用対効果をどう考える?

提案書では、導入費用に対して、どのような効果が期待できるのか説明することがあります。

例えば、新しい治具によって、作業時間が8分から5分になると仮定します。

この場合、1回あたり3分の短縮です。

1日30回なら、

3分×30回=90分。

1か月20日なら、

90分×20日=1,800分。

つまり、月30時間の短縮になります。

ここで、作業にかかる人件費相当の時間単価を3,000円と仮定します。

30時間×3,000円=90,000円。

単純計算では、月9万円の作業時間相当の削減効果となります。

ただし、ここで注意が必要です。

作業時間が30時間減ったからといって、必ず月9万円の現金支出が減るわけではありません。

短縮した時間を別の仕事へ利用する場合もあります。

また、設備の稼働状況や作業者の配置によって、実際の経済効果は変わります。

そのため、提案書では「作業時間の短縮」と「費用削減」を区別する必要があります。

8.投資回収期間を試算する

次に、新しい治具の製作費用を仮に45万円とします。

月9万円の経済効果が実際に得られると仮定した場合、単純な投資回収期間は次のようになります。

450,000円÷90,000円=5か月。

つまり、この条件なら5か月で投資額に相当する効果が得られる計算です。

ただし、これはあくまで仮定に基づく試算です。

実際には、治具の維持費用、交換部品、導入時の教育、設備停止時間などが発生する可能性があります。

また、作業時間の短縮が必ず経済的な利益につながるとは限りません。

そこでChatGPTに次のように相談します。

実践プロンプト④

「治具製作費45万円、1か月の作業時間短縮30時間、時間単価3,000円という仮定で、単純な投資回収期間を計算してください。また、この計算が実際の費用削減を保証しない理由と、追加で確認するべき項目を整理してください」

こうすることで、計算の意味と限界を理解できます。

9.効果を大きく見せる提案は、なぜ危険?

提案書を作成するとき、できるだけ魅力的な内容にしたいと考えることがあります。

例えば、

「作業時間を50%削減できます」

「年間100万円のコスト削減が可能です」

といった表現です。

しかし、実際に確認できていない数字を断定することには注意が必要です。

例えば、試作品で1回だけ作業時間が短縮されたとしても、量産時に同じ結果が続くとは限りません。

作業者によって時間が変わる可能性もあります。

また、製品の種類によって治具の使いやすさが異なる場合もあります。

そこで、提案書では次のように区別します。

確認できた事実

現在の作業時間は1回8分。

試算上の仮定

新しい治具で1回5分になると想定する。

期待される効果

仮定が成立すれば、月30時間の作業時間短縮につながる可能性がある。

今後の確認事項

試作治具を使い、実際の作業時間と品質への影響を測定する。

このように書けば、どこまで確認できているのか明確になります。

ChatGPTには次のように依頼します。

実践プロンプト⑤

「提案書に記載する作業時間短縮効果について、確認済みの実績、試算上の仮定、期待される効果、未確認事項を分けて整理してください。効果が保証されるような表現は避けてください」

10.提案書には、技術的な課題も記載する

提案書では、期待できる効果だけでなく、実現するための条件や課題も説明することが重要です。

例えば、新しい位置決め治具を製作する場合です。

作業時間が短縮できる可能性があっても、固定精度が低下してしまえば意味がありません。

また、製品へ過大な力がかかり、変形や傷が発生する可能性もあります。

そこで、確認するべき項目を整理します。

位置決め精度。

固定力。

製品への傷や変形。

作業者の安全性。

清掃やメンテナンス。

異なる製品への対応可能性。

こうした情報を整理し、必要な試験や評価を考えます。

実践プロンプト⑥

「位置決め治具の新規製作を提案します。作業時間短縮だけでなく、固定精度、製品の変形、傷、安全性、耐久性について、設計時と試作評価時に確認すべき項目を整理してください」

お客様が安心して判断できる提案書には、実現条件や課題も必要です。

11.提案書の基本構成を考える

ここまで整理した内容を、一つの提案書へまとめてみましょう。

例えば、次のような構成が考えられます。

項目記載する内容
提案の目的何を改善したいのか
現状と課題現在の作業方法と問題
要求条件必須条件、希望条件、制約
提案内容具体的な方法や構造
比較検討ほかの方法との違い
期待効果時間短縮、品質、作業性など
費用設計、製作、導入、維持費
実施計画設計、試作、評価、導入
技術的な確認事項未確認の条件やリスク
評価方法効果をどのように確認するか

この構成をすべての提案書に使用する必要はありません。

例えば、簡単な作業改善なら、数ページにまとめることもできます。

一方、大規模な設備導入なら、より詳しい技術資料や投資計画が必要になる場合があります。

重要なのは、提案の目的に合わせた構成にすることです。

実践プロンプト⑦

「製造現場の位置決め治具の改善提案書を作成したいです。課題、目的、提案方法、比較案、期待効果、費用、実施計画、評価方法の順に構成してください。お客様が判断するために必要な情報を優先し、不要な営業表現は避けてください」

12.ChatGPTに提案書の文章を作成してもらう

提案書の構成が決まったら、ChatGPTに文章の作成を依頼できます。

ただし、最初からすべてを自動作成させる必要はありません。

例えば、まず現状と課題の部分だけを作成してもらいます。

実践プロンプト⑧

「次のヒアリング内容をもとに、提案書の『現状と課題』の文章を作成してください。現在の位置決め作業は1回8分、1日30回、月20日実施しています。作業時間短縮と位置決めの安定化が目的です。確認していない問題や効果を追加しないでください」

次に、提案内容を作成します。

「新しい位置決め治具を検討する理由と、設計時に考慮すべき条件を整理してください」

さらに、期待効果の部分を作成します。

「1回の作業時間が5分になった場合の試算を、仮定であることが分かる文章にしてください」

このように、項目ごとに作成して確認すると、内容の誤りや重複を見つけやすくなります。

13.提案書を読む人によって、必要な情報が変わる

同じ提案書でも、読む人によって重視する内容が異なる場合があります。

例えば、製造現場の担当者なら、実際の操作性や安全性を重視するかもしれません。

技術担当者なら、位置決め精度や治具の構造を確認したいでしょう。

管理者なら、導入費用や作業時間への効果を知りたいかもしれません。

ただし、役職だけで関心事を決めつけることはできません。

そのため、誰が何を判断するための提案書なのか確認することが重要です。

ChatGPTには次のように質問します。

実践プロンプト⑨

「この提案書は、製造担当者、技術担当者、管理者が確認する予定です。それぞれが判断するために必要な情報を整理してください。同じ内容を繰り返さず、一つの提案書で理解できる構成を考えてください」

必要に応じて、本文には全体像をまとめ、詳細な図面や計算資料を別紙にする方法もあります。

14.図や写真を活用する

提案内容によっては、文章だけでは伝わりにくいことがあります。

例えば、治具の構造や、作業方法の変更です。

その場合、現在の作業写真と改善後の構想図を比較する方法があります。

また、部品の位置決め方法を図で示すことで、具体的な仕組みを理解しやすくなるかもしれません。

ただし、AIが作成したイメージ図を、実際の製作図面として扱うことには注意が必要です。

寸法や構造、安全性などが正しいとは限らないからです。

提案用の概念図と、実際に製作するための設計図面は区別する必要があります。

ChatGPTには次のように相談できます。

実践プロンプト⑩

「位置決め治具の改善提案について、現在の作業方法と改善後の考え方を比較して説明したいです。提案書に必要な写真、図、比較表の構成を考えてください。実際の設計寸法が未確定な部分は、概念図として扱ってください」

15.提案後に質問されたら、どう対応する?

提案書を提出した後、お客様から追加の質問が出ることがあります。

例えば、

「本当に3分短縮できますか?」

「ほかの製品にも使えますか?」

「治具が壊れた場合はどうなりますか?」

「もう少し安くできませんか?」

こうした質問には、確認できた事実をもとに回答する必要があります。

例えば、作業時間の短縮効果について、まだ試作評価を行っていない場合です。

その場合、

「必ず3分短縮できます」

と断定することは適切ではありません。

代わりに、

「現在は試算上の目標として設定しています。試作治具を用いた作業評価によって確認する予定です」

と説明する方法があります。

ChatGPTには次のように依頼できます。

実践プロンプト⑪

「提案書について、お客様から作業時間短縮効果、ほかの製品への対応、耐久性、費用に関する質問がありました。確認できた事実と未確認事項を区別しながら、回答を整理してください」

ここで重要なのは、すべての質問へ即答することではありません。

分からないことは確認し、必要な根拠を示して回答することです。

16.提案が採用されなかった場合は?

提案書を作成しても、必ず採用されるとは限りません。

例えば、技術的には有効な方法でも、予算が合わない場合があります。

また、お客様の生産計画が変更され、導入時期が延期されることもあるでしょう。

あるいは、別の方法が選ばれる場合もあります。

このとき、提案が採用されなかったことだけを失敗として捉える必要はありません。

何が判断の理由になったのか確認できれば、次の提案に活かせる可能性があります。

例えば、

初期費用が高かったのか。

期待効果を十分に説明できなかったのか。

技術的な不安が残っていたのか。

導入時期が合わなかったのか。

こうした内容です。

ChatGPTには次のように相談できます。

実践プロンプト⑫

「提出した改善提案が採用されませんでした。お客様から確認できた理由と、こちらが推測している理由を分けて整理してください。また、次回の提案で改善できる点を考えてください」

ここで重要なのは、お客様が採用しなかった理由を勝手に決めつけないことです。

17.今日の実践課題|改善提案書を作ってみよう

今回は、ChatGPTを使って、架空の改善提案書を作成する練習をします。

題材は、これまで説明してきた位置決め治具です。

ステップ① 現状を整理する

次の条件をChatGPTに伝えます。

「位置決め作業は1回8分、1日30回、月20日です。作業時間を短縮したいと考えています」

ステップ② 改善目的を明確にする

「作業時間の短縮に加えて、位置決めの安定性を高めることも目的です。提案書に記載する改善目的を整理してください」

ステップ③ 複数の方法を比較する

「既存治具の改良、新規治具の製作、作業手順の改善を比較してください」

ステップ④ 仮の効果を計算する

「新しい治具で1回の作業時間が8分から5分になると仮定した場合、1日と1か月の時間短縮を計算してください」

ステップ⑤ 費用対効果を考える

「治具製作費45万円、時間単価3,000円という条件で、単純な投資回収期間を試算してください。実際の費用削減と作業時間相当の効果を区別してください」

ステップ⑥ 技術的な課題を整理する

「固定精度、製品の変形、耐久性、安全性について確認すべき項目を整理してください」

ステップ⑦ 提案書にまとめる

「ここまでの情報を、課題、提案内容、比較案、期待効果、費用、技術的な確認事項、評価方法の順に提案書へまとめてください」

ステップ⑧ 提案書を確認する

「提案書の中に、確認できていないことを事実として書いている部分がないか確認してください。数字の根拠や計算式も点検してください」

この練習を通じて、提案書を作成するだけでなく、その内容を確認する方法も学べます。

18.提案書が完成した後も、仕事は続く

提案書を提出し、お客様から採用されたとします。

しかし、それで仕事が終わるわけではありません。

設計や製作を行い、必要な評価を実施し、実際の現場で使用できるか確認する必要があります。

例えば、新しい治具によって作業時間が短縮されたとしても、製品の位置決め精度が不足していたら、目的を達成できたとはいえません。

また、試作段階では良好でも、長期間の使用によって摩耗や変形が発生する可能性があります。

そのため、提案時に考えていた効果と、実際の結果を比較することが重要です。

ChatGPTには次のように質問できます。

実践プロンプト⑬

「改善提案が採用され、治具を製作しました。提案時に想定した作業時間、位置決め精度、耐久性、費用について、実際の結果と比較するための評価表を作成してください」

実際の結果が予想と異なっていれば、原因を確認し、必要に応じて改善を検討します。

提案書は、完成した資料そのものが成果なのではありません。

実際の仕事を改善するための出発点なのです。

まとめ|良い提案書とは、お客様が判断できる資料

今回は、ChatGPTを使った提案書の作成方法を学びました。

重要なポイントは、次のとおりです。

  1. 提案書を作る前に、お客様の課題と目的を整理する。
  2. 確認できた条件と、未確認事項を分ける。
  3. 現在の問題を、可能な範囲で具体的な数字にする。
  4. 最初から一つの方法に限定せず、複数の解決策を検討する。
  5. 提案する方法の長所だけでなく、制約や課題も示す。
  6. 費用対効果を試算するときは、前提条件を明確にする。
  7. 作業時間の短縮と、実際の費用削減を区別する。
  8. 読む人が判断するために必要な情報を整理する。
  9. 期待効果を断定せず、検証方法を示す。
  10. 提案後の質問や実際の結果から学び、次の改善へ活かす。

提案書というと、商品の魅力を伝えたり、相手を説得したりするための資料だと考えられることがあります。

しかし、仕事の課題を解決する提案では、それだけでは十分ではありません。

お客様が何に困っているのか。

なぜ、その方法を提案するのか。

ほかの方法と比べて、どのような違いがあるのか。

どのような条件なら実現できるのか。

どのような効果が期待でき、何を確認する必要があるのか。

これらを整理して伝えることが重要です。

ChatGPTは、情報の整理や文章作成、数値計算、比較表の作成などを支援できます。

しかし、実際にお客様の課題を理解し、技術的な実現性を判断するには、打ち合わせや現場での確認が必要です。

良い提案書とは、相手を言葉で説得する資料ではありません。課題と解決方法を正しく伝え、お客様が納得して判断できる材料を提供する資料です。

AIと一緒に情報を整理し、複数の方法を考え、根拠を確認する。

そして、提案した内容を実際に試し、結果から学ぶ。

その積み重ねが、より良い仕事と信頼関係につながっていきます。


次回【中級編・第26回】

「ChatGPTで交渉の準備をする方法|価格・納期・条件調整を冷静に進める実践講座」

次回は、お客様や取引先との交渉について考えます。

価格や納期の調整だけでなく、相手が何を重視しているのか理解し、双方が納得できる条件を探すために、ChatGPTをどのように活用できるか学んでいきましょう。

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