AIの答えは、いつも正しいわけではない
ChatGPTを使っていると、質問に対して分かりやすい説明が返ってくることがあります。
専門的な内容でも、文章が整理されていて、理解しやすく感じることがあります。
しかし、読みやすい説明だからといって、その内容が正しいとは限りません。
生成AIは、事実と異なる情報を回答する場合があります。
存在しない情報を、もっともらしく説明することもあります。
そのため、仕事で利用するときには注意が必要です。
例えば、機械部品に使用する材料について調べる場合を考えてみます。
ある樹脂が高温で使用できるという説明を得たとしても、それだけでは材料を選べません。
何度まで使用できるのか。
どの程度の時間使用するのか。
荷重は加わるのか。
使用環境によって薬品や水分の影響はないのか。
実際に判断するためには、さまざまな条件を確認する必要があります。
また、耐熱温度という言葉だけでも、熱変形温度、連続使用温度、融点など、異なる意味の数値があります。
それぞれを混同すれば、材料の選択を誤る可能性があります。
AIが示した数字をそのまま採用するのではなく、何を表す数字なのかを理解することが大切です。
必要に応じて、材料メーカーの技術資料や公式情報を確認します。
これは、AIに限ったことではありません。
インターネットで見つけた情報でも、古い内容や誤った説明が含まれている場合があります。
人から聞いた話であっても、実際の条件に当てはまるかどうかは別の問題です。
大切なのは、誰が説明したかだけで正しいと判断しないことだと思います。
実際の仕事では、図面、仕様書、材料データ、使用条件など、確認できる情報をもとに判断します。
分からないことがあれば、お客様や材料メーカー、協力会社に確認することもあります。
それでも判断できない場合には、試作品を製作し、実際の条件で確かめる必要があるかもしれません。
(株)アリスでは、研究開発から生産現場まで、さまざまなものづくりに関わっています。
一つの判断が、製品の品質や納期、その先の工程に影響することがあります。
だからこそ、情報の正確さを大切にしています。
AIを使うことで、知らなかった知識に触れたり、問題を整理したりすることはできます。
しかし、AIが示した内容を信じることと、確認して理解することは違います。
疑うというのは、最初から否定することではありません。
何が事実で、何が推測なのかを区別し、必要な情報を確かめることです。
便利な技術だからこそ、その特徴と限界を理解し、責任を持って仕事に活かしていきたいと考えています。