起業当初に経験したこと
(株)アリスを起業したのは2012年9月17日です。
起業前、私は知人の事業立ち上げを手伝っていました。
設備、人員、取引先の紹介などを行い、その事業は順調に拡大していきました。
その中で、「断っている仕事を請けてほしい」と何度も声を掛けられ、起業する流れになりました。
今振り返ると、自分自身の意思で始めたというより、周囲の流れに乗る形でスタートした部分が大きかったと思います。
結果として、大きな設備投資と借入を抱えた状態で事業が始まりました。
当初は仕事も動いていましたが、次第に状況は変わっていきます。
約束していた仕事量や資金面の支援は不安定になり、現場では長時間労働が続きました。
赤字も短期間で大きく膨らみ、精神的にもかなり厳しい時期でした。
私は会社員を辞め、事業に専念する決断をしましたが、起業後しばらくは無給の状態が続きました。
休日もなく、徹夜で仕事を進める日も珍しくありませんでした。
ただ、その時の経験で強く感じたことがあります。
それは、経営を他人任せにしてはいけないということです。
どれだけ周囲の支援があっても、最終的に判断し、責任を持つのは経営者自身です。
また、「なぜこの事業をやるのか」という意思や熱量が曖昧なままでは、厳しい状況を乗り越えられません。
特に起業後の数年間は、現場・資金・人・品質など、さまざまな問題に直面しました。
ですが、その経験があったからこそ、
現場を重視する考え方や、簡単に成立したように見えるものほど慎重に見る姿勢が身についたと感じています。
現在の(株)アリスでは、
研究開発から生産現場までを支えるものづくりを行っていますが、根本にあるのは「現実を直視する」という考え方です。
うまくいく前提ではなく、
問題が起こる前提で考え、準備し、改善していく。
起業当初の経験が、今の会社の土台になっています。