祭りは、何を忘れないために続いているのか
2014.06.12
祭りは楽しいものです。神輿が出て、人が集まり、酒を飲み、音が鳴る。
今では地域の行事として見ることも多いですが、古い祭りには
「何をしているのかよく分からない動作」が残っていることがあります。
決まった場所まで行く。ある石の前で止まる。川へ入る。
特定の方向を向く。夜にだけ行う。昔から同じ家が役を担う。
理由を聞いても、「昔からそうだから」としか分からない。
私は、こういう部分が気になります。
祭りは文章ではありません。
だから言葉が変わっても残ります。
意味を説明できなくなっても、身体の動きだけが残ることがあります。
もし昔、その場所で誰かを迎えたのだとしたら。
あるいは死者を送ったのだとしたら。
船が着く場所だったのだとしたら。
災害を避けるための祈りだったのだとしたら。
今では意味が分からなくても、行為だけがその記憶を運んでいる可能性があります。
もちろん、後世に形が変わった祭りもあります。
新しい要素が加わることもあります。
それでも、長く続く祭りには「なぜこの場所で、なぜこの動きをするのか」という
問いが残ります。
祭りは、人々が無意識に続けてきた歴史資料でもあるのかもしれません。
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