忘れる力も人間の大切な能力(後編)
前編では、執着を手放すことの難しさについて触れました。
人はどうしても、嫌な出来事や苦手な人のことを考えてしまうものです。
「もう考えないようにしよう」と思っても、気づけばまた思い出していることもあります。
それはある意味、自然なことなのかもしれません。
ただ一つ注意したいことがあります。
それは、その出来事を何度も言葉にしてしまうことです。
例えば、自分がどれほど大変だったかを「世界一不幸な出来事」のように周りに語り続けること。
あるいは、特定の人の悪口を繰り返し言い続けること。
一瞬すっきりすることもあるかもしれません。
しかし、言葉にすればするほど、その記憶は強く固定されてしまいます。
記憶というものは、不思議なもので、思い出すたびに強化されていきます。
つまり繰り返し話すことで、忘れにくい記憶を自分で作ってしまうことにもなります。
(株)アリスもまだまだ修行中ですが、出来るだけこう考えるようにしています。
誰かの悪口を言った瞬間に、
人としての勝負に負けてしまうのではないか、と。
もちろん簡単なことではありません。
我慢するのはなかなか難しいものです。
しかし他人と比べる必要はありません。
みんなが愚痴を言っているから自分も、という発想ではなく、自分との勝負なのだと思います。
嫌な出来事があったときは、
何かに夢中になって取り組む。
そして、おいしいご飯を食べて、しっかり眠る。
それだけでも心は少しずつ整っていきます。
完璧に忘れることを目指す必要はないのかもしれません。
「まあいいか」と思いながら、少しずつ手放していく。
(株)アリスもまだまだ実践の途中ですが、そう考えていると執着が消えるまでの時間は少し早くなるように感じています。
忘れる力も、人間にとって大切な能力なのかもしれません。
その力を少しずつ育てながら、今日も前に進んでいきたいと考えています。