始皇帝さま|『キングダム』の嬴政は、本当にいたのだろうか
漫画『キングダム』に登場する嬴政。
彼が目指しているのは、ただ領土を増やすことではありません。
長く続いた戦乱を終わらせるために、中華を一つにする。
とても大きな志です。
では、実際の始皇帝さまも同じことを考えていたのでしょうか。
それは分かりません。
二千年以上前の人物です。
本人に聞くことはできません。
残された記録から、行動を知ることはできます。
でも心の中までは分かりません。
本当に平和な世界をつくりたかったのかもしれない。
すべてを自分の支配下に置きたかったのかもしれない。
もしかすると、その両方だったのかもしれません。
私は、そこが歴史の面白いところだと思います。
始皇帝さまは六国を征服したあと、文字、貨幣、度量衡などを統一し、道路を整備し、巨大な国を一つの仕組みで動かそうとしました。
戦って終わりではありませんでした。
何か新しい社会をつくろうとしていたことは、残された行動から見えてきます。
でも、その社会を人々が望んでいたのかは別の話です。
良い国をつくっている。
人々のためにやっている。
始皇帝さま自身は、本気でそう信じていた可能性だってあります。
そこで私は、現代の会社経営を考えてしまいます。
「社員のために」
経営者がよく使う言葉です。
でも、本当に社員が望んでいるのでしょうか。
本人に聞かずに、
「きっと喜ぶはずだ」
と決めてしまっていないでしょうか。
善意と独りよがりは、ときどき近いところにあります。
ここから少し、会社の広報をさせてください。
(株)アリスでも、良い会社とは何かを考えます。
でも、経営者だけで答えを決めるのではなく、一緒に働く人が何を考えているのかを聞く。
お客様のためと思った提案も、本当に必要なのかを聞く。
相手のためなら、まず相手を知る。
二千年以上前の始皇帝さまが何を思っていたのかは分かりません。
でも、分からないからこそ、
「相手のため」と思ったときほど、本当に相手のためなのか。
私は一度考えてみたいと思います。