図面がない部品でも、現物から製作方法を考える
製造現場では、交換したい部品があっても図面が残っていないことがあります。
古い設備の部品。
メーカーがすでに製造を終了した部品。
以前の製作会社が分からない部品。
長く使っている機械では、現物だけが残っていることも珍しくありません。
こうした場合、図面がないからすぐに製作できないとは限りません。
現物の寸法を測り、形状を確認し、必要に応じて2D図面や3Dデータを作成することで、製作方法を考えることができます。
現物を見るところから始める
現物から部品を製作するとき、単純に外形寸法だけを測ればよいとは限りません。
どこに取り付く部品なのか。
相手部品とどこで接触するのか。
穴位置はどの程度重要なのか。
摩耗している部分はどこなのか。
現在の形状が新品時と同じなのか。
一つずつ確認していきます。
長期間使われている部品では、すでに摩耗している場合もあります。
そのため、現物の寸法をそのまま図面にすればよいとは限りません。
使用状況や周辺部品も見ながら、本来どのような形状だったのかを考える必要があります。
CADで形状を整理する
複雑な形状では、測定した内容をCADで図面化したり、3Dデータとして形状を再現したりします。
形にすることで、
寸法の矛盾がないか。
加工できる形状か。
工具が入るか。
別の加工方法の方が適していないか。
といったことも確認しやすくなります。
現物からデータを作る作業は、ただ形を写すだけではありません。
その後どのように製作するかまで考えてデータにしていきます。
樹脂・金属・ゴムを含めて考える
元の部品と同じ材料を使うこともあれば、使用条件によっては別の材料を検討することもあります。
樹脂切削加工で製作するのか。
金属加工が必要なのか。
ゴムや柔軟材を使用した方がよいのか。
材料だけでなく、数量、必要精度、使用環境、納期などによって製作方法は変わります。
(株)アリスでは、自社加工だけに限定せず、必要に応じて国内の協力会社とも連携して製作方法を考えています。
すべてを自社設備で加工することが目的ではありません。
その部品に合う方法を選ぶことが目的です。
図面がなくても、まず状況を整理する
現物から製作する仕事では、最初から答えが決まっているとは限りません。
測る。
考える。
図面や3Dデータにする。
加工方法を検討する。
必要なら試作する。
一つずつ確認しながら進めます。
今振り返ると、こうした仕事の積み重ねが、「図面がある仕事だけを受けるのではなく、分からないところから一緒に考える」という現在の仕事の進め方につながっています。
図面がない。
メーカーから部品が入らない。
現物しか残っていない。
そうしたときにも、まず現物から何が分かるのかを確認するところから、ものづくりは始められます。