ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第51回】複数のAIを使い分ける方法|ChatGPT・Gemini・Claude・Copilotを組み合わせて仕事に活用しよう
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTのプロジェクト機能を使って、長期間の仕事に関係するチャットや資料を整理する方法を学びました。
今回からは、AIの活用方法をもう一段階広げていきましょう。
テーマは「複数の生成AIを使い分ける方法」です。
これまでの授業では、ChatGPT、Google Gemini、Claude、Microsoft Copilotという4つの代表的なAIを紹介しました。
今回は、それぞれを単独で使うのではなく、同じ課題に対して複数のAIを活用する方法を考えます。
「ChatGPTとGeminiでは答えが違うけれど、どちらが正しいの?」
「一つのAIで作った文章を、別のAIに確認してもらえる?」
「複数のAIを使えば、間違いを減らせるの?」
「どの作業を、どのAIに任せればいいの?」
そんな疑問を、一緒に考えていきましょう。
最初にお伝えしたいのは、複数のAIを使えば、必ず正しい答えが得られるわけではないということです。
しかし、異なる説明や発想を比較することで、自分では気づかなかった疑問や改善点を見つけられる場合があります。
1.なぜ複数のAIを使うのでしょうか?
例えば、旅行の計画を立てるためにChatGPTへ質問したとします。
「大阪から京都へ日帰り旅行をしたいです。電車と徒歩で移動できる観光プランを考えてください」
ChatGPTが観光プランを提案しました。
同じ質問をGeminiへ入力すると、別の観光地や移動順序を提案するかもしれません。
Claudeへ質問すると、さらに違った構成になる場合があります。
これは、それぞれのAIが異なる仕組みやモデルを利用し、回答の作り方にも違いがあるためです。
どれか一つが必ず正しいとは限りません。
そこで、回答を比較してみます。
移動に無理がないか。
希望する観光地が含まれているか。
営業時間や交通機関の情報は正しいか。
こうした点を確認しながら、自分に合った計画を考えることができます。
2.4つの生成AIの特徴を整理しましょう
まず、代表的な4つのAIについて、仕事での活用例を整理してみましょう。
| AI | 注目したい機能 | 活用例 |
|---|---|---|
| ChatGPT | 対話、調査、文章・ファイル分析、画像生成 | 問題整理、企画、資料分析 |
| Gemini | Googleサービスとの連携 | GmailやGoogleドライブの情報整理 |
| Claude | 文書検討、Artifacts、プロジェクト | 文章改善、資料整理、成果物の作成 |
| Copilot | Microsoft 365との連携 | Word、Excel、PowerPointなどの作業支援 |
これは代表的な特徴を整理したもので、各AIの能力を限定するものではありません。
例えば、ChatGPTでもWordやExcelファイルを扱えます。
Geminiでも文章を作成できます。
Claudeでもプログラミングを支援できます。
Copilotでも一般的な質問やアイデアの相談ができます。
実際の機能は、利用するプランや設定によって異なります。
大切なのは、AIの名前ではなく、目的に合う機能を選ぶことです。
3.実践!同じ質問を2つのAIにしてみよう
今回は、初心者でも簡単に比較できる練習から始めます。
テーマは「仕事の時間を短縮する方法」です。
ChatGPTに次のように入力してください。
「毎日行っている事務作業の時間を短縮したいです。見積書の作成、メール対応、資料整理について、改善方法を5つ提案してください」
回答を読んだら、GeminiやClaudeなど、別のAIにも同じ質問を入力してみましょう。
ここでは、質問の条件を変えないことがポイントです。
同じ条件で質問することで、回答の違いを確認しやすくなります。
結果が出たら、次の点を比較しましょう。
① 提案された改善方法は同じか。
② 具体的な手順が説明されているか。
③ 必要な準備が明確か。
④ 実行できない可能性にも触れているか。
⑤ 判断に必要な情報を質問しているか。
回答が長いから優れている、短いから使いやすい、と単純に判断しないことが大切です。
4.AIの回答を比較する表を作ろう
複数のAIから回答を受け取ったら、比較表を作ってみましょう。
例えば、次のような表です。
| 比較項目 | AI① | AI② |
|---|---|---|
| 提案の内容 | どんな方法を提案したか | どんな方法を提案したか |
| 具体性 | 実行手順があるか | 実行手順があるか |
| 必要な準備 | 何が必要か | 何が必要か |
| 注意点 | どんな問題に触れたか | どんな問題に触れたか |
| 未確認事項 | 何を調べる必要があるか | 何を調べる必要があるか |
ChatGPTへ、別のAIから得た回答を貼り付けて、
「この2つの回答を比較してください。共通点、相違点、それぞれの提案の根拠、確認が必要なことを整理してください」
と依頼できます。
ただし、比較を担当するChatGPT自身も間違えることがあります。
重要な内容は、元の回答と照合しましょう。
また、回答を比較するときには、どのAIから得た回答なのかを明確にしておくと整理しやすくなります。
5.2つのAIが同じ答えなら正しいの?
ここは、今回の授業で特に覚えてほしいことです。
例えば、ChatGPTとGeminiへ、ある製品の耐熱温度を質問したとします。
両方が「100℃です」と回答しました。
では、その製品の耐熱温度は100℃で間違いないのでしょうか。
そうとは限りません。
両方のAIが、同じ古い情報や不正確な資料を参考にしている可能性があります。
また、材料の種類や使用条件によって、耐熱温度の考え方が変わる場合もあります。
こうした情報は、材料メーカーの公式資料などで確認する必要があります。
複数のAIが同じ回答をしたことは、正しさの証明にはなりません。
AI同士で答え合わせをするだけでなく、根拠となる情報を確認しましょう。
6.AIの回答が違ったら、どうすればいいの?
例えば、同じ仕事の改善について質問したところ、次のような回答が返ってきたとします。
AI①の提案
「新しい業務管理システムを導入しましょう」
AI②の提案
「現在のExcel管理表を改善しましょう」
どちらも、状況によっては有効な方法かもしれません。
この段階で、一方を正解、もう一方を間違いと決める必要はありません。
まず、提案の前提条件を確認します。
新しいシステムを導入する費用はどの程度か。
現在のExcel管理表の問題は何か。
利用する人数は何人か。
既存の仕組みを改善するだけで解決できるか。
ChatGPTには、
「2つの改善案の前提条件を比較してください。どちらが適切か判断するために、追加で確認すべき情報を整理してください」
と依頼してみましょう。
異なる意見が出たことを、問題を深く考える機会として活用できます。
7.AIごとに役割を分ける方法
複数のAIを活用するとき、必ず同じ質問を繰り返す必要はありません。
仕事の内容に応じて、役割を分ける方法もあります。
例えば、新商品の企画書を作成する場合です。
ステップ①:アイデアを整理する
ChatGPTなどへ、商品アイデアや解決したい課題を説明します。
目的や必要な情報を整理します。
ステップ②:関連資料を確認する
Gemini、Claude、ChatGPTなど、利用する資料を扱いやすいAIで内容を確認します。
ステップ③:企画書を作成する
文章作成や文書編集の機能を使って、企画書の下書きを作成します。
ステップ④:別の視点から検討する
ほかのAIに企画書を読ませ、問題点や不足情報を指摘してもらいます。
ステップ⑤:事実を確認する
AIの回答を原資料や公式情報と照合します。
ステップ⑥:完成させる
最後に人間が内容を確認し、必要な部分を修正します。
このように、仕事を分けて進める方法があります。
ただし、複数のAIを利用することで、情報の受け渡しや管理が複雑になる場合もあります。
作業が簡単なら、一つのAIで十分なこともあります。
8.Googleの仕事が多い場合の使い分け
普段からGmail、Googleドライブ、Googleドキュメント、Googleカレンダーなどを利用している方は、Geminiとの連携が候補になります。
対応するアカウントや設定では、Google Workspace内の情報を検索・要約したり、予定を管理したりできます。
例えば、Googleドライブに保存している資料を探して内容を整理する使い方です。
一方、取り出した資料をChatGPTやClaudeでさらに検討する方法もあります。
ただし、Googleの資料を別のAIに送る場合には、情報管理への配慮が必要です。
また、Geminiで利用できる連携機能は、アカウントの種類や管理者の設定によって異なります。
まずは、自分が使用できる機能を確認しましょう。
9.WordやExcelを使う仕事の場合
Microsoft 365を日常的に使っている方は、Copilotとの連携が便利な場合があります。
例えば、Wordの文章作成、Excelの分析、PowerPointの資料作成などです。
対応するライセンスでは、各アプリの中でCopilotの支援を受けられます。
ただし、Microsoft Copilotの無料チャットと、Microsoft 365の各アプリで利用できるCopilot機能は同じではありません。
利用する機能によって、契約条件が異なります。
例えば、Excelの関数を教えてもらうだけなら、ChatGPTでもCopilotでも相談できます。
一方、実際のExcelファイル内でAIを利用したい場合は、対応する機能や契約を確認する必要があります。
どちらが便利かは、使いたい機能と作業環境によって変わります。
10.文章の作成と確認を別のAIで行う
複数のAIを使う方法として、文章の作成と確認を分ける方法があります。
例えば、ChatGPTに取引先への案内文を作成してもらいます。
完成したら、その文章をClaudeなど別のAIへ渡して、次のように質問します。
「この案内文について、読み手が誤解しそうな部分、説明が不足している部分、曖昧な表現を指摘してください。元の文章にない事実は追加しないでください」
こうした方法によって、別の視点から文章を見直せます。
ただし、別のAIが指摘した内容を、すべて採用する必要はありません。
例えば、文章を丁寧にしようとして、必要以上に長くなる場合もあります。
何を伝えたい文章なのかを考え、修正内容を選びましょう。
11.AI同士の意見が一致しない場合の検証方法
例えば、製品の材料選定について複数のAIへ相談したとします。
ChatGPTは材料Aを提案しました。
Claudeは材料Bを提案しました。
ここで、どちらが正しいのかを決める前に、判断条件を整理しましょう。
例えば、
- 使用温度
- 必要な強度
- 使用する環境
- 加工方法
- 必要な数量
- 費用
- 納期
などです。
ChatGPTには、
「材料Aと材料Bのどちらが適切か判断するために、必要な条件を整理してください。材料特性についてはメーカーの公式資料で確認する項目を示してください」
と質問できます。
AIの回答を比較することは、判断材料を増やす方法の一つです。
しかし、技術的な仕様や安全に関わる内容では、実際の資料や試験結果による確認が欠かせません。
12.複数のAIを利用すると料金はどうなるの?
ChatGPT、Gemini、Claude、Copilotには、無料で利用できる範囲があります。
一方、有料プランを契約すると、それぞれのサービスで料金が発生します。
例えば、ChatGPT Plusを契約していても、Claudeの有料プランまで利用できるわけではありません。
また、Microsoft 365 Copilotの契約が必要な機能もあります。
初心者の方は、最初から複数の有料プランを契約する必要はありません。
まずは無料で試せる範囲を使い、自分の仕事に役立つ機能を確認しましょう。
複数のAIを使うことで作業時間が減る場合もありますが、逆に比較や確認に時間がかかる場合もあります。
AIを増やすこと自体が目的ではありません。必要な仕事を、より確実に進められるかどうかが重要です。
13.AIから別のAIへ情報を渡すときの注意点
複数のAIを使う場合、あるAIで作成した資料を、別のAIへ渡すことがあります。
その際には、情報管理に注意しましょう。
例えば、次のような情報です。
- 取引先から預かった図面や仕様書
- 顧客の個人情報
- 社外秘の価格情報
- 未公開の製品開発資料
- 契約条件や経営資料
こうした情報を、許可なく複数の外部サービスへ送信してはいけません。
また、それぞれのAIサービスでは、利用規約、データの保存方法、学習への利用設定などが異なる場合があります。
仕事で利用する際には、会社の情報管理ルールを確認しましょう。
今回の練習では、架空の情報だけを使用します。
14.複数のAIを使うときに起こりやすい失敗
複数のAIを利用すると、次のような問題が起きる場合があります。
① 同じ間違いを繰り返す
複数のAIが、同じ不正確な情報を参考にしている可能性があります。
② 比較する条件が違っている
一方には詳しい情報を伝え、もう一方には短い質問しかしていない場合です。
③ 以前の条件が引き継がれていない
別のAIには、過去の会話の情報が自動的に伝わるわけではありません。
④ 情報の管理が複雑になる
どのAIで何を決めたのか分からなくなる場合があります。
⑤ 意見を集めるだけで判断しない
複数の回答を比較しているうちに、実際の作業が進まなくなることがあります。
そこで、目的、条件、確認できた事実、未決定事項を整理しておくことが大切です。
15.AIの使い分け記録を作ってみよう
複数のAIを利用する場合は、簡単な記録を残す方法もあります。
例えば、次のような表です。
| 作業 | 使用したAI | 確認した内容 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 企画の構成 | ChatGPT | 目的と必要な項目 | 構成案を作成 |
| 文章の見直し | Claude | 曖昧な表現 | 修正候補を抽出 |
| 資料の検索 | Gemini | Googleドライブの資料 | 該当資料を確認 |
| Excel作業 | Copilot | 計算式と分析 | 計算結果を確認 |
この表は、役割分担を説明するための例です。
すべての作業に4つのAIを使う必要はありません。
実際に利用した機能や確認結果だけを記録します。
また、AIが「確認しました」と説明していても、元の資料を実際に確認できているかは別です。
重要な仕事では、何を根拠に判断したのかも残しましょう。
16.今日のミニレッスン
今回は、2つのAIを使って同じ課題を検討します。
テーマは「小さな会社の事務作業を改善する方法」です。
ステップ① ChatGPTに質問する
ChatGPTで新しいチャットを開きます。
次のように入力してください。
「小さな会社で、見積書の作成、メール対応、資料整理に時間がかかっています。改善方法を5つ提案してください。費用を抑え、現在の仕組みをできるだけ活用することを前提にしてください」
ステップ② 別のAIにも同じ質問をする
GeminiやClaudeなど、利用できる別のAIへ、まったく同じ質問を入力します。
両方の回答を確認しましょう。
ステップ③ 回答を比較する
2つの回答をChatGPTへ渡し、次のように依頼します。
「この2つの回答を比較してください。共通する提案、異なる提案、実行に必要な条件、確認が必要なことを一覧表にしてください」
ステップ④ 反対意見を考えてもらう
続けて、
「これらの改善案がうまくいかないとしたら、どのような理由が考えられますか?それぞれについて確認方法も示してください」
と依頼します。
ステップ⑤ 一つの改善案を選ぶ
提案の中から、自分が試してみたい方法を一つ選びます。
例えば、見積書の作成手順を整理する方法です。
ステップ⑥ 小さく試す計画を考える
「選んだ改善案を小さく試すために、必要な準備、実施手順、確認方法を整理してください。期間や費用が分からない場合は、勝手に決めないでください」
と依頼します。
ステップ⑦ 最終的な判断をする
最後に、
「今回の比較で確認できた事実、AIの提案、まだ分からないことを分けて整理してください」
と質問します。
ここまでできれば、複数のAIを使って考えを広げ、比較し、実際の行動につなげる流れを体験できます。
ソラ先生からひとこと
今回は、ChatGPTだけでなく、Gemini、Claude、Copilotなど、複数のAIを使い分ける方法を学びました。
AIによって、説明の仕方や提案する内容が異なることがあります。
そんなとき、どちらが優秀なのかを急いで決める必要はありません。
なぜ違う答えになったのか。
どんな条件を前提にしているのか。
何を調べれば判断できるのか。
そうしたことを考えることで、自分の理解を深められます。
また、複数のAIが同じことを説明しても、必ず正しいとは限りません。
必要な場合は、公式資料や実際のデータを確認しましょう。
私は、AIを使いこなすことは、たくさんのAIサービスを契約することではないと考えています。
自分の目的に合わせて必要な道具を選び、それぞれの意見を参考にしながら、自分で考えて行動することです。
AIに答えを選んでもらうのではなく、AIと一緒に選択肢を広げ、調べ、試しながら答えを探していきましょう。
次回【第52回】は「ChatGPTの回答を検証する方法|AIの間違い・架空の情報・引用元の確認を徹底解説」です。
今度は、AIがもっともらしく間違った情報を答えたとき、どのように見抜き、正しい情報を確認するのかを詳しく学びます。