分からないことを、AIと一緒に考える
仕事をしていると、すぐには答えが見つからない問題に出会うことがあります。
これまで扱ったことのない材料。初めて製作する形状。原因が分からない加工上の問題。
そんなとき、どこから調べればよいのか迷うこともあります。
私自身、長年ものづくりに関わってきましたが、今でも知らないことや経験したことのない問題はたくさんあります。
だからこそ、分からないことに出会ったとき、最初から答えを決めつけないようにしています。
例えば、樹脂部品の寸法が想定していた状態と違っていた場合です。
材料の性質によるものなのか。加工時の熱や固定方法が影響しているのか。それとも、測定方法に問題があるのか。
考えられる原因は一つとは限りません。
以前であれば、過去の経験を振り返り、専門書や材料メーカーの資料を調べ、必要に応じて詳しい人に相談していました。
こうした方法は、今でも大切です。
そこに新しく加わったのが、ChatGPTのような生成AIです。
例えば、現在分かっている条件を伝え、どのような原因が考えられるのかを整理することができます。
すると、自分が注目していなかった条件や、確認が必要な項目が見えてくる場合があります。
もちろん、AIが示した原因が正しいとは限りません。
実際の材料、加工条件、使用環境などを確認しなければ、原因を特定できないこともあります。
しかし、問題を整理する段階では、複数の可能性を考えることに意味があります。
これは、人と相談するときにも似ています。
一人で考えていると、以前の経験に意識が向き、別の可能性に気づかないことがあります。
そんなとき、ほかの人から違う意見を聞くことで、考え方が広がることがあります。
AIも、そうした新しい視点を得るための手段の一つです。
大切なのは、AIの説明をそのまま答えにすることではありません。
何が分かっているのか。
何がまだ分からないのか。
次に何を確認すればよいのか。
そうしたことを一つずつ整理していくことです。
(株)アリスは、樹脂・金属・ゴムなど、自社加工と国内協力会社の技術を組み合わせながら、研究開発から生産現場までのものづくりに関わっています。
自社だけで解決できない問題があれば、専門技術を持つ協力会社にも相談します。
必要な情報を集め、考え、実際の結果を確かめる。
その基本は、AIを使うようになっても変わりません。
分からないことを、分からないまま終わらせない。
新しい道具も活用しながら、問題の解決につなげていきたいと思っています。