便利な道具が増えるほど、仕事の基本が大切になる
仕事を進めるための道具は、時代とともに変わっていきます。
手書きの書類がパソコンに変わり、電卓で行っていた計算を表計算ソフトで処理できるようになりました。
CAD/CAMやCNC工作機械の普及によって、ものづくりの方法も変わってきました。
そして現在は、AIという新しい道具も登場しています。
こうした技術の進歩は、仕事の進め方を見直すきっかけになります。
例えば、営業事務の仕事では、見積書や納品書の作成、受発注情報の整理、納期管理など、さまざまな事務作業があります。
同じ内容を何度も入力していたり、必要な情報を探すために時間がかかっていたりする場合には、仕組みを見直す余地があります。
入力方法を工夫する。
情報の保存場所を整理する。
表計算ソフトの機能を活用する。
必要に応じてAIなどの新しい技術を検討する。
方法はいろいろあります。
しかし、便利な道具を使えば、仕事の内容を理解しなくてもよくなるわけではありません。
例えば、納期管理表を自動で更新できるようになったとしても、納期の意味や製作工程との関係を理解していなければ、問題が起きたときに対応できません。
お客様が希望する日付と、実際に製作できる日付は必ずしも同じではありません。
材料の入荷、加工工程、協力会社との調整、検査、出荷など、さまざまな条件が関係します。
そうした仕事の流れを理解することが、正しい判断につながります。
製造現場でも同じです。
CAD/CAMを使えば加工プログラムを作成できますが、加工する材料や工具、機械の特性を理解する必要があります。
寸法測定に便利な機器を使う場合でも、何を測定し、どのように品質を確認するのかを理解していなければなりません。
道具が便利になることと、仕事の基本を知らなくてもよくなることは違います。
むしろ、便利な道具が増えるほど、その結果をどう確かめ、どう活用するかが大切になると思います。
また、新しい技術を使うことが得意な人もいれば、長年の経験から製造現場の問題を見つけることが得意な人もいます。
それぞれの力を組み合わせることで、仕事の進め方を改善できる可能性があります。
(株)アリスは、研究開発から生産現場まで、さまざまな製作案件に関わっています。
毎回同じ仕事ではないからこそ、既存の方法だけにこだわらず、新しい技術や知識を学ぶ姿勢を大切にしています。
一方で、新しい技術を使うことそのものが目的になってはいけません。
お客様が何を実現したいのか。
そのために必要な品質や条件は何か。
どのような方法で製作することが適しているのか。
そうした基本を理解することが、何より大切です。
人が考え、道具を選び、必要なことを確かめる。
技術が変化しても、仕事に責任を持って向き合う姿勢は変わらないと考えています。