「きれいにする仕事」だと思っていたら、見る力がどんどんアップデートされていく
仕上げ検査の仕事は、最初に見ると、とてもシンプルに見えるかもしれません。
加工が終わった製品のバリを取る。
表面を整える。
傷がないかを見る。
寸法を確認する。
でも、実際に仕事を始めると、少しずつ見え方が変わってきます。
(株)アリスでは、プラスチック樹脂やアルミなど、さまざまな材料の試作品や機械部品を扱っています。
形も毎回同じではありません。
手のひらに乗るような小さな部品もあれば、薄い部分や細い部分がある製品、透明な部品、複雑な形状の製品もあります。
最初は、どこを見ればいいのか分からなくても当然です。
まずは教えてもらったところを見る。
バリを取る。
決められた寸法を測る。
製品を傷つけないように扱う。
そこから始まります。
でも、何度も製品に触れていると、少しずつ自分の「見る力」が変わってきます。
以前なら気づかなかった小さな傷に気づく。
触ったときのわずかな違和感が分かる。
この部分はもう少し仕上げた方がきれいになると感じる。
透明な部品なら、光の当て方を変えると見えるものが違うことも分かってくる。
同じプラスチック樹脂でも、材質によって仕上げるときの感覚が違います。
薄い部分や細い形状では、力を入れすぎれば製品を傷めることもあります。
だから仕上げ検査は、ただ手を動かす仕事ではありません。
経験が増えるほど、
「これは大丈夫」
「これは一度確認した方がいい」
「ここはもう少しきれいにできる」
と、自分で判断する場面が増えていきます。
私は、この変化が面白いと思っています。
最初は全部同じように見えていた製品が、少しずつ違って見えるようになる。
仕事の解像度が上がっていく感覚です。
そして仕上げ検査は、製品がお客様へ届く前の大切な工程でもあります。
加工がどれだけうまくできていても、最後に傷をつけたり、バリを残したりすれば完成品とは言えません。
自分が見つけた小さな違和感によって、そのまま出荷されるのを防げることもあります。
自分が丁寧に仕上げた製品が、そのままお客様のもとへ届きます。
そこには、思っている以上に責任があります。
でも、その分だけ手応えもあります。
昨日まで見えなかったものが、今日は見える。
前回よりきれいにできる。
測定も少し速くなる。
製品を見ただけで、注意した方がよいところが少し分かるようになる。
そんな小さなアップデートを重ねていく仕事です。
(株)アリスでは、最初から製造の知識があることを求めているわけではありません。
製品に触れながら、一つずつ覚えていく。
そして、ただ仕上げる人ではなく、
「この製品をこの状態でお客様へ届けて大丈夫か」
まで考えられるようになる。
私は、そこまで成長すると、仕上げ検査の仕事はかなり面白くなると思っています。