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アテルイとモレは、なぜ今も花や酒を供えられるのか

2014.02.10

墓や塚に花を置く。

酒を供える。

手を合わせる。

私は、この行為には言葉より強いものがあると思っています。

「この人を忘れていない」

という気持ちです。

アテルイとモレは、ずっと昔の人です。

今を生きる人たちと、直接会ったことはない。

それでも、花が置かれる。

酒が置かれる。

誰かが足を運ぶ。

なぜでしょう。

私は、そこに尊敬が残っているからだと思っています。

ただ有名だからではない。

ただ歴史に名前が出てくるからでもない。

その人たちが、

誰かのために生きた

と感じられているから。

自分たちの土地を守る。

民を守る。

最後まで仲間を置いていかない。

そういう生き方をした人だから、今も人が手を合わせる。

昔の人は、尊敬する人を神様のように祀ることがありました。

神様というのは、空を飛ぶ超人ではない。

土地を守った人。

水を引いた人。

人を助けた人。

技術を残した人。

みんなのために生きた人。

そういう人が、後の世代から特別な存在として大切にされた。

アテルイとモレも、私はその延長にいると思っています。

花を置く。

酒を供える。

それは宗教というより、

「ありがとう」

なのかもしれない。

「あなたたちがいたことを知っています」

「忘れていません」

そんな気持ちを置いて帰る。

墓の前には、説明板より正直なものが残ることがあります。

誰かが今も来ている。

それだけで分かることがある。

本当に忘れられた人の墓には、何も増えない。

でもアテルイとモレの場所には、今も人の手が入る。

私は、それが一番の答えだと思っています。

人は、尊敬する人を忘れない。

そして忘れたくない人には、今でも花を置く。

それが何百年たっても続いている。

私は、そのこと自体が、とても静かで強い歴史だと思っています。

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