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「兵士」は、いつまで兵士だったのか

2014.08.29

古代の兵士を、現在の職業軍人のように考えると違うことがあります。

普段は農業をしている。

家族がいる。

収穫がある。

それが動員されれば武器を持つ。

戦争が終われば、また畑へ戻る。

そういう人たちが多かったでしょう。

すると遠征が長引くことは、本人だけでなく村全体に影響します。

働き手が戻らない。

田植えができない。

収穫が減る。

残った家族に負担がかかる。

もし戦死すれば、その家の生活そのものが変わります。

だから王や貴族が「軍を出す」と決める一行の裏には、何千という家族があります。

兵士一万人。

数字なら簡単です。

でも本当は、一万人の生活者です。

一万人の家族がいる。

一万人分の畑や仕事がある。

そこまで想像すると、戦争の見え方はずいぶん変わります。

支配者同士の争いでも、実際に血を流すのは、多くの場合その下で暮らしている普通の人です。

そして勝った側の兵士も、勝利の宴だけで終わったわけではありません。

家へ帰る。

また畑を耕す。

死んだ仲間の家族を見る。

自分が殺した人間の顔を覚えている者もいたかもしれません。

戦争が終わっても、人間の中では簡単には終わらない。

そこまで書いて初めて、戦争は人間の歴史になる気がします。

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