「鬼」「賊」「蝦夷」。敵の名前を決めたのは誰だったのか
2014.05.04
人を支配するとき、武器だけが使われるわけではありません。
言葉も使われます。
鬼。
賊。
蝦夷。
反乱。
征討。
帰順。
これらは中立な言葉ではありません。
誰かの立場から見た呼び方です。
自分の土地を守って戦った人でも、国家側の記録では「賊」になります。
まだ国家の直接支配下に入っていない地域の人でも、朝廷に従わなければ「反乱」と
記されることがあります。
ここに大きな問題があります。
「反乱」という言葉を使った瞬間、
もともとその土地は中央の支配地だった。
その支配に逆らった。
という前提が、知らないうちに入ってしまいます。
でも実際には、中央の支配がまだ十分に及んでいない地域へ軍や制度が伸びていった
局面もあります。
その地域の側から見れば、話は逆です。
自分たちの土地へ外から軍が来た。
新しい支配を受け入れるよう求められた。
抵抗した。
それを「反乱」と呼ぶか「防衛」と呼ぶかで、同じ出来事の景色はまったく違います。
だから、言葉をそのまま受け取らない。
まず、
誰が書いた言葉なのか。
誰を敵としているのか。
その人たちは自分たちを何と呼んでいたのか。
そこを見る。
勝者は、相手を倒すだけでなく、その相手を何と呼ぶかまで決めることがあります。
そこに、歴史を読む時の大きな注意点があると思います。
新着記事
人気記事
カテゴリー
アーカイブ