「平定」という二文字の向こう側
2014.06.24
歴史の文章で「○○地方を平定した」と書かれていると、静かな印象があります。
乱れていた場所を治めた。
平和になった。
そんな感じです。
でも「平定」の前には何があったのでしょう。
軍が動いた。
人が死んだ。
家が焼かれたかもしれない。
土地を離れた人もいた。
降伏した人もいる。
処刑された人もいる。
それでも最後の文章は、「平定した」。
言葉は不思議です。
同じ出来事でも、名前を変えるだけで印象が変わります。
「侵入」と「進出」。
「抵抗」と「反乱」。
「降伏」と「帰順」。
「征服」と「統一」。
どちらを選ぶかで、読む人の頭に浮かぶ景色は違います。
だから私は、古い記録に出てくる言葉をそのまま使う前に、一度、人間の言葉へ戻してみたいと思います。
誰かが自分の土地へ入ってきた。
抵抗した。
負けた。
新しい支配を受け入れることになった。
こう書けば、「平定」という言葉の下に隠れていた出来事が少し見えます。
歴史の言葉は便利です。
でも便利すぎる言葉ほど、人間を消してしまうことがあります。
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