ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第71回】ChatGPTで顧客情報を整理する方法|相談履歴・見積もり・取引情報・対応記録を安全に管理しよう
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って商談記録を営業活動につなげる方法を学びました。
お客様との打ち合わせ内容を整理し、案件の進捗、回答待ちの事項、フォローアップ、受注後の引き継ぎなどを確認しました。
今回は、もう少し長い期間でお客様との関係を考えてみましょう。
「以前、どんな相談をいただいたのだろう?」
「このお客様には、過去にどんな見積もりを提出したの?」
「担当者が変わっても、以前の対応を確認できるようにしたい」
「複数の案件があると、情報が混ざってしまう」
「顧客情報をChatGPTへ入力しても大丈夫なの?」
そんな疑問に答えていきます。
今回のテーマは「顧客情報の整理と管理」です。
ChatGPTは、相談記録を分類し、案件ごとの履歴を整理し、必要な情報を見つける手助けができます。
ただし、お客様の情報には個人情報や秘密情報が含まれる場合があります。
今回は、必要な情報を正確に整理することと、大切な情報を安全に扱うことの両方を学びましょう。
1.顧客管理とは何でしょうか?
顧客管理とは、お客様との取引や相談に関する情報を整理し、必要なときに確認できるようにすることです。
例えば、次のような情報があります。
- 会社名や取引先情報
- 問い合わせの履歴
- 商談で確認した内容
- 見積もりの提出状況
- 注文や納品に関する記録
- 未解決の問題
- 次に必要な対応
ただし、すべてのお客様について、これらの情報を必ず集める必要はありません。
実際の業務で必要な情報を、適切な範囲で管理することが大切です。
顧客管理の目的は、情報をたくさん集めることではありません。
お客様との仕事を正確に進め、必要なときに過去の経緯を確認できるようにすることです。
2.顧客管理と案件管理の違い
前回は「案件管理」を学びました。
案件管理では、見積もりや受注など、一つひとつの仕事の状態を確認します。
一方、顧客管理では、お客様との関係や、複数の案件にまたがる情報を整理します。
例えば、A社から次の3つの相談があったとします。
案件①
樹脂ブラケットの試作。
案件②
試作部品の数量変更。
案件③
別の装置に使用する部品の製作相談。
この3つが同じ会社からの相談でも、すべて同じ案件とは限りません。
そこで、お客様の情報と、案件ごとの情報を分けて管理します。
| 管理するもの | 主な内容 |
|---|---|
| 顧客情報 | 会社名・連絡先・取引に必要な基本情報 |
| 案件情報 | 製作対象・仕様・数量・見積もり・納期 |
| 対応履歴 | いつ・何について・どのような連絡をしたか |
この3つを区別すると、情報の混同を減らしやすくなります。
3.顧客情報には何を記録する?
顧客管理では、必要な項目を決めておきます。
例えば、法人のお客様を想定した基本項目です。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 顧客ID | 管理のための識別番号 |
| 会社名 | 正式な会社名 |
| 担当部署 | 業務上必要な場合に記録 |
| 連絡先 | 許可された連絡方法 |
| 主な相談分野 | どのような仕事に関係するか |
| 案件番号 | 関連する案件の識別番号 |
| 最終対応日 | 最後に対応した日付 |
| 次の対応 | 確認・連絡などの必要事項 |
ただし、実際の運用では、個人情報の取り扱いや社内の管理規程を確認する必要があります。
また、担当者の趣味や私生活など、業務に必要のない個人情報をむやみに収集するべきではありません。
ChatGPTには、
「法人のお客様を管理するための基本項目を整理してください。仕事に必要な情報を中心にし、不必要な個人情報を集めない構成にしてください」
と依頼できます。
4.顧客IDと案件IDを分ける理由
例えば、A社から毎年複数の加工相談があるとします。
その都度、会社名だけで管理していると、どの見積書がどの案件に対応しているのか分かりにくくなる場合があります。
そこで、管理番号を使う方法があります。
例えば、
顧客ID:C001
案件ID:P001
案件ID:P002
案件ID:P003
という形式です。
C001というお客様に、P001からP003までの3案件があると整理できます。
ただし、実際の会社で使用する番号の付け方は、既存の管理方法に合わせる必要があります。
ChatGPTには、
「顧客情報と複数の案件を混同しないようにするため、顧客IDと案件IDを使った管理方法を初心者向けに説明してください」
と依頼できます。
5.実践!架空の顧客管理表を作ろう
今回は、架空の会社3社から相談が届いているとします。
| 顧客ID | 会社名 | 相談内容 |
|---|---|---|
| C001 | A社 | 樹脂部品の試作 |
| C002 | B社 | 加工方法の相談 |
| C003 | C社 | 部品の見積もり |
これだけでも簡単な一覧になります。
ただし、お客様から複数の相談が届く場合には、案件を別の表で管理すると分かりやすくなります。
例えば、次のような案件表です。
| 案件ID | 顧客ID | 案件内容 | 現在の状態 |
|---|---|---|---|
| P001 | C001 | 樹脂ブラケット試作 | 条件確認中 |
| P002 | C001 | 別部品の試作相談 | 新規相談 |
| P003 | C002 | 加工方法の検討 | 技術確認中 |
| P004 | C003 | 部品見積もり | 見積作成中 |
これなら、A社に2つの案件があることが分かります。
ChatGPTには、
「顧客一覧と案件一覧を別の表で管理したいです。顧客IDで関連付け、同じ会社から複数の案件がある場合も整理できる構成を考えてください」
と依頼できます。
6.相談履歴を時系列で残そう
顧客管理では、これまでの対応履歴が重要です。
例えば、A社の樹脂ブラケット試作について、次のようなやり取りがあったとします。
5月10日
初回問い合わせを受けた。
5月12日
図面と仕様について確認した。
5月14日
材料と使用条件について追加確認を依頼した。
5月18日
お客様から使用条件について回答があった。
これらは練習用の架空の履歴です。
ChatGPTには、
「この対応履歴を時系列に整理してください。各日付で確認できたこと、相手からの回答、残っている確認事項を分けてください」
と依頼できます。
ただし、実際のメールや打ち合わせ記録がなければ、正確な履歴を作成できません。
日付や連絡内容を推測で補わないようにしましょう。
7.対応履歴の記録方法を統一する
対応履歴を残すとき、担当者ごとに書き方が違うと、後から読みにくくなる場合があります。
例えば、
「A社から電話あり」
という記録だけでは、何について話したのか分かりません。
そこで、次のような項目を用意します。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 対応日時 | いつ対応したか |
| 顧客ID | どのお客様か |
| 案件ID | どの仕事に関係するか |
| 連絡方法 | メール・電話・面談など |
| 主な内容 | 何について話したか |
| 確認事項 | 何が分かったか |
| 未解決事項 | 何が残っているか |
| 次の行動 | 誰が何をするか |
ChatGPTには、
「複数の担当者が同じ形式で対応履歴を記録できるように、簡潔な入力項目を作成してください」
と依頼できます。
ただし、記録項目が多すぎると、更新そのものが負担になる場合があります。
業務に必要な情報を中心に整理しましょう。
8.過去の見積もりと現在の見積もりを混同しない
顧客管理で注意したいのが、過去の見積条件です。
例えば、A社へ昨年、樹脂部品の見積書を提出したとします。
今回、同じような部品の相談が届きました。
そこで、以前の価格をそのまま使ってもよいのでしょうか。
必ずしもそうではありません。
材料価格、加工条件、数量、納期、図面の版数などが変わっている可能性があります。
そこで、
「過去の見積条件と今回の依頼条件を比較してください。数量、材質、図面番号、納期、価格の前提条件について、違いを整理してください」
とChatGPTへ依頼できます。
過去の見積もりは参考資料にはなりますが、今回の正式な見積価格とは別です。
9.ChatGPTで顧客ごとの履歴を要約する
対応履歴が増えてくると、必要な情報を探すのが大変になる場合があります。
例えば、あるお客様について、複数の案件と何十件ものメールがあるとします。
そんなとき、ChatGPTに履歴を整理してもらう方法があります。
例えば、
「この顧客の対応履歴を要約してください。現在進行中の案件、正式に決まった条件、過去の主な相談、未解決の問題を分けてください」
と依頼します。
ただし、AIがすべての履歴を確認できていなければ、重要な情報が抜け落ちる可能性があります。
また、メールの内容に書かれているお客様の希望と、正式な発注条件は異なる場合があります。
要約は元の記録を探しやすくするためのものであり、正式な記録そのものの代わりとは限りません。
10.顧客情報をExcelで管理する方法
顧客情報の整理には、Excelを利用する方法もあります。
例えば、次の3つのシートを用意します。
シート① 顧客一覧
顧客ID、会社名、必要な連絡先など。
シート② 案件一覧
案件ID、顧客ID、案件内容、現在の状態など。
シート③ 対応履歴
対応日、顧客ID、案件ID、連絡内容、次の行動など。
ChatGPTには、
「Excelで顧客管理を始めたいです。顧客一覧、案件一覧、対応履歴の3シートを作成するための項目を設計してください。顧客IDと案件IDで情報を関連付けてください」
と依頼できます。
この方法なら、必要な情報を段階的に整理できます。
ただし、Excelは複数人による同時更新やアクセス権限の管理など、運用方法によって注意が必要な場合があります。
管理する情報の量や利用人数に応じて、適切な方法を選びましょう。
11.CRMという仕組みもある
顧客管理について調べると、「CRM」という言葉が登場します。
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、顧客との関係や情報を管理する考え方、またはそのためのシステムを指します。
CRMシステムでは、例えば次のような情報を管理できる場合があります。
- 顧客情報
- 商談や案件
- 問い合わせ履歴
- 営業活動の記録
- 次の対応予定
ただし、実際の機能はサービスによって異なります。
また、CRMシステムを導入すれば、必ず顧客管理が改善するとは限りません。
入力や更新のルールが曖昧であれば、古い情報や重複した記録が増える可能性があります。
ChatGPTには、
「顧客管理をExcelで行う方法と、CRMシステムを利用する方法の違いを説明してください。利用人数、情報量、管理負担、セキュリティの観点から比較してください」
と依頼できます。
12.ChatGPTへ顧客情報を入力しても大丈夫?
ここは、今回の授業で特に重要な内容です。
顧客情報には、社外へ公開してはいけない情報が含まれる場合があります。
例えば、次のようなものです。
個人情報
担当者の氏名、電話番号、メールアドレスなど。
取引情報
個別の価格、契約内容、取引条件など。
技術情報
未公開の図面、製品仕様、開発情報など。
営業情報
商談内容、案件の進捗、取引先との交渉内容など。
こうした情報をChatGPTへ入力する際には、会社の情報管理ルールや取引先との契約を確認する必要があります。
また、利用するChatGPTのプランや設定によって、データの取り扱いが異なる場合があります。
仕事で扱う情報だからといって、すべてAIへ送ってよいわけではありません。
13.顧客情報を匿名化して練習しよう
初心者の方がChatGPTで顧客管理を練習する場合は、架空の情報を使う方法があります。
例えば、実際の会社名や担当者名の代わりに、
「A社」
「B社」
「C社」
という名前を使います。
また、案件番号も練習用のものにします。
ただし、会社名だけを置き換えても、具体的な製品名や開発内容、日付などの組み合わせから、相手が推測できる場合があります。
そのため、単純な名前の置き換えだけで、完全に匿名化できるとは限りません。
練習では、最初から架空のデータを用意する方法が安全です。
ChatGPTには、
「顧客管理の練習をしたいです。実在する会社や個人の情報を使わず、架空の顧客3社と案件5件、対応履歴10件のサンプルデータを作成してください」
と依頼できます。
14.ChatGPTのメモリを顧客台帳の代わりにしてよい?
ChatGPTには、会話に関連する情報を今後の回答へ活用するメモリ機能などがあります。
しかし、メモリを正式な顧客管理台帳の代わりにすることは適切とは限りません。
例えば、
「A社の見積価格は50,000円」
という情報を以前の会話で伝えていたとします。
その後、条件変更によって価格が60,000円になった場合です。
AIが古い金額を参照してしまう可能性があります。
そのため、正式な見積価格や契約条件などは、会社で管理している元の記録を確認する必要があります。
ChatGPTには、
「この顧客について、過去の会話から分かる情報を整理してください。ただし、現在の正式な条件は顧客管理台帳や最新の資料で確認する前提としてください」
と依頼できます。
AIの記憶だけで、正式な取引条件を確定しないようにしましょう。
15.情報が古くなった場合はどうする?
顧客情報は、時間とともに変わる場合があります。
例えば、
「担当部署が変更された」
「連絡先が変更された」
「案件の状態が変わった」
「取引条件が変更された」
などです。
そのため、更新日や確認日を記録する方法があります。
例えば、次のような管理項目です。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 登録日 | 最初に情報を登録した日 |
| 最終更新日 | 情報を最後に変更した日 |
| 確認日 | 内容を正式に確認した日 |
| 更新担当 | 変更した担当者 |
| 変更内容 | 何を変更したか |
ただし、「更新日が新しい」ことと「情報が正しい」ことは同じではありません。
確認した根拠が重要です。
ChatGPTには、
「顧客情報を更新する際に、旧情報、新情報、変更理由、確認した資料を記録する方法を考えてください」
と依頼できます。
16.重複した顧客情報をどう整理する?
顧客管理を続けていると、同じ会社が複数の名前で登録される場合があります。
例えば、
「株式会社サンプル」
「(株)サンプル」
「サンプル株式会社」
などです。
ただし、最後の例は、実際には別の会社である可能性もあります。
そのため、名前が似ているからといって、勝手に統合してはいけません。
ChatGPTには、
「この顧客一覧から、重複している可能性がある候補を抽出してください。会社名が似ているだけで同一企業と断定せず、正式名称や所在地など確認が必要な情報を整理してください」
と依頼できます。
正式な情報を確認してから統合しましょう。
また、顧客情報を統合する場合は、関連する案件や対応履歴が失われないよう注意が必要です。
17.必要な人だけが情報を見られるようにする
顧客管理では、情報を誰が閲覧・編集できるかも重要です。
例えば、取引先の連絡先を確認する人と、価格条件を変更できる人では、必要な権限が異なる場合があります。
そこで、次のようなことを考えます。
① 閲覧できる人
業務上、情報を確認する必要がある人。
② 編集できる人
正式に情報を更新する権限を持つ人。
③ 重要な変更の承認
価格や契約条件などの変更を誰が確認するか。
④ 退職・異動時の権限管理
不要になったアクセス権限を見直す。
⑤ 保存・削除のルール
必要な期間、安全に情報を管理する。
ChatGPTには、
「顧客情報を安全に管理するため、閲覧権限、編集権限、更新履歴、バックアップ、不要情報の削除について、確認すべき項目を整理してください」
と依頼できます。
ただし、正式な権限設定や情報管理は、会社の方針と利用するシステムに基づいて行う必要があります。
18.今日のミニレッスン
今回は、架空の顧客情報を使って、顧客管理の仕組みを作る練習です。
ステップ① 顧客情報を整理する
ChatGPTへ次のように入力してください。
「架空の製造会社で、顧客3社から複数の相談を受けています。顧客情報、案件情報、対応履歴を分けて管理したいです。必要な項目を整理してください」
ステップ② 架空のデータを作る
「実在する会社や個人の情報を使わず、顧客3社、案件5件、対応履歴10件の練習用データを作成してください」
と依頼します。
ステップ③ 顧客と案件を関連付ける
「顧客IDと案件IDを設定し、一つのお客様に複数の案件がある場合でも情報が混ざらない管理表を作成してください」
と質問します。
ステップ④ 対応履歴を整理する
「対応履歴を日付順に並べ、各案件について確認済みの内容、未確認事項、次の対応を整理してください」
と依頼します。
ステップ⑤ 顧客ごとに要約する
「A社に関する案件と対応履歴だけを抽出してください。現在の状態と次に必要な行動を整理してください」
と質問します。
ステップ⑥ 重複を確認する
「顧客一覧に重複した会社が含まれている可能性がないか調べてください。同一企業であることを確認できない場合は、勝手に統合しないでください」
と依頼します。
ステップ⑦ Excel管理表を設計する
「顧客一覧、案件一覧、対応履歴の3シートで構成するExcel管理表を設計してください。顧客IDと案件IDで関連付けてください」
と質問します。
ステップ⑧ 情報管理の確認をする
「顧客管理表を仕事で利用する前に、個人情報、取引先の秘密情報、閲覧権限、更新履歴、バックアップについて確認するチェックリストを作成してください」
と依頼します。
これで、顧客情報の整理から、案件との関連付け、対応履歴、更新、安全管理まで一通り体験できます。
ソラ先生からひとこと
顧客管理というと、会社名や担当者名を一覧にした表を思い浮かべるかもしれません。
しかし、私は、それだけでは十分ではないと考えています。
お客様は、これまで何を相談されてきたのか。
どのような条件で仕事が進んだのか。
何が正式に決まったのか。
どのような問題があったのか。
そして、今は何を確認する必要があるのか。
こうした情報を整理できれば、担当者が変わった場合でも、過去の経緯を確認しながら仕事を進めやすくなります。
ChatGPTは、相談履歴や案件情報の整理、要約、重複候補の抽出、管理表の作成を手伝えます。
しかし、正式な取引条件や顧客情報を、AIの記憶だけで管理することはできません。
また、お客様から預かった情報には、大切な秘密情報が含まれる場合があります。
だからこそ、必要な情報を正確に記録し、適切な人だけが確認できるように管理することが重要です。
顧客管理の目的は、お客様の情報をたくさん集めることではありません。これまでの経緯を理解し、必要なときに正しい情報を確認しながら、誠実な仕事を続けられるようにすることです。
次回【第72回】は「ChatGPTで顧客からの問い合わせ傾向を分析する方法|相談内容を分類し、サービス改善や新しい仕事の発見につなげよう」です。
次は、顧客情報を一件ずつ確認するだけでなく、複数の問い合わせから共通する課題や新しいニーズを見つける方法を学びましょう。