ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第64回】ChatGPTでお客様への返信メールを改善する方法|問い合わせ内容の整理・正確な回答・誠実な対応を実践しよう
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って問い合わせフォームを改善する方法を学びました。
お客様が迷わず相談できるように、入力項目や案内文、自動返信メール、送信テストなどを考えました。
今回は、問い合わせが届いた後の対応について学びましょう。
例えば、こんな経験はありませんか?
「お客様の質問に、どこまで答えればいいのか分からない」
「急いで返信したいけれど、まだ確認できていないことがある」
「丁寧な文章を書こうとすると、長くなりすぎる」
「見積もりの相談に、どんな順番で返事をすればいいの?」
「ChatGPTが作った返信文を、そのまま送っても大丈夫?」
問い合わせへの返信は、単に文章を作る仕事ではありません。
お客様が何を知りたいのかを理解し、必要な情報を確認し、誤解のない形で伝えることが重要です。
今回は、ChatGPTを返信文を代わりに考える道具だけでなく、お客様の相談内容を理解するための補助役として活用する方法を学びましょう。
1.お客様への返信で最初に行うこと
問い合わせメールが届くと、すぐに返信文を書き始めたくなるかもしれません。
しかし、まずはメールの内容を整理しましょう。
例えば、次のような問い合わせが届いたとします。
樹脂部品の試作について相談したいと考えています。数量は5個程度です。図面はありますが、材料はまだ決まっていません。製作が可能か、見積もりもお願いできるか教えてください。
このメールには、複数の情報が含まれています。
お客様が伝えていること
- 樹脂部品の試作を希望している
- 数量は5個程度
- 図面はある
- 材料は未定
お客様が知りたいこと
- 製作を相談できるか
- 見積もりを依頼できるか
ここで注意したいのは、「相談が届いたこと」と「製作できること」は別だという点です。
問い合わせを読んだだけで、実際の製作可否を判断できるとは限りません。
ChatGPTには、
「この問い合わせメールから、お客様が伝えている事実、質問していること、回答前に確認が必要なことを分けて整理してください」
と依頼できます。
2.質問を一つも見落とさないようにする
お客様からのメールには、複数の質問が含まれている場合があります。
例えば、
「製作できますか?」
「いくらくらいですか?」
「いつ納品できますか?」
という3つの質問です。
このうち価格についてだけ返信すると、お客様は製作可否や納期について、もう一度問い合わせなければなりません。
そこで、返信前に質問を一覧にします。
| お客様の質問 | 回答に必要な確認 |
|---|---|
| 製作可能か | 図面・仕様・対応範囲 |
| 価格はいくらか | 見積もりに必要な条件 |
| 納期はいつか | 製作条件・対応可能日 |
ChatGPTには、
「この問い合わせに含まれる質問をすべて抽出してください。回答済み、確認が必要、回答できない内容に分類してください」
と依頼しましょう。
ただし、AIが質問を見落とす可能性もあります。
元の問い合わせメールと照合し、必要な回答がそろっているか確認してください。
3.回答できることと、確認が必要なことを分ける
お客様への返信では、すべての内容を一度に確定できるとは限りません。
例えば、樹脂加工の相談であれば、材質、寸法、公差、数量などによって、製作方法が変わる可能性があります。
ここで、ChatGPTが、
「問題なく製作できます」
と書いてしまったらどうでしょうか。
実際の図面や条件を確認していない場合、その表現は適切ではありません。
そこで、次のように指示します。
「図面と材料の条件をまだ確認していません。製作可能と断定せず、確認に必要な情報をお客様へ丁寧にお願いする返信文を作成してください」
大切なのは、早く答えるために、確認できていないことを確定事項にしないことです。
4.返信メールの基本構成を覚えよう
問い合わせへの返信には、基本となる構成があります。
例えば、次のような順番です。
① 件名
何についての返信なのか分かるようにします。
② 宛名
相手の会社名や担当者名を記載します。
③ お礼
問い合わせをいただいたことへの感謝を伝えます。
④ 本題
質問への回答や現在の確認状況を説明します。
⑤ 必要な確認事項
追加で教えてほしい情報があれば伝えます。
⑥ 今後の対応
次にどのような確認や連絡を行うか説明します。
⑦ 署名
会社名や連絡先などを記載します。
ただし、すべてのメールを長い定型文にする必要はありません。
簡単な質問なら、短く分かりやすい返信で十分な場合もあります。
5.実践!見積もり相談への返信文を作ろう
先ほどの架空の問い合わせを使って、返信文を考えてみましょう。
お客様からは、次の情報が届いています。
「樹脂部品の試作を希望」
「数量は5個程度」
「図面はある」
「材料は未定」
この状況で、会社側はまだ図面を確認していないとします。
ChatGPTには、次のように依頼します。
「樹脂部品の試作について問い合わせがありました。数量は5個程度で、図面はありますが材料は未定です。まだ製作可否を判断できないため、図面の確認をお願いする返信メールを作成してください。製作可能・価格・納期を断定しないでください」
例えば、次のような返信案が考えられます。
件名:樹脂部品の試作に関するお問い合わせについて
〇〇様
お問い合わせいただき、ありがとうございます。
樹脂部品の試作について、ご相談内容を拝見いたしました。
製作方法やお見積もりを検討するため、まずは図面を確認させていただければと存じます。
材料については未定とのことですので、使用目的や必要な条件なども、分かる範囲でお知らせいただけますと幸いです。
図面や条件を確認したうえで、対応についてご案内いたします。
何卒よろしくお願いいたします。
この返信では、製作可否や価格を確約していません。
また、まだ決まっていない材料についても、相談できる余地を残しています。
ただし、実際にこの内容で受付できるかどうかは、会社の業務方針と照合する必要があります。
6.丁寧な文章と、分かりやすい文章は同じ?
ChatGPTに、
「丁寧な返信メールを作成してください」
と依頼すると、非常に長い敬語表現を使った文章が返ってくる場合があります。
しかし、丁寧な文章が必ず分かりやすいとは限りません。
例えば、
「ご多忙の折、誠に恐縮ではございますが、何卒ご高配を賜りますようお願い申し上げます」
という文章です。
場面によっては適切ですが、簡単な資料確認のお願いには、少し重く感じられるかもしれません。
一方、
「お手数ですが、図面をお送りいただけますでしょうか」
という表現なら、お願いしたい内容が明確です。
ChatGPTには、
「ビジネスメールとして失礼のない丁寧さを保ちながら、回りくどい表現を減らしてください。何をお願いしているのか分かる文章にしてください」
と依頼できます。
丁寧さとは、難しい敬語をたくさん使うことではなく、相手が理解しやすい形で誠実に伝えることでもあります。
7.専門用語を使う場合の注意点
お客様によって、専門知識の程度は異なります。
例えば、
「材質」
「公差」
「加工方法」
「3D CADデータ」
といった言葉です。
技術者であれば、これらの言葉を理解している場合が多いでしょう。
しかし、初めて加工を依頼する人には分かりにくいかもしれません。
そこで、相手に応じて説明を調整します。
例えば、
「公差を教えてください」
という依頼を、
「寸法について、どの程度の誤差まで許容できるか、指定があればお知らせください」
と説明することが考えられます。
ただし、技術的な意味が変わらないように注意が必要です。
ChatGPTには、
「この返信文の専門用語を、初めて加工を依頼する方にも分かる表現にしてください。ただし、技術的な条件の意味は変更しないでください」
と依頼できます。
8.確認事項が多いときはどうする?
問い合わせによっては、確認することが多くなる場合があります。
例えば、試作部品の相談で、
- 材質
- 数量
- 図面
- 希望納期
- 使用目的
- 必要な精度
などが必要になる場合です。
これらを長い文章でまとめて質問すると、お客様が回答しにくくなるかもしれません。
そこで、必要に応じて項目を分けて伝える方法があります。
例えば、
「確認したい内容は、次の3点です」
と説明し、必要な情報を整理します。
ただし、最初の返信でどこまで確認するかは、実際の仕事の進め方によって異なります。
ChatGPTには、
「この問い合わせで確認が必要な情報を整理してください。初回返信で必要な項目と、後から確認できる項目を分けて考えてください」
と依頼しましょう。
9.お客様の質問に答えられない場合
例えば、お客様から、
「来週の金曜日までに納品できますか?」
という質問が届いたとします。
しかし、まだ製作条件や設備の予定を確認していない場合、納品できるとは答えられません。
このとき、
「恐らく大丈夫です」
と返信すると、誤解を招く可能性があります。
一方、
「分かりません」
だけでは、次にどうすればよいか伝わらない場合があります。
そこで、
「ご希望納期について承りました。製作条件などを確認したうえで、対応可否をご案内いたします」
という表現が考えられます。
ただし、実際に確認を行う予定がある場合に限ります。
ChatGPTには、
「納期についてまだ回答できない状態です。対応可能と断定せず、現在の確認状況と、次に必要なことを丁寧に伝える文章を作成してください」
と依頼できます。
10.断る必要がある場合の返信
すべての問い合わせに対応できるとは限りません。
例えば、会社の設備や技術、受付条件などによって、対応が難しい場合もあります。
そのようなときは、無理に引き受けるのではなく、状況を正確に伝えることが重要です。
ただし、対応できない理由が確認できていない場合に、AIが勝手に理由を作ってはいけません。
ChatGPTには、
「今回の依頼は対応できないことが社内で確認されています。お客様へのお礼を伝え、対応できない旨を丁寧に説明する返信文を作成してください。確認していない理由は追加しないでください」
と依頼します。
また、別の方法を案内できる場合でも、その方法が実際に利用可能か確認する必要があります。
お客様への誠実な対応は、必ず仕事を引き受けることだけではありません。
11.クレームや苦情への返信はどうする?
問い合わせの中には、商品や対応への不満が含まれる場合があります。
例えば、
「納品された部品が、注文した仕様と違っています」
という連絡です。
このような場合、すぐに原因や責任を断定してはいけません。
まず、次の内容を整理します。
① お客様が指摘している事実
どのような問題が発生したと伝えているか。
② 社内で確認できた内容
受注記録や図面、検査記録など。
③ まだ確認できていないこと
不一致の原因や影響範囲など。
④ 次に必要な対応
資料確認、現物確認、担当者との連絡など。
ChatGPTには、
「お客様から仕様の違いについて連絡がありました。事実関係がまだ確認できていません。問題の連絡を受けたことを伝え、確認に必要な情報を整理する返信案を作成してください。原因や責任を推測しないでください」
と依頼できます。
ただし、品質問題や安全に関係する内容では、会社の正式な対応手順を優先する必要があります。
12.ChatGPTが勝手に約束していないか確認する
AIが作った返信文には、注意が必要な表現が含まれる場合があります。
例えば、
「明日中に回答いたします」
「必ずご希望の納期に対応いたします」
「追加費用は一切かかりません」
「問題なく製作できます」
といった表現です。
これらは、実際に確認できていなければ、安易に記載するべきではありません。
そこで、送信前にChatGPTへ次のように質問します。
「この返信文の中に、価格、納期、品質、対応範囲、回答期限などについて、確認していない約束や保証が含まれていないか確認してください」
AIが問題を指摘しなかった場合でも、人間による最終確認が必要です。
特に、金額や納期、契約条件に関係する文章は、正式な情報と照合しましょう。
13.返信内容を整理するチェック表
問い合わせが複雑な場合は、返信文を書く前に整理表を作ると便利です。
例えば、次のような形式です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問い合わせの目的 | 何を相談したいのか |
| お客様が伝えた情報 | 数量・材質・図面など |
| お客様の質問 | 何を知りたいのか |
| 回答できること | 確認済みの内容 |
| 確認が必要なこと | 仕様・価格・納期など |
| お客様へお願いすること | 追加資料や条件の確認 |
| 今後の対応 | 社内確認・返信など |
ChatGPTには、
「この問い合わせメールを、目的、確認できた事実、お客様の質問、回答できること、追加確認が必要なことに分けて整理してください」
と依頼できます。
この表を確認してから返信文を作成すると、質問の見落としを防ぎやすくなります。
14.返信メールを短くまとめる方法
ChatGPTが作成したメールは、必要以上に長くなることがあります。
例えば、簡単な資料送付のお願いなのに、背景説明や謝辞が何段落も続く場合です。
そんなときは、
「お礼、お願いしたい内容、今後の対応を残しながら、文章を簡潔にしてください。必要な条件や注意事項は削除しないでください」
と依頼できます。
ただし、短くすることで重要な条件が抜け落ちる可能性もあります。
例えば、見積もりの条件や、資料提出時の注意点などです。
そのため、短縮した文章も元の内容と比較しましょう。
読みやすさを改善するときは、必要な情報を減らしすぎないことが大切です。
15.返信前に情報管理を確認する
お客様から届いたメールには、個人情報や秘密情報が含まれる場合があります。
例えば、次のような情報です。
- 氏名・電話番号・メールアドレス
- 取引先の会社情報
- 非公開の図面や仕様書
- 製品開発に関する情報
- 見積もり金額や契約条件
こうした情報をChatGPTへ入力する場合は、会社の情報管理ルールや契約上の条件を確認する必要があります。
練習では、会社名や個人名を架空のものに置き換えましょう。
また、実際の返信メールを作る場合には、宛先を間違えないことも重要です。
ChatGPTが文章を作成できても、正しい相手へ送信されるとは限りません。
16.返信メールの送信前チェックリスト
お客様へ返信する前に、次の項目を確認しましょう。
内容の確認
- お客様の質問を見落としていない
- 回答は確認済みの情報に基づいている
- 推測を事実として説明していない
- 必要な追加確認事項が明確になっている
条件の確認
- 価格や納期を勝手に約束していない
- 対応できないことを保証していない
- 数量・材質・型番などに間違いがない
- 契約条件に関係する表現を確認した
文章の確認
- 件名が分かりやすい
- 相手の名前や会社名が正しい
- 丁寧で読みやすい
- 必要以上に長くなっていない
送信の確認
- 宛先に間違いがない
- 添付ファイルが正しい
- 送ってはいけない情報が含まれていない
- 送信方法や承認手順が守られている
ChatGPTにチェックリストを作ってもらうこともできますが、実際のメールと資料を確認することが必要です。
17.今日のミニレッスン
今回は、架空のお客様からの問い合わせを使って、返信文を作成します。
ステップ① 問い合わせを整理する
ChatGPTへ、次の内容を入力してください。
「樹脂部品の試作を希望しています。数量は5個程度です。図面はありますが、材料は未定です。製作できるか、見積もりをお願いできるか教えてください」
続けて、
「この問い合わせについて、確認できた事実、お客様の質問、回答前に確認が必要なことを分けてください」
と依頼します。
ステップ② 回答を作る前に必要な情報を整理する
「まだ図面を確認していません。製作可否や価格を判断する前に、確認すべき情報を整理してください」
と質問します。
ステップ③ 返信文を作成する
「このお客様へ、問い合わせのお礼と図面の確認をお願いする返信メールを作成してください。製作可能、価格、納期を断定しないでください」
と依頼します。
ステップ④ 文章を分かりやすくする
「専門知識がないお客様にも分かるように、丁寧で簡潔な文章へ調整してください。内容や条件は変更しないでください」
と依頼します。
ステップ⑤ 見落としを確認する
「お客様の最初の質問と返信文を比較してください。回答していない内容や、説明が不足している部分を整理してください」
と質問します。
ステップ⑥ 勝手な約束がないか確認する
「返信文の中に、製作可否、価格、納期、対応期限について、確認していない約束が含まれていないか確認してください」
と依頼します。
ステップ⑦ 送信前のチェックを行う
「この返信メールを送信する前に、宛名、質問への回答、追加確認事項、添付資料、情報管理についてチェックリストを作成してください」
と質問します。
ステップ⑧ 最終案をまとめる
最後に、
「ここまで確認した内容だけを使って、お客様へ送信する返信メールの最終案を作成してください。未確認の条件は補わないでください」
と依頼しましょう。
これで、問い合わせ内容の理解から、返信文の作成、確認、最終案の整理まで一通り体験できます。
ソラ先生からひとこと
お客様への返信メールは、文章がきれいであればよいというものではありません。
大切なのは、お客様が何を知りたいのかを理解し、必要な情報を正確に伝えることです。
例えば、まだ確認できていない製作条件について、急いで答える必要はありません。
確認が必要なら、そのことを伝えればよいのです。
また、お客様からの質問を一つでも見落とせば、もう一度やり取りが必要になるかもしれません。
ChatGPTは、問い合わせ内容の整理や、分かりやすい文章の作成を手伝えます。
しかし、実際の製作可否、価格、納期、契約条件などを、AIが勝手に決めることはできません。
私は、お客様への誠実な対応とは、何でもすぐに答えることではないと考えています。
分かっていることを正しく伝える。
確認が必要なことは、きちんと確認する。
そして、お客様が次に何をすればよいのかを明確にする。
よい返信メールとは、丁寧な言葉が多いメールではありません。お客様の疑問を正しく理解し、誤解なく、次の行動につながる情報を伝えるメールです。
次回【第65回】は「ChatGPTで見積もり依頼を整理する方法|仕様・数量・納期・不明点を確認し、正確な見積もりにつなげよう」です。
次は、問い合わせから一歩進んで、実際の見積もりに必要な情報を整理する方法を学びましょう。