ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第33回】ChatGPTでアイデアを生み出す方法|発想力を広げる・比較する・実現可能性を検討する実践講座
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って仕事の問題を整理し、原因分析から改善策の検討、効果の検証まで進める方法を学びました。
今回は、少し違う角度からChatGPTを活用してみましょう。
テーマは「新しいアイデアを生み出すこと」です。
「新しい企画を考えたいけれど、何も思いつかない」
「いつも似たような発想になってしまう」
「アイデアはあるけれど、本当に実現できるか分からない」
「自分とは違う視点から意見を聞きたい」
そんなとき、ChatGPTを発想の相談相手として利用できます。
ただし、AIが提案したアイデアが、必ず新しいものとは限りません。すでに存在する商品やサービスと似ている場合もあります。
今回は、発想を広げるところから、実際に試す価値があるかを判断するところまで、一緒に学んでいきましょう。
1.アイデアを生み出すには、何から始めればいいの?
新しいアイデアを考えるとき、最初から画期的な発明を目指す必要はありません。
身近な不便や疑問も、立派な出発点になります。
例えば、
「傘を持ち歩くのが面倒」
「机の上が散らかりやすい」
「買い物のメモを忘れてしまう」
といった日常の困りごとです。
まずは、自分が何に困っているのか、どんなことを改善したいのかを考えてみましょう。
ChatGPTには、次のように質問できます。
「日常生活の中で、新しい商品やサービスにつながりそうな困りごとを20個考えてください。できるだけ異なる分野から提案してください」
回答を見ながら、自分が興味を持ったテーマを選んでみましょう。
大切なのは、最初から正解を探そうとしないことです。
2.ブレインストーミングをChatGPTとやってみよう
ブレインストーミングとは、自由にアイデアを出し合う発想方法です。
最初の段階では、すぐに良し悪しを判断せず、さまざまな可能性を考えます。
例えば、「雨の日をもっと快適にする商品」というテーマを設定します。
ChatGPTに、
「雨の日を快適にする商品アイデアを20個考えてください。実現可能性はまだ評価せず、自由な発想を優先してください」
と依頼します。
すると、傘、靴、衣類、バッグ、自転車用品など、さまざまな方向の提案が得られるでしょう。
ただし、20個出してもらえば必ずよい案が見つかるわけではありません。
似たアイデアが並んだ場合には、
「これまでの案と重複しない方向で、別の視点から10個考えてください」
と追加できます。
アイデアを増やす段階では、すぐに一つへ絞らず、可能性を広げてみましょう。
3.発想を広げる「視点の変更」
自分だけで考えていると、どうしても普段の経験や知識に影響されます。
そんなときは、ChatGPTに異なる立場から考えてもらう方法があります。
例えば、折りたたみ傘の改良を考えているとします。
次のように質問してみましょう。
「折りたたみ傘の不便な点を、通勤する会社員、小学生、高齢者、自転車利用者の4つの視点から考えてください」
すると、立場ごとに異なる問題が見えてくるかもしれません。
通勤する人なら、満員電車で濡れた傘を持つ不便さ。
小学生なら、傘の開閉操作や持ち運び。
高齢者なら、握りやすさや重さ。
自転車利用者なら、雨具の収納方法や安全性です。
ただし、AIが想像した利用者の困りごとが、実際の利用者の意見と一致するとは限りません。
アイデアが具体化したら、対象となる人に話を聞くことも大切です。
4.「当たり前」を疑ってみる
新しい発想を生む方法の一つに、普段は疑わない前提を見直すことがあります。
例えば、
「傘は手で持つもの」
「机には引き出しが必要」
「商品は購入して所有するもの」
といった考え方です。
もちろん、これらには理由があります。
しかし、別の方法がないか考えてみることで、新しい発想につながる場合があります。
ChatGPTには、
「折りたたみ傘について、一般的な構造や使い方を整理したうえで、変えられる可能性のある前提を10個挙げてください」
と質問できます。
例えば、収納方法、開閉方法、素材、持ち運び方などを見直すことが考えられます。
ここで重要なのは、奇抜なアイデアを出すことだけを目的にしないことです。
実際に利用する人にとって価値があるかどうかを、後から確認する必要があります。
5.SCAMPER法を使ってアイデアを広げる
発想法の一つに「SCAMPER(スキャンパー)」があります。
これは、既存の商品やサービスに対して、7つの方向から問いかける方法です。
| 発想の方向 | 考えること |
|---|---|
| Substitute | ほかのものに置き換えられないか |
| Combine | 何かと組み合わせられないか |
| Adapt | 別の用途の仕組みを応用できないか |
| Modify | 形・大きさ・性質を変更できないか |
| Put to another use | 別の使い道はないか |
| Eliminate | 不要なものを取り除けないか |
| Reverse / Rearrange | 順番や配置を変えられないか |
例えば、文房具のペンケースについて考えてみましょう。
「別の材料に置き換えられないか?」
「スマートフォンスタンドと組み合わせられないか?」
「もっと小さくできないか?」
「仕切りをなくしたらどうなるか?」
このような問いから、新しいアイデアが見つかることがあります。
ChatGPTには、
「ペンケースについてSCAMPER法を使い、7つの観点それぞれから3つずつアイデアを出してください。重複する案は整理してください」
と依頼できます。
21個のアイデアを出してもらい、その中から興味のあるものを選んでみましょう。
6.アイデアが多すぎるときは、どう絞り込む?
発想を広げた後は、次の段階へ進みます。
たくさんの案を出しても、すべてを実行することはできません。
そこで、評価する基準を決めましょう。
例えば、次の5つです。
① 利用者にとって役立つか
実際に解決したい困りごとがあるか。
② 実現できる可能性があるか
必要な技術や材料を用意できるか。
③ 費用はどの程度かかるか
開発費や製造費などを確認する必要があるか。
④ 既存の商品との違いは何か
すでに同じようなものが販売されていないか。
⑤ 試作や検証ができるか
小さく試して、効果を確認できるか。
ChatGPTには、
「これまでのアイデアを、利用者への価値・実現可能性・費用・既存商品との差別化・検証のしやすさで比較してください。不明な情報は推測として区別してください」
と依頼します。
ただし、AIが付けた評価点には、実際の調査に基づかない主観的な判断が含まれる場合があります。
数字だけで優劣を決めないようにしましょう。
7.「できない理由」から「どうすればできるか」へ
新しいアイデアを考えていると、実現が難しい問題にぶつかることがあります。
例えば、ある商品を試作したいけれど、必要な設備を持っていないとします。
その場合、
「設備がないからできない」
と考えることもできます。
しかし、ほかの方法はないでしょうか。
外部の会社へ加工を依頼する。
別の材料や製造方法を検討する。
簡単な模型から機能を確かめる。
製造方法を変える。
このように、目的と方法を分けて考えることができます。
ChatGPTには、
「このアイデアを実現したいのですが、現在の設備では製作できません。目的を変えずに実現するための選択肢を考えてください。外部への依頼、代替技術、簡易試作なども含めて検討してください」
と質問してみましょう。
AIが提案した方法が実際に可能かどうかは、技術資料や専門家への確認が必要です。
大切なのは、最初に思いついた方法だけにこだわらないことです。
8.AIのアイデアは本当に新しいの?
ここは、特に注意したいところです。
ChatGPTが「新しい商品アイデアです」と提案しても、すでに似た商品が存在する可能性があります。
また、既存の特許や意匠などの権利に関係する場合もあります。
そこで、アイデアを具体化するときには、次のことを調べましょう。
- 似た商品やサービスが販売されていないか
- 同じ問題を解決する別の方法がないか
- 既存の技術を利用できないか
- 特許や意匠などの確認が必要か
- 利用者が本当に必要としているか
ChatGPTに、
「このアイデアに似た既存の商品やサービスを調べるための検索キーワードを考えてください」
と依頼できます。
ただし、AIによる検索だけで、既存技術や権利関係を網羅できるわけではありません。
日本国内の特許や意匠を調べる場合は、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」などの公的な情報源も活用できます。
事業化を進める場合は、必要に応じて専門家へ相談しましょう。
9.アイデアを小さく試す方法
アイデアを考えた後、すぐに大きな費用をかける必要はありません。
まずは、小さく試してみる方法があります。
例えば、収納用品の新しい構造を考えたとします。
最初から金型を製作するのではなく、紙の模型や簡単な試作品で、使いやすさを確かめることもできます。
ChatGPTには、
「このアイデアの実現可能性を確認するために、費用を抑えて試せる方法を考えてください。何を確認する試験なのかも整理してください」
と依頼します。
例えば、
「片手で操作できるか」
「必要なものが収納できるか」
「持ち運びに不便がないか」
といった確認項目です。
ここで大切なのは、試作品を作ること自体ではありません。
何を確かめるために試すのかを明確にすることです。
10.AIと意見が違ったらどうする?
例えば、自分ではよいアイデアだと思っているのに、ChatGPTが否定的な評価をしたとします。
そんなとき、すぐに諦める必要はありません。
反対に、ChatGPTが高く評価したからといって、必ず成功するわけでもありません。
次のように質問してみましょう。
「このアイデアが難しいと考えた理由を説明してください。確認できている事実と推測を分けてください」
さらに、
「その問題を解決する別の方法はありませんか?」
「条件を変更すれば実現できる可能性はありますか?」
と質問できます。
AIの意見を一つの参考情報として受け止め、自分の考えと比較しましょう。
必要なら、実際に試して確かめることもできます。
11.発想を広げるときに気をつけたいこと
ChatGPTを使うと、大量のアイデアを短時間で得られます。
しかし、それが必ずしも役立つとは限りません。
例えば、次のような問題があります。
① 似たアイデアばかりになる
違う表現でも、実質的に同じ内容の場合があります。
② 実現が難しい案が含まれる
技術、材料、費用などの条件を考慮していない場合があります。
③ 利用者の困りごとを想像だけで判断する
実際に利用する人が必要としていない可能性があります。
④ 存在しない技術や商品を説明する
もっともらしい名称でも、実在しない場合があります。
⑤ 評価が一面的になる
費用だけを重視したり、便利さだけを重視したりすることがあります。
こうした問題に気づいたら、質問の仕方を変えたり、外部の情報を調べたりしてみましょう。
AIが出した案を、そのまま答えとして受け取る必要はありません。
12.今日のミニレッスン
今回は、「新しいペンケース」をテーマに、アイデアを生み出すところから試作計画まで進めます。
ステップ① アイデアを広げる
ChatGPTに次のように入力してください。
「新しいペンケースの商品アイデアを20個考えてください。収納方法、持ち運び、使いやすさ、素材など、異なる視点から提案してください」
ステップ② SCAMPER法を使う
続けて、
「SCAMPER法の7つの観点を使って、これまでの案とは異なるアイデアを考えてください」
と依頼します。
ステップ③ 気になる案を選ぶ
出てきた案から、自分が興味を持ったものを一つ選びましょう。
ChatGPTに、
「このアイデアについて、利用者にとっての価値、実現に必要な技術、費用に関わる要素、確認すべき課題を整理してください」
と質問します。
ステップ④ 既存の商品を調べる
「このアイデアに似た商品があるか調べたいので、検索キーワードを10個提案してください」
と依頼します。
提案されたキーワードを使い、実際に調べてみましょう。
ステップ⑤ 試作方法を考える
「このアイデアを小さく試すための簡単な試作方法を考えてください。必要な材料、確認項目、注意点を整理してください」
と質問します。
ステップ⑥ 失敗する可能性を考える
最後に、
「このアイデアがうまくいかないとしたら、どのような理由が考えられますか?それぞれを確認する方法も教えてください」
と質問してみましょう。
ここまでできれば、発想を広げるだけでなく、実現可能性を検討するところまで体験できます。
ソラ先生からひとこと
新しいアイデアを考えるとき、最初から正解が分かっていることは多くありません。
考えてみても、うまくいかないことがあります。
試作して初めて、問題に気づくこともあります。
しかし、その経験から新しい発見が生まれる場合があります。
ChatGPTは、異なる視点を提示したり、考えを整理したり、新しい可能性を探す手助けができます。
ただし、AIが提案したものを、すべて信じる必要はありません。
自分の考えを持ち、異なる意見も受け止め、必要なら調べて試してみる。
その繰り返しが、新しい価値を生み出すことにつながります。
新しい発想とは、単に思いつくことではありません。考え、試し、発見し、実現へ近づけていくことです。
次回【第34回】は「ChatGPTで企画書を作成する方法|アイデアを目的・対象者・実行計画・費用に落とし込もう」です。
今回考えたアイデアを、ほかの人にも説明できる企画書へまとめる方法を学びます。