研究開発では、失敗した試作品にも役割がある
研究開発の現場では、新しい技術や製品を実現するために、さまざまな試作品が製作されます。
設計した形状を実際につくり、組み立て、動かし、性能を確認する。その結果が期待どおりになることもあれば、想定した性能が得られないこともあります。
一般的な製品製作では、要求された品質を満たさないものは不良品として扱われます。
しかし、研究開発のための試作では、求めていた結果が得られなかったからといって、その試作品が無意味になるわけではありません。
例えば、新しい機構を検討するために樹脂部品を製作したとします。
実際に組み立てて動かしたところ、摺動抵抗が大きく、期待した動作が得られなかったとします。
この結果から、部品同士の接触状態、材料の摩擦特性、寸法や形状の問題など、次に検討するべき課題が見えてくる場合があります。
また、材料の強度を評価するための試作品では、破損した位置や状態から、荷重のかかり方や構造上の弱点を考えることができます。
もちろん、試作品が破損した原因を正しく理解するためには、使用条件や試験方法についても確認する必要があります。
設計上の問題なのか、加工によって生じた問題なのか、試験条件によるものなのか。
原因を区別しなければ、次の試作で適切な改善ができないからです。
株式会社アリスでは、研究開発に関わるものづくりにおいて、試作品を完成させることだけを目的とは考えていません。
お客様が何を確認したいのか、どのような技術的課題を解決しようとしているのかを理解することが重要だと考えています。
そのため、試作結果によって形状や材質の変更が必要になった場合には、変更の目的を確認しながら加工方法を検討します。
一部分だけを変更した試作品を製作する場合もあれば、構造そのものを見直した部品が必要になる場合もあります。
研究開発では、最初から完成形が決まっているとは限りません。
試してみなければ分からないことがあり、実際の結果によって次に進む方向が変わることもあります。
大切なのは、期待した結果が得られなかったときに、何が分かったのかを考えることです。
試作の価値は、成功したか失敗したかだけでは決まりません。次の判断につながる情報が得られたかどうかも重要です。
株式会社アリスは、研究開発の試行錯誤を支えるものづくりを通じて、お客様が次の一歩へ進むための仕事に向き合っています。