研究開発の部品は、使い方から考える
研究開発用の部品をつくるとき、図面に書かれている形や寸法だけでは分からないことがあります。
その部品が何のために使われるのか。
どんな環境で使われるのか。
どの部分が重要なのか。
研究開発の仕事では、こうした背景を知ることで、加工するときの考え方が変わることがあります。
たとえば、同じ樹脂部品でも、実験装置の中で使うものと、生産設備の中で使うものでは求められることが違います。
薬品に触れるのか。
熱がかかるのか。
電気を通したくないのか。
透明で内部を確認したいのか。
軽くしたいのか。
何度も取り外して使うのか。
用途によって、適した材料も加工方法も変わります。
研究開発では、まだ最終仕様が決まっていないこともあります。
まず一つつくって確認する。
その結果を見て、次を考える。
そんな進め方もあります。
だから最初から必要以上につくり込むより、今の段階で何を確認したいのかを整理することが大切になります。
たとえば、形だけ確認したいのであれば、最終製品とまったく同じ材質でなくても確認できる場合があります。
逆に、耐薬品性や摩擦、温度による変化を確認したいのであれば、実際に使用する材料で試す必要があります。
何を確認するための部品なのか。
そこを間違えると、せっかく試作品をつくっても必要な判断ができません。
(株)アリスでは、研究開発の部品を単なる加工品として見るのではなく、その先の目的まで考えるようにしています。
実験を進めるためなのか。
設計を確認するためなのか。
組み付けを確認するためなのか。
量産前の評価に使うのか。
目的が分かれば、どこを大切につくるべきかも見えてきます。
研究開発の仕事では、完成した製品だけが成果ではありません。
一つの部品から分かったこと。
一度の試作から見えた問題。
使ってみて初めて気づいたこと。
そのすべてが、次の判断につながります。
部品をつくる前に、まず使い方を考える。
その部品が何を確かめるために必要なのかを知る。
そこから、研究開発のものづくりは始まります。