アテルイは、なぜ千年以上たっても戻ってくるのか
2014.06.27
アテルイは戦いに敗れ、処刑されました。
国家側の記録では、敵として整理されました。
それでも名前は消えませんでした。
現代になると、地域では「自分たちの土地を守った人物」として語られるようになります。
これは単なる英雄化でしょうか。
もちろん後世の評価が加わっています。
でも、その評価が生まれる土台には、土地の記憶があります。
なぜあれほど長く抵抗できたのか。
なぜ人がついていったのか。
なぜ降伏したあとも処刑する必要があったのか。
もし本当に取るに足らない賊だったなら、そこまで警戒する必要はなかったでしょう。
しかも、後世になって彼を悼む人が現れる。
墓や塚に結び付く伝承が生まれる。
遠く離れた場所でも名前が残る。
こういう人物は、勝った側の記録だけでは説明しきれないものがあります。
人は、恐怖だけで千年も名前を残さないでしょう。
どこかで誰かが、
「あの人は違った」
と語り続けた。
その小さな声が何代もつながり、後世まで残った可能性があります。
歴史から消された人物が、土地の記憶からもう一度戻ってくる。
アテルイを見ると、そんなことを考えてしまいます。
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