鹿島神宮の祭りに、なぜ船が出てくるのか
2014.03.22
鹿島神宮には「御船祭」があります。
名前だけでも、水との関係が分かります。
伝承では、鹿島の神へ舟を奉納したことに始まる祭りとされています。
そして古代の鹿島周辺では、霞ヶ浦、北浦、河川や湖沼が現在より大きな水域としてつながり、その水域を多くの船が往来していました。鹿島と香取は、その水の世界を挟んで向かい合う位置にありました。鹿嶋市ホームページ
ここで重要なのは、「船の祭りがあるから水運が盛んだった」という単純な話ではありません。
もっと生活に近いところから考えたい。
毎日のように船を使う。
魚を運ぶ。
米を運ぶ。
人を運ぶ。
遠くの土地へ行く。
風が強ければ出られない。
波が荒れれば帰れない。
事故が起これば、人も荷物も失う。
そんな生活をしている人たちにとって、船はただの交通手段ではありません。
命そのものです。
だから船に関する祭祀が発達しても、何も不思議ではありません。
鹿島神宮を「武の神」とだけ見ると、こうした生活の匂いが消えてしまいます。
でも御船祭を見ると、
その土地には実際に水辺で生きた人たちがいたことを思い出させてくれます。
神話の向こうに、
船頭がいる。
漁師がいる。
荷を運ぶ人がいる。
家で帰りを待つ家族がいる。
神社を人間の世界へ戻して見ると、祭りの意味も変わってきます。
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