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「勝者が歴史を書く」は、本当なのか

2014.03.09

「勝者が歴史を書く」よく聞く言葉です。

確かに、古代国家が編纂した歴史書を読めば、国家に従わない者は、

「賊」「反乱」「蝦夷」などと書かれます。

しかし、これだけで終わらせると少し乱暴です。

勝った側が歴史書を書くことはある。

でも、負けた側の記憶が完全に消えるとは限りません。

地名に残る。

墓に残る。

塚に残る。

神社に残る。

祭りに残る。

昔話に残る。

そして、家族から家族へ語り継がれることもあります。

公式の歴史と、土地に残った記憶。

この二つは、同じ形では残りません。

文章は言葉を残します。

土地は場所を残します。

墓は祈りを残します。

伝承は感情を残します。

だから私は、

一つだけを見ない方がいいと思っています。

文献だけを見ると、勝者の論理に引っ張られるかもしれない。

逆に伝承だけを見ると、後世につくられた物語まで事実だと思ってしまうかもしれない。

だから全部並べます。

文献。

伝承。

神社。

地名。

墓。

遺跡。

土地の形。

川。

海。

道。

気候。

そして現地の人の話。

全部を机の上へ置き、一度バラバラにする。

これはいつの資料なのか。

誰が残したのか。

なぜここにあるのか。

誰に都合がいいのか。

土地の形と矛盾しないか。

人間なら、本当にそんな行動をするだろうか。

一つずつ因数分解する。

そして最後に、もう一度組み立てる。

すると、教科書の一行だった歴史に、少しずつ山が現れ、川が流れ、人が歩き始めます。

私は、その瞬間が歴史のいちばん面白いところだと思っています。

昔の人も、私たちと同じ人間です。

腹が減る。

寒ければ震える。

家族を心配する。

怖ければ逃げる。

大切なものを奪われそうなら、戦うこともある。

そして死んだ人を、忘れたくないと思う。

そんな当たり前の人間を取り戻していく。

それが、私たちがこれからやろうとしている歴史の見方なのだと思います。

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