役に立たないものにも、意味があった
2013.10.30
生きるために絶対必要かと言われれば、なくても困らないものがあります。
花。
月見。
飾り。
祭り。
歌。
遊び。
昔の人たちは、そういうものを暮らしの中に残してきました。
食べ物のように腹を満たすわけでもない。
雨をしのぐわけでもない。
道具のように仕事を助けるわけでもない。
それでも捨てなかった。
私は、ここに日本人の豊かさの考え方があったと思っています。
人は、食べて寝るだけでは生きていけない。
きれいなものを見る。
笑う。
季節を感じる。
誰かと歌う。
祭りの日を待つ。
そういう時間があるから、毎日の暮らしに張りが出る。
昔の人は、それを知っていた。
だから花を飾る。
器の形にこだわる。
食事の盛り方を考える。
庭を見る。
月を見る。
仕事の合間に祭りをする。
役に立つかどうかだけで、物の価値を決めなかった。
ここが大事だったのだと思います。
一見すると無駄に見えるものでも、人の心を整えることがある。
心が整えば、また働ける。
人と話せる。
家族や仲間と笑える。
つまり、
役に立たないように見えるものが、暮らしを続ける力になっていた。
私は、昔の日本人はそこを感覚的に分かっていたと思っています。
豊かさとは、物が多いことではない。
効率がいいことでもない。
必要なものだけを残すことでもない。
少しの遊び。
少しの美しさ。
少しの無駄。
それを残せる余裕があること。
私は、それも日本人が大切にしてきた暮らしの知恵だったと思っています。
新着記事
人気記事
カテゴリー
アーカイブ