昔の日本では、よその子も「地域の子」だった
2013.09.25
昔は、近所のおじさんやおばさんに叱られた。
そんな話を聞くことがあります。
今なら、
「他人の子どもに口を出すな」
と言われるかもしれません。
でも昔の日本では、少し感覚が違いました。
隣の子どもも、自分とは無関係な子どもではなかった。
同じ地域で育つ子どもだった。
危ないことをしていれば止める。
悪いことをすれば叱る。
困っていれば助ける。
親が忙しければ、近所の人が見る。
それは「他人の家庭へ介入する」という感覚ではなかったのでしょう。
その子も地域の一員だったからです。
私は、この感覚には非常に古い日本の共同体意識が残っていたと思っています。
縄文の暮らしでは、家族の境界そのものが今よりゆるやかだった。
子どもは親だけのものではない。
老人も、その家だけで支える存在ではない。
みんなで暮らしている以上、みんなに少しずつ責任がある。
その感覚が、形を変えながら長い間残った。
江戸時代の町や村でも、子どもは地域の中で育っていた。
祭りにも参加する。
仕事を覚える。
近所の大人から叱られる。
そして褒められる。
いろいろな大人を見ながら育つ。
だから子どもにとっても、
「大人=親だけ」
ではなかった。
地域にはたくさんの大人がいた。
頼れる人も、怖い人も、面白い人もいる。
その全部が、子どもを育てていた。
昔の日本では、
子どもは家の子である前に、地域の子だった。
私は、その感覚が日本の共同体を長く支えてきたのだと思っています。
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