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役割重視から、なぜ身分重視に変わったのか

2013.09.21

古い共同体では、役割はその人の力や経験によって決まっていた。

水を知る人が水を任される。

山を知る人が山へ入る。

船を扱える人が海へ出る。

祭祀のできる人が祭りを担う。

人をまとめるのが得意な人が、話し合いの中心になる。

私は、もともとの日本社会はそんな形だったと思っています。

ところが、連合が大きくなっていくと事情が変わります。

同じ仕事を毎回違う人に任せるより、決まった人に任せた方が便利になる。

その人が年を取れば、仕事を知っている子どもや身近な人へ引き継ぐ。

最初は、それだけだったのかもしれません。

でも、

「この仕事は、この家がやる」

という形が何世代も続けば、

いつの間にか、

「この家だから、この仕事をする」

へ変わります。

ここが大きな変化です。

能力から役割が生まれていた社会が、家によって役割が決まる社会へ変わった。

さらに、その役割に土地や物資、人を動かす力まで付いてくる。

すると、その家はだんだん強くなる。

役割が地位になる。

地位が家柄になる。

家柄が身分になる。

私は、身分社会というものも、最初から誰かが作ろうとして作ったとは限らないと思っています。

便利だから役割を固定した。

技術や経験を子どもへ伝えた。

それが何世代も続くうちに、固定された。

そして、

「何ができる人なのか」より、「どの家に生まれた人なのか」

が重要になっていった。

ここで、縄文以来の社会とは大きく変わります。

昔は、必要な人が前へ出た。

ところが身分社会になると、

前へ出る人が最初から決まっている。

能力があっても、その家に生まれていなければ役割を持てない。

能力がなくても、その家に生まれれば地位を持つ。

こうなると、社会は少しずつ硬くなります。

私は、日本の古代社会が支配国家へ変わっていった本当の転換点は、

王が現れたことだけではなく、役割が世襲され、身分に変わったこと

だったと思っています。

人は本来、それぞれ違う力を持っている。

その力を生かしてチームを作る。

それが古い共同体の強さだった。

でも役割を固定した瞬間から、

人を見る基準が、

「何ができるか」から「誰の子か」へ変わった。

そこから、支配する側と支配される側が、はっきり分かれていったのだと思います。

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