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レオナルド・ダ・ヴィンチさま|なぜ、そこまで知りたかったのか?

2013.04.28

レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿を見ると、不思議に思います。

この人は、いったい何のためにここまで調べたのでしょう。

人体を解剖する。

鳥の翼を観察する。

水の渦を描く。

植物の枝分かれを調べる。

光や影を見る。

岩や地層まで観察する。

仕事に必要だから調べたものも、もちろんあったでしょう。

でも、それだけでは説明できない気がします。

知りたかったから、調べた。

案外、それが一番近いのではないでしょうか。

疑問を放っておけない

普通なら、水が流れていても、

「水が流れているな」

で終わります。

鳥が飛んでいても、

「鳥が飛んでいるな」

で終わります。

ところがダ・ヴィンチは、そこで止まりません。

なぜ水はこう流れる?

なぜ渦ができる?

なぜ鳥は落ちない?

翼はどう動いている?

人間の身体は、なぜこのように動く?

一つ分かると終わるのではなく、そこから次の疑問が出てくる。

少し面倒な人です。

でも科学やものづくりでは、この「面倒くささ」が大切なのかもしれません。

分からないことを、分からないままにしない

ダ・ヴィンチは人体を外から眺めるだけでは満足せず、実際に解剖しました。

骨を見る。

筋肉を見る。

臓器を見る。

心臓を見る。

表面から見えないなら、中を見る。

それでも分からなければ、さらに考える。

これは特別な才能というより、ある意味では単純な行動です。

分からなければ、もっと見る。

ところが実際には、これがなかなかできません。

私たちは分からないことに出会うと、知っている言葉で説明して終わらせてしまうことがあります。

「そういうものだから」

「昔からそうしているから」

「普通はこうだから」

それなら考えなくても済みます。

ダ・ヴィンチは、どうもそれでは気持ち悪かったように見えます。

役に立つかどうかは、あとから決まる

ここも面白いところです。

何かを学ぶとき、

「それ、何の役に立つの?」

と考えることがあります。

もちろん仕事では大切な視点です。

でも、最初から役に立つものだけを選んでいたら、新しい発見はずいぶん減るのではないでしょうか。

鳥を観察したから飛行について考える。

水を観察したから流体について考える。

人体を調べたから、構造や動きを理解する。

最初に用途を決めてから知識を集めるのではなく、

面白いから知る。
知ったものが、あとで別のところにつながる。

ダ・ヴィンチの世界には、そんな順番があったように思います。

無駄な知識なんて、本当にあるのだろうか

ものづくりをしていても、意外な経験が突然役に立つことがあります。

昔失敗した加工。

たまたま触った材料。

別の業界で見た構造。

誰かとの雑談。

そのときは何の役に立つか分からなかったことが、何年もあとになって問題を解くヒントになる。

知識は、覚えた瞬間に役に立たなくてもいい。

経験も、すぐに成果にならなくてもいい。

頭の中にいろいろなものが入っているから、ある日それまで関係のなかった二つがつながることがあります。

そう考えると、ダ・ヴィンチがあれほど多くのものに興味を持ったことも、少し違って見えてきます。

好奇心は、仕事になる前から始まっている

新しいものを生み出す人は、最初から答えを探しているとは限りません。

「なんで?」

「どうなってる?」

「ちょっと見てみたい。」

そんな小さな好奇心から始まることがあります。

ダ・ヴィンチは、それを途中でやめなかった。

だから一つの疑問が次の疑問につながり、絵から人体へ、人体から構造へ、鳥から飛行へ、水から工学へと世界が広がっていった。

私は、そこがダ・ヴィンチのすごさなのではないかと思います。

何でも知っていたことではなく、

知らないものを面白がれたこと。

株式会社アリスでも、知らない仕事や初めての相談に出会うことがあります。

そんなとき、最初から「できる・できない」だけで終わらせず、

「どうなっているんだろう?」

そこから考えることを大切にしています。

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