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レオナルド・ダ・ヴィンチさま|なぜ、何でもできたのか?

2013.04.27

レオナルド・ダ・ヴィンチと聞くと、何を思い浮かべるでしょう。

『モナ・リザ』や『最後の晩餐』を描いた画家。

それとも、空を飛ぶ機械やさまざまな装置を考えた発明家でしょうか。

人体を解剖し、骨や筋肉、内臓を調べた研究者でもあります。

水の流れを観察し、鳥の飛び方を研究し、植物を描き、建築や土木についても考えていました。

こう並べると、とんでもなく多才な人です。

でも私は、少し違う見方をしています。

ダ・ヴィンチは、何でもできたのではなく、

何をするときも、やっていることが同じだったのではないか。

そんな気がするのです。

見るだけでは終わらない

ダ・ヴィンチは、とにかく観察しました。

人間の身体を見る。

鳥を見る。

水を見る。

植物を見る。

ただし、「よく見ました」で終わりません。

人間の腕は、なぜこの方向に動くのか。

筋肉はどうつながっているのか。

心臓はどんな構造になっているのか。

鳥はどうやって翼を動かしているのか。

水は障害物に当たると、なぜ渦をつくるのか。

目の前で起きている現象から、その奥にある仕組みを知ろうとする。

観察して、分解して、考える。

そして、それを絵に描く。

ダ・ヴィンチにとって「描く」という行為は、単に記録することではなかったのかもしれません。

描こうとすると、曖昧なままでは描けません。

ここはどうつながっている?

こっちはどう動く?

中はどうなっている?

描くことで、自分が分かっていないところまで見えてきます。

人体と機械は、本当に別のものだろうか

面白いのはここからです。

ダ・ヴィンチは人体を研究するときにも、構造や動きを考えています。

鳥を研究するときにも、翼がどう動くかを考えています。

機械を考えるときにも、力がどこからどこへ伝わるかを考えています。

対象は違います。

でも、考えていることは意外と似ています。

形。

構造。

力。

動き。

流れ。

原因と結果。

そう考えると、画家、科学者、発明家という分類そのものが、ダ・ヴィンチにはあまり意味がないように思えてきます。

人間も鳥も水も機械も、彼にとっては、

「これは、どうなっているんだ?」

という一つの世界だったのではないでしょうか。

原理が分かれば、別のものにも使える

ここで私は、ものづくりのことを考えました。

仕事を覚えるとき、やり方だけを覚えることがあります。

この材料ならこの条件。

この形ならこの工具。

この機械ならこの操作。

もちろん、それも必要です。

でも、やり方だけを覚えていると、条件が変わったときに困ります。

なぜ、この条件なのか。

なぜ、この形なのか。

なぜ、ここで失敗するのか。

その原理まで分かっていれば、初めて見る仕事でも考えることができます。

ダ・ヴィンチがいろいろな分野へ入っていけた理由も、そこにあるのではないかと思います。

大量の知識を持っていたから何でもできた、というより、

目の前のものを観察し、本質を考え、原理をつかもうとする。

その方法を持っていた。

だから対象が人体から鳥に変わっても、水から機械に変わっても、また考えることができる。

専門がなかったのではありません。

もしかすると、

「どうなっているのかを知ること」そのものが、ダ・ヴィンチの専門だった。

そんな人だったのではないでしょうか。

分からないから、面白い

ダ・ヴィンチが残したものには、完成しなかったものもたくさんあります。

考えた機械がすべて実用化されたわけでもありません。

研究にも間違いはありました。

それでも、分からないものを見る。

描く。

考える。

試す。

そしてまた見る。

500年以上前に生きた人ですが、この姿勢は今のものづくりにも通じるものがあります。

私たちも、最初から答えを知っている仕事ばかりをしているわけではありません。

分からないものを観察し、考え、必要なら試してみる。

株式会社アリスでも、そんな積み重ねを大切にしながら、日々ものづくりに向き合っています。

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