同じ部品を、同じようにつくり続ける難しさ。
一度つくることができた部品なら、次からは簡単につくれる。
そう思われるかもしれません。
確かに、初回の機械加工で加工方法や段取りが決まれば、二回目以降は経験を活かすことができます。
しかし、繰り返し製作する部品には、別の難しさがあります。
前回と同じ寸法に仕上げる。
必要な精度を安定して維持する。
数量が増えても品質を揃える。
ものづくりの現場では、「同じものを同じようにつくる」ことも大切な加工技術です。
工具は使用するうちに摩耗します。
材料にも違いがあります。
気温や加工条件によって、樹脂材料では寸法への影響が出ることもあります。
金属加工でも、工具や加工条件、測定方法などを確認しながら品質を保つ必要があります。
だから、前回うまくいったから今回も何も考えなくていい、というわけではありません。
繰り返し品だからこそ、過去の加工経験を活かします。
どの工程に注意するのか。
どの寸法を確認するのか。
どの工具や加工条件を使ったのか。
経験を蓄積することで、安定した部品加工につなげていきます。
また、同じ仕事を続けているからこそ改善できることもあります。
加工する順番を変えた方がよいかもしれない。
段取りを工夫すれば時間を短縮できるかもしれない。
工具を変えることで仕上がりが安定するかもしれない。
繰り返すことは、同じことを何も考えずに続けることではありません。
一度目の経験を二度目へ。
二度目の経験を三度目へ。
少しずつ理解を深めながら、安定して製作できる仕事へ変えていく。
研究開発の試作から始まった部品が、その後、生産用として繰り返し必要になることもあります。
試作から生産まで。
一度つくる技術だけではなく、同じ品質でつくり続けることも、私たちが大切にしているものづくりです。