POMの薄肉部品を切削するときにクランプ力が問題になる理由
2026.04.22
POMは治具や機械部品に多く使用され、薄肉形状の切削加工を行うこともあります。
薄肉加工で特に注意したいのが、ワークの固定方法です。
切削加工では、工具から受ける力でワークが動かないように固定する必要があります。
しかし、POM部品では固定力を強くすれば良いとは限りません。
薄い材料を強くクランプすると、その時点で材料自体が変形することがあります。
変形した状態のまま上面や側面を正確に削れば、工作機械上では狙った寸法になります。
ところが加工終了後に固定を解除すると、材料が元の状態へ戻ろうとします。
その結果、平面度、厚み、穴位置などが変化する可能性があります。
そのため薄肉POMでは、加工中に動かないことと、変形させないことの両方を成立させる必要があります。
製品形状に応じて固定位置を変える、接触面積を広くする、加工工程を分けるなどの方法を検討します。
また、薄肉部では工具の切削抵抗によって材料自体が逃げることもあります。
特に細長い壁形状では、工具が接触した瞬間にワークがたわみ、その後元へ戻るため、削り残しや寸法差の原因になります。
回転数や送りだけではなく、工具径、切込み量、加工方向も含めた調整が必要です。
(株)アリスでは、POMの薄肉部品について「加工できるか」だけではなく、加工後に必要な形状と寸法が安定するかを考えます。
薄肉加工の技術は、細い工具を使うことではありません。
材料をできるだけ自然な状態に保ちながら、必要な部分だけを正確に削ることが重要です。
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