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昨日まで難しかった仕事が、ある日「できそう」に変わる

2026.08.05

仕事を続けていると、ある日突然、今まで難しく見えていたものが違って見えることがあります。

私は、その瞬間が仕事の面白さの一つだと思っています。

(株)アリスでは、研究開発や試作、生産設備などで使われる部品をつくっています。

プラスチック樹脂もあれば、アルミなどの金属もあります。

一個だけの試作品もあれば、数十個、数百個の部品をつくることもあります。

図面も毎回同じではありません。

だから、機械加工の仕事は「このボタンを押せば終わり」という仕事ではありません。

最初は、機械の前に立つだけでも分からないことだらけです。

工具の名前。

材料の置き方。

製品の固定方法。

測定工具の使い方。

図面の見方。

加工が終わった製品を見ても、どこが大切な部分なのか分からないこともあります。

それでも、毎日少しずつ触れていると変わってきます。

最初はただの線に見えていた図面から、形が想像できるようになる。

「ここを先に削ったら持つところがなくなるな」

「この部分は薄いから最後にした方がよさそうだ」

「この材料なら、いつもの条件とは少し変えた方がいいかもしれない」

と考えられるようになる。

昨日まで、

「こんな形、どうやって作るんだろう」

と思っていた図面を見て、

「これなら、こうやったらできるかもしれない」

と思える日が来ます。

私は、そこに技術者としての成長があると思っています。

機械が新しくなったから急に技術が身につくわけではありません。

CAD/CAMを使えるようになっただけでもありません。

一つの仕事で覚えたことを、次の仕事で使う。

前回失敗したことを覚えていて、今回は方法を変える。

違う材料、違う形状、違う数量でも、自分の経験をつなげて考える。

それが少しずつ積み重なっていきます。

私自身も、これまでずっとそうでした。

製造現場で仕事をした。

運送の仕事もした。

営業へ移った。

エンジニアリング商社では、空調、油圧・空圧、FA、設備、クリーンルーム、量産部品など、分野の違う仕事に次々と関わりました。

一見すると、バラバラな経験に見えるかもしれません。

でも今は、その全部がつながっています。

お客様が何に困っているのかを考える。

製造側では何が難しいのかを考える。

設備ならどうするか。

加工ならどうするか。

自社でやるのか、得意な協力会社へお願いするのか。

一つの経験だけでは出せなかった答えが、いくつもの経験を重ねることで出せるようになりました。

だから私は、若いうちから「これしかやらない」と決めなくてもいいと思っています。

目の前の仕事を一つ覚える。

そこで得たものを、次の仕事へ持っていく。

その積み重ねは、すぐには見えなくても、数年後には大きな力になります。

(株)アリスでも、最初から難しい仕事を一人で任せるわけではありません。

まずは一つ。

次にもう一つ。

できることを増やしていく。

やがて図面を見て、自分で考えられるようになる。

そして、今度は自分の考えで製品を完成させる。

そこまで来ると、機械加工はただの作業ではありません。

自分の頭の中にあった加工方法が、実際の製品になって目の前に現れます。

私は、ものづくりの仕事には、そんなワクワクする瞬間があると思っています。

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