200個なら切削加工か試作金型か|数量だけでは決まらない製作方法
「200個必要だから、すべて切削加工するのか。それとも試作金型を製作して射出成形へ切り替えるのか。」
こうした判断は、数量だけでは決まりません。
重要なのは、その部品の形状です。
例えば、肉厚が大きく、射出成形ではヒケやボイド、冷却時間などの問題が出やすい形状であれば、無理に成形するよりも切削加工で製作した方が合理的な場合があります。
特に、もともとブロック材から削り出しやすい形状で、加工工程もそれほど複雑でなければ、200個程度であっても切削加工の方が安価になるケースがあります。
一方で、形状を薄肉化でき、射出成形に適した肉厚や抜き勾配へ変更できるのであれば、簡易金型や試作金型を製作して射出成形する方が、1個あたりの製作コストを下げられる可能性があります。
この違いは大きいです。
切削加工は、基本的に1個ずつ材料から削り出します。そのため数量が増えるほど、材料費と加工時間が積み上がります。
射出成形は最初に金型費用が必要ですが、金型が完成すれば、成形サイクルごとに同じ形状を繰り返し製作できます。
ただし、だからといって「200個なら射出成形」と機械的に決めることはできません。
肉厚が厚すぎる。
アンダーカットが多い。
金型構造が複雑になる。
設計変更の可能性が高い。
要求数量のわりに金型費が大きくなる。
こうした条件では、切削加工を続けた方が結果的に安く、早く製作できる場合があります。
逆に、成形しやすい形状で、今後も追加数量が見込まれるのであれば、早い段階で簡易金型へ切り替える意味が出てきます。
つまり、「200個」という数量は判断材料の一つに過ぎません。
本当に見るべきなのは、形状、肉厚、材料、要求精度、設計変更の可能性、今後の数量です。
(株)アリスでは、切削加工ありき、射出成形ありきで考えるのではなく、図面や3Dデータを確認しながら、どちらがお客様にとって合理的なのかを判断しています。
200個を全部削ることが正解なのか。
それとも、形状を見直して簡易金型へ切り替えた方が良いのか。
製作方法を選ぶ技術も、開発ものづくりでは重要な技術の一つです。