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CAD/CAMから学んだ、加工前に考える仕事の大切さ。

2018.06.21

(株)アリスでは、切削加工を行う際にCAD/CAMを活用しています。

CAD/CAMというと、図面を作成したり、加工プログラムをつくったりするためのソフトウェアというイメージがあるかもしれません。

もちろん、それも大切な役割です。

しかし、実際に長く携わっていると、それだけではないことが分かります。

私は、CAD/CAMは「加工する前に考えるための道具」でもあると思っています。

工具は、どこから入るのか。

どの順番で削るのか。

加工途中で工具やホルダーが干渉しないか。

材料をどのように固定するのか。

途中で測定できる状態になっているか。

加工後に仕上げや追加工が必要になるのか。

図面上で形状が成立していても、そのまま工作機械で加工できるとは限りません。

だから、CAD/CAMの仕事では、単に形状をデータに置き換えるだけではなく、

「どうすれば実際につくれるのか。」

を考える必要があります。

これは、加工を始める前に失敗の可能性を減らす仕事でもあります。

機械を動かしてから、

「この工具では届かない。」

「ここが固定できない。」

「この順番では最後の加工ができない。」

と気づけば、やり直しが必要になることがあります。

先に考えておけば、防げることがあります。

その意味では、CAD/CAMを使っている時間は、機械が止まっている時間ではありません。

後の加工を安定させるための大切な準備時間です。

ただし、CAD/CAMがすべての答えを出してくれるわけではありません。

ソフトウェアは、加工経路をつくることを支援してくれます。

工作機械も、指示された内容を高い精度で実行してくれます。

その一方で、

品質を優先するのか。

加工時間を短くするのか。

段取りのしやすさを優先するのか。

一個の試作なのか、その先の生産まで考えるのか。

何を優先するかは、仕事の目的によって変わります。

同じ図面でも、答えが一つとは限りません。

だからこそ、CAD/CAMを扱う人には、ソフトウェアの操作だけではなく、実際の加工を理解することが大切になります。

工具がどのように材料を削るのか。

固定方法によって何が変わるのか。

加工したあと、どのように仕上げるのか。

現場で何が起きるのかを知るほど、加工前に考えられることも増えていきます。

これは最初から身についているものではありません。

加工結果を見る。

うまくいかなかった理由を確認する。

製造側の意見を聞く。

次の加工データへ反映する。

そうした経験を積み重ねることで、画面の中の形状だけではなく、その先にある実際の加工まで想像できるようになります。

(株)アリスでは、CAD/CAMを単なるデータ作成の工程とは考えていません。

図面と加工現場をつなぎ、機械を動かす前に問題を予測し、より良い作り方を考える工程の一つです。

良い加工データとは、きれいなプログラムをつくることだけではありません。

実際の現場で無理なく加工でき、必要な品質につながること。

CAD/CAMから学んだのは、ものづくりでは「加工する力」と同じくらい、「加工する前に考える力」が大切だということです。

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