機械を動かせることより、加工を判断できること。
「機械加工」と聞くと、機械を操作して部品を削る仕事を思い浮かべる人が多いかもしれません。
もちろん、工作機械を正しく操作することは大切です。
しかし、(株)アリスが機械加工の仕事で大切にしているのは、機械を動かせることだけではありません。
図面を見たときに、
「この形状は、どうやって加工するのだろう。」
と考える。
材料を見て、
「この固定方法で大丈夫だろうか。」
と考える。
加工途中の寸法を見て、
「このまま進めて問題はないだろうか。」
と考える。
そして、必要であれば加工方法や順番を変える。
そうした判断ができることも、機械加工の大切な仕事だと考えています。
もちろん、最初から判断できるわけではありません。
まずは図面の読み方を覚える。
測定器を使えるようになる。
材料の特徴を知る。
工具の名前や使い方を覚える。
機械操作を経験する。
一つひとつの基本を身につけるところから始まります。
最初は、
「この工具を使います。」
「この順番で加工します。」
と教わった通りに進めます。
でも、仕事を繰り返していると、少しずつ疑問が出てきます。
「なぜ、この工具なのだろう。」
「どうして、この面から先に加工するのだろう。」
「ここで一度測定するのはなぜだろう。」
その理由が分かるようになると、同じ作業でも見え方が変わってきます。
さらに経験が増えると、初めて見る仕事でも、これまでの経験と比較しながら考えられるようになります。
「以前の部品と似ているけれど、今回は材料が違う。」
「この形状なら、加工すると材料が動くかもしれない。」
「このまま削るより、途中で一度寸法を確認したほうが安全だ。」
過去に覚えたことを、そのまま繰り返すのではなく、新しい仕事に合わせて使えるようになる。
それが、経験が技術へ変わっていく一つの過程だと思っています。
(株)アリスが大切にしているのは、経験や勘だけで、
「いつもこうしているから。」
と判断することではありません。
なぜ、この方法なのか。
何を優先しているのか。
どんな問題を避けるためなのか。
自分の考えを、できるだけ理由と一緒に説明できることを大切にしています。
理由が分かれば、条件が変わったときにも考えることができます。
材料が変わる。
形状が変わる。
数量が変わる。
求められる精度が変わる。
そんなときにも、
「今回は何が違うのか。」
を考え、これまでの経験を応用できるようになります。
(株)アリスが手掛ける研究開発の試作品や治具、小ロット・多品種の部品加工では、毎回まったく同じ仕事ばかりではありません。
だから、決められた操作を覚えることだけでは対応できない仕事があります。
まず基本を覚える。
その理由を知る。
実際に経験する。
結果を見る。
そして次の仕事では、自分で考えてみる。
この繰り返しによって、自分で判断できる範囲が少しずつ広がっていきます。
機械を操作できるようになることは、機械加工を覚えるための大切な一歩です。
でも、その先には、
「どう加工するのが一番良いのか。」
を自分で考えられる仕事があります。
(株)アリスでは、そうして一つずつ判断できることを増やしながら、機械を動かす人から、ものづくりを考えられるエンジニアへ成長していくことを大切にしています。