透明樹脂試作は切削か真空注型か|数量と形状から考える工法選定
透明樹脂の試作モデルを製作する場合、必ずしも切削加工だけが適しているとは限りません。形状や数量によっては、真空注型を選択した方が製作しやすくなる場合があります。
工法を判断する際にまず確認するのが数量です。
1個や数個の試作であれば、PCやPMMAなどの透明樹脂を直接切削することで、金型を製作せず短い工程で形状を確認できます。また、3Dデータを修正すれば加工データへ反映しやすいため、設計変更を伴う開発段階にも適しています。
一方、同一形状を十数個から数十個必要とする場合には、1個ずつ切削するよりも、マスターを1個製作してシリコン型を作り、透明ウレタン樹脂を真空注型する方法が有効になることがあります。
もう一つの判断材料が製品構造です。
透明切削では、工具が届かない内部形状や複雑なアンダーカットによって、一体加工が難しくなることがあります。その場合、複数部品へ分割して切削し、接着して透明モデルにする方法があります。ただし、可視化モデルでは接着線が観察の妨げになる可能性があります。
そのような形状では、マスター形状を工夫して真空注型へ切り替えることで、分割位置を変更したり、製品部分を一体化したりできるケースがあります。
ただし、真空注型にも制約があります。マスター品質がそのまま複製品質に影響し、シリコン型にも寿命があります。また、樹脂物性はPCやPMMAそのものとは異なるため、強度試験や材料特性の評価を目的とする場合には注意が必要です。
つまり、透明試作モデルの工法は「透明だからこの加工」と決めるのではなく、数量、形状、接着線の許容、必要物性、設計変更の可能性を整理して判断する必要があります。
(株)アリスでは、透明切削と真空注型を使い分けながら、試作品が何の確認に使われるのかを基準として製作方法を検討しています。