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切削加工の価値は、どこで一段上の領域に入るのか。

2020.01.03

問い
切削加工の価値は、どこで一段上の領域に入るのか。

現場
(株)アリスでは、切削加工そのもので形状を完成させることを基本に置いています。
後工程で調整する前提ではなく、機械加工の時点で最終品質を作り切ることが、精度と再現性を最も安定させる方法だと考えているためです。

特に透明樹脂の切削では、その考え方がより強く現れます。
ポリカーボネート(PC)やアクリルの加工では、刃物条件や送り、工具形状、保持方法のわずかな違いが、面の見え方に直結します。

構造
(株)アリスでは、レンズカット形状や複雑な三次元形状において、研磨や磨きに依存せず、切削のみで透明度を成立させる加工技術を蓄積してきました。
刃物跡を残さず、光の通り方そのものを設計する考え方です。

その結果として、ポリカーボネートの透明度がアクリルと見間違うレベルで評価されるケースも増えています。これは材料特性の差を上書きしているのではなく、切削条件と工程設計の積み上げによる結果です。

現在は、より単純な形状においても「磨かずに透明を成立させる」領域を研究しています。形状が簡単になるほど、逆に加工条件の支配要素が減り、刃物と材料の関係がより顕在化するためです。

本質
透明切削が難しい理由は、単に“光学的に綺麗に見せる”ことではありません。
加工面の微細な乱れが、そのまま視覚情報として増幅されるため、工程のどこか一つでも曖昧さがあると成立しない点にあります。

そのため、偶然の良品ではなく、条件を揃えたときに必ず同じ品質が出る状態を作ることが重要になります。ここに再現性の設計が必要になります。

全国から透明試作の依頼が寄せられる背景には、「できる会社が少ない」という理由だけでなく、この再現性の作り込みの難しさがあると感じています。

結論
(株)アリスでは、切削加工の価値は“削れること”ではなく、“同じ品質を設計して再現できること”にあると考えています。
私はこう思います。透明切削のような領域こそ、技術の差は結果ではなく、工程設計の思想の差として現れる領域だと考えています。

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